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【エッセイ】距離感(1000)

新宿歌舞伎町のホストによる焼肉店での史上最悪のバカッター。詳細は伏せるが狂気の沙汰である。

ご存知ない方はGoogleで「焼肉安安 炎上」で検索すれば詳細はわかるが、知らないままでなんの問題もない。あまりに不快な内容なので検索はオススメしない。

なぜこんな知性のカケラもないようなことが度々起こってしまうのだろうか。

やはりネット上での距離感を掴めないからだろうと思う。

現実の世界で傷つくことを極度に恐れ引き篭もり、誰とも交わらず淋しい気持ちになる。淋しさを紛らわすためにネットの中の顔も知らない誰かと文字だけの会話を交わし偽りの関係を築く。実際の人間関係の距離感は当然わからず簡単にあり得ない詐欺話に引っかかる。あるいはバズと炎上の区別もわからず、あり得ない恥部を世界中に晒し一生消えないデジタルタトゥーを残す。

私はどちらかと言うと人見知りで現実の関係を築くのは苦手だ。ひとりで何もせずゆっくりするのが一番好きだ。こどもの頃は友人の心ない一言に傷付き必要以上に悪口を恐れていたものだ。

ひとりでネットの世界に引き摺り込まれる若者たちの気持ちは痛いほどわかる。

しかし、現実で傷つけ傷つけられて徐々に距離感を掴みつつある。ある程度の人間関係の自分なりの築く術を身につけているつもりだ。まだまだ十分じゃないけれど。

たとえば。誰かがあなたに悪口を言ったとしよう。

悪口を言うのは簡単である。どんなことも悪口になる。

「大谷ハラスメント」なる言葉が存在する。野球やメジャーリーグに興味ない人にとって大谷選手の情報ばっかりうるさいってものだ。私もそう思うがまあ聞かなければいいだけの話である。特に悪いことをしているわけでもない彼でさえそんな荒唐無稽な悪口を言われるってことだ。しかも本人が原因じゃなくてマスゴミが原因である。

あの大谷選手でさえ妬みからなんの根拠もない罵詈雑言を浴びせられるのだ。誰だってなんでも言われるのだ。いちいち気にしていては身が保たない。

あるインスタグラマーが言っていた。彼はアンチコメントも時々取り上げ笑いに昇華する。

「誰かからの悪口や天災などの悪い出来事など辛いことは必ず起こりしかも自分ではコントロールできない。そういう時にする反応はふたつしかない。それで辛い気持ちになるか、何か意味のあることと捉えて乗り越えるか」

現実世界での距離感を忘れずに。顔の見えない相手も所詮は人間。botもいるので少しの用心を。

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