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飛んできました、文学フリマ体験記

こんにちは、甘衣君彩(あまいきみどり)です(・∀・)突然ですが、5月21日の文学フリマ東京36に参加してきました。

はい、ここで「おい待てお前山口住みじゃ……」と思った人は残念ながら私のファンです。そうです、私は山口県から遥々東京都まで飛んできたのです。飛行機で。
実は東京に旅行に行くことを決めた時、文学フリマのことを知りませんでした。適当な土日を調べて、同伴予定の母に希望日程を送ってしばらくしてから、その日曜日に文学フリマがあることを知ったのです。なんて素敵な運命。即座に旅行に組み込みました。Twitterで出店者の方々がわいわいしているのを毎日見ながら、このガヤガヤに加われるのか!とドキドキしながら見守っておりました。周りたいお店を調べて纏めて母のLINEに放り込んだりもしました。参加表明のツイートをしなかった理由は自分でも判然としないのですが……まあ、気まぐれ?よく分からないです。

そんでもって、いよいよ二泊三日の旅行にやってきました。一日目は大学があったので、終わってから飛行機に乗って、ホテルに着いたのは23時過ぎです。
二日目は、秋葉原で遊んでから劇団四季を見て、それから湯河原に行きました。泊まった旅館は「THE RYOKAN TOKYO」です。pixivが開催した「湯河原温泉小説コンテスト(以下湯河原コン)」で受賞すれば宿泊券が貰えたあのホテルです。原稿執筆プランや絵が描けるプランなど、創作好き(特に締切が近い人)にはたまらないプランがいっぱい揃っています。早く文学フリマの話が聞きたいでしょうが、もうしばらく語らせてください。
私と母は湯河原まで電車で向かいました。私は小説を書き、母は本を読みながら。ホームに降りた時、心に感塵が舞った気がしました。「湯河原」の大きな看板と温泉街らしく並んでいる建物を前に「ああ、聖地巡礼だ……」と呟きました。私が湯河原コンに出した小説「電車が着くまでに、」は湯河原を舞台とした作品では無いのですが、小説旅行に来た二人組が温泉街に向かう電車の中で小説を書く流れと完全に同じだったのです。エモくないですか?小説家志望がエモいという一言で片付けようとしているのはまずいでしょうが、エモくないですか?
湯河原は温泉街という雰囲気を大切にしている街でした。タクシーに乗ってランプの下がる道路を進み、角度が62度くらいあるんじゃなかろうかという道を登って、旅館に辿り着きました。赤い門を潜って玄関を入ると、そこにはなんとあのーーいや、ネタバレは禁物かな。とりあえずダイジェストで残りを話します。シェアスペースでは恐らく大学のサークルの方々が集団で絵を描いていたり、小説家らしき人がパソコンを叩いていたり。ロビーの壁の棚には小説や絵をかくための極意のような本があったり、畳の部屋にはyogiboがあったり。私のパソコンは熱を出してダウンしました。電圧か?電圧のせいでびっくりしちゃった?ああごめんなパソコンさん……マジごめんな……温泉はいい感じに熱くて気持ちよく、流石文豪達が愛しただけはあると感心したものです。さて、文豪と呼ばれたい皆さん、絵描きの皆さん、締切で死にそうな皆さんは今から予約して間に合うか疑わしいのでスマホを閉じて執筆しましょう、創作は湯河原の旅館でどうでしょうか。

ついに三日目、電車とモノレールを乗り継ぎ流通センターへ。11時半前に待機列に並びます。三列。出店者の方々が通り過ぎるのを見て「この中にTwitterで宣伝していた方々がいらっしゃるのか」などと至極当たり前にして実はとても凄いことを考え、いよいよここまで来たんだという満ち満ちさに浸っておりました。
さて、ここで問題なのが「名乗るか否か」です。やっぱり小説家として繋がりって欲しいじゃないですか。他の創作者さんと繋がりたいじゃないですか。でも、東京まで行けるのは年に一回あるかないか。その繋がりに果たして意味があるのか……なんて考えつつ、ギガの無いスマホでTwitterを開きました。その画面に「短歌の日ネプリ配布します」の文字、某出店者の方が誕生日だという情報(声掛けられませんでした……)そして、一ヶ月前から相互フォローしている出店者の方の宣伝を見いだしたのです。あ、いいや。繋がりとかおこがましいとかどうでもいいわ。話したい。めっちゃお礼言いたいし感想伝えたい。うん。結局知っている方にだけ名前をお教えすることにしました。えっへ。
会場に入ると、想像以上の盛況っぷり。11時58分頃に「あ、開けちゃいました」というかなり軽いノリで開いた会場。会場内では拍手が起こっていましたが、まだ会場に入っていない私達も拍手していたんですよ。胸にAと書かれた入場シールを貼り、待ち構えていたノベルピアさんのトートバッグを受け取ると、私達は一斉に会場に飛び込みました。飛行機ではなく、自分の足で。

ファンタジー・幻想文学のコーナーを最初に回ると決めていたので小走りで向かうと、あの相互フォローの出店者の方がいらっしゃったので、ドキドキしながら話しかけました。緊張しすぎて挙動不審で本当にすみませんでした。その後短歌の日のネプリの人を探しに行ったのですが、どこにいるか分からなすぎてDMさせて頂きました。短歌を送った時に付けるタグを間違えた上に待っていただいてすみません。また、事前に読んでファンになった小説の作者さんもいらっしゃったので、超早口で感想をお伝えしました。あっ名乗り忘れた。
多種多様なブースを回りました。気に入った本があれば購入し、聞かれたらどぎまぎしながら甘衣君彩を名乗りました。他の家族にも本を買いました。そういえば、開始10分で拍手起こってたのは売り切れたのかな。小説や詩集、短歌集だけじゃなくて、ゲームブックやCDなどもあったんですね。Switchのゲームもあった。出店者の皆さんは内容だけでなく表紙絵に凝っていたり、クイズを出したり、VTuberの売り子をつけたりと売るための創意工夫がすさまじい。140字SSや短歌をその場で書いてくれるところもあって面白かったです。その中に、面白さを狙わずシンプルにただ小説を売りたいと思っているような方もいらっしゃいました。それもまた創作者としての信念が感じられて良かったです。

購入&貰った冊子は以下の通りです。多分購入した順になっているはずです。(もし消して欲しいor感想が欲しいという方がいらっしゃったらお手数ですが@kimidori_novelのDMかpixivのメールまでお願いします……!)
・「薔薇と金木犀」(長尾さん)
・「短歌の日ネプリ」
・カフェタイムセット(pixiv編集部)
・「アルファズル戦記第一部:白竜の王女エステル」(7月のなまけもの:たつみ暁さん)
・「なまけもののことのは2023spring」(7月のなまけものさん)
・「そらたかくおちるきみへ」
・「星の声を聴く子ども」(野堀ゆんさん)
・「とおい、ちかい、とおい」(星々:羽田繭さん)
・ノベルピア5月号
・「いいかんじのタイトルをかんがえてください。」(思ってたより動くメロンパンさん)
・「動くメロンパン教経典」(思ってたより動くメロンパンさん)
・「マフィンと魔女と歌う樹のおはなし」(天月翔子さん)
・「Canto di mindia~人形の歌」(クラブジョバンニと魔女さん)
素晴らしい作品をありがとうございました。一気には読めませんが少しづつ読んでいきます。

さて……この文章は、山口に向かう飛行機の中で書いています。購入した小説を読む母の横で、湯河原や文学フリマを思い起こしながら。いやぁこのルポ「楽しかったです」が多いな。この楽しかったがもっと奥深く人を惹きつけるものに変えられるよう、更に執筆活動を頑張っていきます。いつか私も、出店者に加われたらいいな。いや、加わろう。

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