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Audibleで初めて聞いた小説『板上に咲く』

AmazonくんからAudibleの無料体験やってると言われたんで、試しに原田マハ『板上に咲く』を聴いてみた。版画家棟方志功に関する長編小説。単行本260ページの内容が、朗読だと6時間ほど。この前の宇都宮旅行の移動時間を中心に聞いていた。

あらすじは、棟方志功の生涯について、主に奥さんの視点から描いていく物語だった。

なんといっても朗読の渡辺えりさんが素晴らしかった。棟方や奥さんの方言も違和感なくスルスル入ってくる(渡辺えりさんが私と同じ山形出身なのもあるかもしれないけど)し、感情もこもっていてよかった。

内容について、原田マハさんの作品は初めてなので他の作品との比較はできないが、人間ドラマをメインとして劇的に描いている一方で、作品の魅力、特徴についての話はちょっと控えめな気がした。作品については大きさやモチーフといったカタログスペックみたいな話が多かった。他者から評価されるかどうかに主眼が当てられているように感じたのもうーむとなった。戦中棟方志功は富山県の福光に疎開するんだけど、以前の私はそこを訪れて疎開時のエピソード聞いたり家を見たりしたのでその辺りのエピソードももう少しあると嬉しかったなとこれもまたわがままな感想が出てしまった。

音声で頭に入ってくるのか心配していたけど、思っていたよりは内容を掴めた。ただ、細かい表現にまで目を向けたり、聞き返したりするのは難しいなと思った。

ちょうど聴きながら訪れた栃木県立美術館で棟方志功の『二菩薩・釈迦十大弟子』や、小説に出てきた濱田庄司作品も展示されていて、より楽しく見ることができた(下の画像は国立近代美術館の棟方志功展のもの)。
こんなところで。機会があれば他のAudible作品も試してみようかな。それでは。

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