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✒️軟骨無形成症の洋服作り奮闘記…No.2【 宣言 】

【2023年10月13日】軟骨無形成症のネットショップ【GAGO-276-】がオープンしました。この日を迎えるまでには長い長い道のりがあったこと、そしてこれから先、誰かが軟骨無形成症のための洋服製作にご興味を持ってくださったときに、少しでも参考になればという気持ちで、記録として残しておこうかと思います。

◆宣言

前話の産むのか、産まないのかの選択を迫られた日から1週間、必死に気持ちを落ち着かせるように呪文のように何度も言った言葉…
『大丈夫。大丈夫。』
お腹を擦りながら、呟くと本当に何でもなかったように大丈夫に思えるから不思議。
→たぶん、かなり暗示にかかりやすい性格だと思われます。

家族で向かった産婦人科。長男も初めての場所ということもあり、待合室ではかなり大人しい。そしてなぜか周りの知らないお母さん達に、可愛いと言ってもらえるまで、笑顔での強烈なアピール(笑)
そんなやり取りが続いた後に名前を呼ばれ、診察室に入り、まずはエコー。全ての診察が終わり家族で先生の元へ…
『やっぱり、状況は変わっていませんね。家族で話し合いされましたか?』頷く私に先生は、先日の受診の際の話をもう一度された後に、こう付け加えました…

『たぶんたくさん悩まれて、たくさん話し合ったと思いますが、例えば産まない選択をされたからと言って人として劣るという訳ではありませんし、逆に産んでからやはり育てられません…というより遥かに素晴らしい選択だと思います』と…

迷いの無い私に、さらに告げられた言葉にまたまた衝撃を受けました。

『手足が少し短いのもそうなんですが、もしかしたら胃が上手く形成されていないかもしれません。そこは生まれてみないとはっきりとは言えませんが。』

え…え?胃が形成されてないかも?聞いてない…先日は言ってなかったじゃない。またまたこの先生から大きな塊を投げつけられて、その言葉を呑み込めずにいました。そして、気がついたら涙が溢れて止まらず話し合いにはならず、2人の看護師さんに両脇を抱えられ隣りの大部屋へと連れていかれました。
一旦、落ち着こう…どこかでそう思っていましたが、人前で周りを気にせずに大泣きをしたのは、子供のとき以来。ビックリしすぎて涙の止めかたが分かりません。
暫くして温かい麦茶を入れてきて下った看護師さんから
『ビックリしますよね。ゆっくりとね。』
と声をかけられ我に返ったのです。
→この日から、麦茶を飲むとこの日を思い出す飲み物になりました。
そして、家族には1時間後に戻ってきてと言うのが精一杯でした。
手足が短いうえに、胃が無いかも…想像を遥かに越える難問。でも、答えを出さないといけなくて、やがて自問自答が始まった。

手足が短くても、なんとかなるだろう…
胃がないとご飯はどうやって食べるのか…
ずっと管を通すのかな…
家族でなんとか出来るよね…
子供が生きていくのは大変になるのかな…
いや、それよりも
産まれてきて良かったと思うかな…

沸いて出る疑問や不安、それでもどこかで大丈夫だと思いたい自分。何度も何度も深呼吸しながら向き合いました。

それから、暫くして帰ってきた家族に、ちゃんと顔を上げて宣言しました。
『心音が聞こえてるということは、生きてるわけだし、生きたいから頑張ってるんだろうから、産みます。』と…泣かずに言えました。
そしてこの時から、出産までの日々を一心同体、二人三脚で乗り切ることになったのです。

ここから始まった、今回の軟骨無形成症の洋服製作、アパレルの経験もなくミシンも家庭科レベルの主婦がどのようにやってきたのか、そして洋服製作を通して見えてきたものや伝えたいこと、お話しできる全てを共有して活かしていただければ幸いです。

この記録が優しい世界に繋がっていることを願って…

→次回へ続きます。



ご覧になってくださり、本当にありがとうございます。
今年はなにやら、【軟骨無形成症】という言葉が広く世の中に出ていくのでは…と期待しています。
それは、大河ドラマに【軟骨無形成症】の方が出演するという吉報が、2023年の暮れに飛び込んできたからです。
我が子を含め、【軟骨無形成症】や【低身長症】などの障がい者の方がどんな形であれ、頑張ってくれるのは、本当に嬉しいことです。
別に大きな出来事ではなくてもいいし、自分がやってみたいと思えることを見つけて歩き出せてることは、とても素晴らしいことです。それが、人目にさらされる場なら尚更です。街中で指を差され笑われることの多い【軟骨無形成症】にとって、とても勇気がいることでもあると思います。
私も本当に元気をいただけました。
なんの根拠もありませんが…私の元に【軟骨無形成症】の子が来てくれたことは、きっと何か意味があるはずだと私は思っています。だから、私が出来ることを、今の私の精一杯でやっていきたいと思います。
今年も、どうぞよろしくお願いいたします。
そして、少しでも【軟骨無形成症】にご興味を持っていただき、応援をしていただければ有り難いです。

→次回作品を投稿しております(1/26)
良かったらお読みください。よろしくお願いいたします。

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