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【夫婦秋旅】大塚国際美術館#5(系統展示バロック・ロココ・新古典主義ほか)

大塚国際美術館に来ています。
古代~中世、ルネサンス期と展示を見終えまして、ランチ休憩をはさんでバロックの展示から見学を再開します。

ランチについては、最後に紹介しますね。

▽前回の記事はこちら▽

17世紀の美術全般を「バロック」と呼ぶそうですが、劇的な明暗表現やドラマティックで感情的な描かれ方が印象的な作品が多いです。

バロックの展示は「カラヴァッジョ」の作品から始まるのですが、なぜかあまり写真を撮っていませんでしたので、「レンブラント」から紹介します。

レンブラント・ファン・レイン《夜警》

「あつまれどうぶつの森」でお馴染みの絵です。
あつ森の博物館に飾られたときも「デカいなー」と思ったのですが、原寸大も結構デカいです。縦3mもあります。

タイトルは《夜警》ですが、実際は夜ではなく昼間の情景が描かれているようです。

レンブラント・ファン・レイン《テュルプ博士の解剖学講義》

外科医師さんたちの集団肖像画です。
レンブラントは、市民階級の人々を顧客として肖像画を描いていましたが、
顔の影など、明暗が強すぎてクレームになることもあったとか。
また、描かれた市民がそれぞれお金を出しているわけなので、似てなかったり、他の人物と見分けがつかないと、これもクレームに発展します。
誰も実物の顔を知らないイエスやマリアを描いていた今までとは、勝手が違い、より実物に似せる写実性が求められたのでしょうね。

レンブラントは生涯で100点近い「自画像」を描いたそうですが、自画像の陶板画も展示されていました。写真撮ってませんが…

ピーテル・パウル・ルーベンス
《ルーベンスとイザベラ・ブラントの肖像》

ルーベンス自身の新婚時代の肖像だそうです。クールですね。

ディエゴ・ベラスケス《バッカスの勝利(酔っ払いたち)》

タイトルが面白かったので撮りました。
ちなみにバッカス=デュオニュソスです。またお前か。
古代の絵画のデュオニュソスと違い、あまり神格化されて描かれておらず、周囲の民衆と溶け込んだ描かれ方をしています。
中央のカメラ目線のおじさんが良い味を出していますよね。
普通に居酒屋にいそうな人たち。忘年会ですか?

ディエゴ・ベラスケス《ラス・メニーナス(女官たち)》

これまた見たことがある絵です。
当時のスペイン国王フェリペ4世の王女マルガリータ(5歳)と女官たちが描かれています。いかにも王女って感じ。
絵画の中に奥行きをものすごく感じる絵ですが、陶板画なので分割線の影響で立体感が損なわれているのが少し残念ですね。本物が見たい。

フランシスコ・デ・ゴヤ《裸のマハ》

先に紹介してしまいましたが、「ゴヤの家」の環境展示がここで出てきます。
ゴヤは「黒い絵」の印象が強すぎて、そんな絵しか描いてないと思っていたのですが、元は宮廷画家だったことは初めて知りました。
《裸のマハ》と《着衣のマハ》は横並びで展示されています。
PixivのR18イラストの差分絵のようなものでしょうか?
ちなみに当時スペインでは裸婦画がタブーとされていた上、《裸のマハ》は当時では前代未聞の陰毛が描かれてていたため大問題となり、ゴヤは何度か裁判所に呼ばれたらしいです。

ヨハネス・フェルメール《真珠の耳飾りの少女》

いわずもがな、モナ・リザと並んで世界的に有名な絵です。
みんな大好きフェルメールと言えば青と黄色。
青は高価なラピスラズリがふんだんに使われています。

ヨハネス・フェルメール《牛乳を注ぐ女》

何にでも牛乳を注ぐ女ではない。
NHKのびじゅチューンでもお馴染み。
パロディとは違って、牛乳の量はそこまで多くない。
よく見ると、女性の後ろの壁に「釘」が刺さっているのが分かると思いますが、下書き段階ではここに「世界地図の額」が飾られていたと考えられています。
フェルメールの作品は30点ほどしか遺されていないそうですが、だいたい左に窓があってそこから光が差し込んでいる構図だとか。

フランソワ・ブーシェ《水浴のディアナ》

この辺からロココ美術。
軽快で華やかな貴族趣味の絵画が多いです。全体的にパステルカラー。

そんなロココ美術ですが、フランス革命が勃発し終焉を迎えます。
諸行無常ですね。

ロココ美術に代わって、人々に古代絵画やルネサンスの様式が再評価され確率したのが、新古典主義とロマン主義。

ドミニク・アングル《泉》
ドミニク・アングル《グランド・オダリスク》

アングルは新古典主義の画家です。
ラファエロの作品から影響を受けているそうですが、背骨と腕が不自然に長く、当時は良い評価を得られなかったとのことです。
しかし、ドラクロワら「ロマン主義」画家が台頭し始めると、手のひらを反すようにアングルの絵は評価され始めます。

ウジェーヌ・ドラクロワ《民衆を導く自由の女神》

また有名な絵ですね。
自由の女神が戦場でおっぱい丸出しなのは「一目で女神だとわかるように」だとか。

伝統を重んじるドミニクの「新古典主義」と革新的で情熱的なドラクロワの「ロマン主義」は生涯対立することになります。ライバル同士だったということでしょうか。この2点の絵画は、ルーブル美術館の同じ部屋に展示されているようです。

ジャン=フランソワ・ミレー《晩鐘》
ジャン=フランソワ・ミレー《落ち穂拾い》

卒業した小学校の玄関に飾られていたのを思い出しました。
ミレーはひたすら、農民の絵を描いた人です。
ミレーは新古典やロマン主義の画家と異なり、印象派の先駆者と呼ばれることが多いようです。

一見のどかな農作業の様子を描いたものと思われがちですが、収穫後の「落ち穂」は貧困層のためにわざと残しておくのが普通だったようで。
つまり手前の女性たちは貧困層の方々。対照的に奥には馬に乗った農場主や大農園で働く人々が描かれています。
貧困層の人々とはいえ、悲惨さや弱弱しさではなく、力強さが全面的に表現されているのがミレーの凄いところですね。

次回 印象派に続きます。


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