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Ma propre essence 私らしさ

夫が関わっているプロジェクトの1つが、5年目を迎えてのちょっとした会議をするのにあたって、各自、ちょっとした祝アペロを彩るひと皿を持ち寄らないといけないので、何か簡単なものでいいので頼めるかなと言ってきた。

別に私が作らないといけないわけではないけれど、我が家では、それがごくごく普通の習慣で、基本的に夫が職業に集中しやすいように、家庭のことは私が(いわゆる)ワンオペ。(その上で、私も折々仕事を持っているし、そういう時は、家事育児は予め外注して乗り越えた…は、長くなるので、そちらは、また改めて)

フランス人同士の家庭でも、そういうスタイルは珍しくはないけれど、主流というわけでもないから、妻がアジア人でという場合、本人が望んでそうしているのではなく、選択肢なく家事を担っていると誤解されることもある。“も”というより、“ありがち”なので、絶対に喜ばれる事はわかっていても、Sushiや日本食の類は(インターンの学生たちへの差し入れ等以外では)避けている。

夫は、シンプルにキッシュとかブルスケッタの類で十分と言ってくれるけれど、お祝いムードと聞いた以上は、茶色いテーブルにはしたくなくて(フランスの持ち寄りだと、キッシュやケイク類やオリーヴやチーズやパン(ほら、見事に暗色系でしょう?)になりがちなので、ちょっとしたアソビゴコロでお花を添えることにした。

「じゃあ、他の人と重ならないように、キッシュロレーヌではなく、ブエノスアイレス風にツナと玉ねぎのタルトにするわね」
とだけ言って、プチトマトにバジルと青リンゴを買いに出かけることにした。チューリップと葉に見立てて爪楊枝で留めてみる。思った通り、わりといい感じ。
サスティナブルが声高に語られるこの頃なので、青りんごを草に見立てて、竹製のお皿に盛り付けて。
夫がこれはいらないよと言えば、置いていってもらえばいいだけ(自分たちで食べればいいもの)で、事前にあれこれ詰める必要もないと思って。
でも、予測通り(この写真を送ったら、2秒で)大喜びしたので届けた。
話し合うべき事はとことん話し合うけれど、家の事はワンオペでずっと来ているお陰で、自分で決めて、自分のペースで、自分らしさを失わずにいられている。
ちなみに、夫に送った写メのタイトルは、
『プロヴァンス風プチトマトl’Ikebana(生花)仕立て』
世界のどこで暮らしていても、私は私。

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