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日記という名の短編エッセイたち

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取るに足らない日常の出来事、なんて思うのは本人だけかもしれませぬ。
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2023年11月の記事一覧

写真のいろ

表情で引き付ける存在感と、姿の在り方で引き付ける存在感。どちらも力が抜けた時に美しさを感じた。 * A2サイズをプリントできるプリンターを買った。 画像として見るのと印刷して見るのとでは色味の違いが微差でも大きく出る。 印刷して尚更、自分のイロを色として表現する事に抵抗を感じた。 陰影以外の現像時に調整する事以外で、自分の写真を表現できるようになりたい。 それは現像の技術ではなく、撮影時に恥ずかしさや警戒心や強張り、よく撮られようと思考を働かせずに、そのままで在ってもら

アビシニアンのミックス : 時と場合と気分による

17年、16年半くらい一緒に生きた猫がいます。カリカリしか食べないのに、食事時は自分の席に座って顔を揃える子でした。話さないけど、会話はよく聞いていました。 持久力は低いですが、遊びに夢中になると、廊下の壁を蹴ってさらに天井近くまで自在に飛んでいました。天性のバネ。 彼は自意識が複雑で、家族に甘える姿を見られることを避けていました。 甘えたいし、少し見られても平気。放っておいて欲しいけど、TVの上で視線は独り占め。など、複雑な子でした。 ある日、ふと後ろを見ると、私か

シンガプーラ : 言葉を用いず感情を雄弁に語る

ご飯と快適な寝床を与え、猫トイレを清潔に保っているから、無償の愛とは少し違うかもしれない、無垢な愛。 ・ご飯くれる安心する好き ・少し違うけど群れの仲間 セピアカラーの体毛はシルクの手触りで、大きな瞳は緑に近い青。 家族になった日の初対面は「誰!」「どこ!」「ぼ、ぼくは、強いんだぞぉ」(ちんまり)などと、緊張マックスでした。例えば、おしっこを漏らすまで我慢してました。「いつもの」トイレは無いから、自分のにおいのする新しいトイレに困ったのでしょう。 でも、家族になりまし

わたしという檻の話

客観視は主観ですよね。自分を、あたかももう1人の自分が見ているかのような、客観的な視点。つまり—— 私の意見  他人のように見る私の意見   判断する私の意見    判断を受け入れる私の意見 前提にある何らかの偏り 改めて確認すると、我々は気がついて努力しなければ、偏りが強くなるように、出来ているのかもしれません。 社会は個人で出来ており、個人は社会を前提にして育ちます。だから、何らかの偏りは、その「社会」の「主観」と言えるかもしれません。 主観を遠ざけたドキュメンタ

スマホとLLMと音声入力が強い

スマホは電話です。画面はパソコンより小さく、入力はキーボードやマウスがあるパソコンの方が便利です。だけど、軽くて持ち運べます。 LLMはクラウドサービスです。MicrosoftやGoogleのデーセンターで機械的な資源を使って、結果だけ受け取れます。パソコンでもiPadでもスマホでも利用できます。 スマホは携帯する制約で、CPUもメモリ(RAM)もストレージも電池も、手のひらサイズ以上に出来ません。 ChatGPTに英語で話しかけると、ネイティブのスピードと発音で返事を

現代の寓話 : 心の見え方

心の中は見えません。 言葉は嘘も言えます。 けれど、例えばネットの性質を悪用した誹謗中傷は、倫理以前に、損得以前に、客観視と、日本の恥の文化で、問題があります。 心の中に無いのなら、なぜ匿名性を悪用して、サーバーなどにログを残し、訴訟リスクを負ってまで、するのでしょう?  特定の信仰ではなく、親は抽象概念で大いなる存在として用いています。 要するに、親の見てないところで悪さをするな、嘘は露見する、という家庭教育です。そこから、少年時代に決めました。陰口はよそうと。

現代の寓話 : ラブレターを書けない友達の話

一般的に、ラブレターを深夜のテンションで書き、そのまま送ると、客観視が一時的に下がった内容になります。 けれど、客観視が戻ってきたら、言えなくなります。 そこで、「友達に相談されたんだ。君みたいに素敵な人に、ラブレターを書きたいけど、恥ずかしくて書けないんだって」と、架空の話にして、本音を見せる婉曲話法はどうでしょう? 「うーん。例え話でも、私、好きな人がいる。それに、言葉にしてくれないのはちょっと」と、『友達』への感想を述べると、本人がダメージ受けることも。 「その

メタファー : 文化の性差を、花屋さんから学ぶ話

前者と後者の優劣ではなく、関係性の違いを書きました。 石ころの話を共有出来ること。 ふと駅前の花屋が目に入って、何だか綺麗だから、喜ばせたくて、初めて花屋で買ってみたけれど、そのコンテキストを伝えなかったから、伴侶Dが誤解しかけていますね。 金額も頻度も、仮の話ですが、「花を買い慣れること」に相当することの近くに、文化の違いがあります。

現代の寓話 : 知識と実践の統合と、いずれにせよ学び続ける話

若者は、図書館に通って資料を読み込みながら、実践に努めました。繰り返し行い、習慣にし、習慣が未来の自分の前提になることを理解して。三年学び、思いがけない幸運が訪れました。 資料を書いた博士が、来日し、講演会を行うのです。講演を終えて、本のサインをお願いする際に、「Aと申します。博士、あの本について、一つ質問してもよろしいですか?」と尋ねました。 博士は質問を促しました。 「私はBと理解しました。どう思われますか?」 「私もBと伝えたくて執筆しました」 若者は、一つの質

取り引きと人生

AでないならBしない。例えば、代金を払わないなら販売しない、取り引きですよね。でも—— 夢が叶わないのなら、努力はしない 許してくれないのなら、謝罪しない 前者は一理あって、達成不可能な夢は目標にしないと言い換えれば、知恵です。 対して、後者は、謝罪したくても相手と意思疎通できず、償うことも不可能な状況を想像して欲しい。機会があることに私なら感謝します。そして、謝罪は己の非を認めることから始まります。責任も伴います。許す・許されないの二択だけの問題ではなく、もっと複雑

357,700円で1トン

満州で美味しいものも食べたと思うのですが、母方の祖母は、じゃがバターが好きとのこと。 仮に、上記を100箱買っても、僕の家に入りませんが、357,700円で1トン購入出来る計算です。ジャガイモをトンで買うから、会ってみたかったです。 祖父が墓から出てきて、僕の心の声を止められる気がします。このように、言葉にしない方が良いこともあります。 叶わない願いというものはあって、生まれる前に亡くなっていれば、語り継がれた記憶しか知りません。これは、私にとって一番身近な「家族の物語

言葉を言葉にするということ

正義の押し売りは嫌です。 だけど、曲がったことは嫌いです。 理屈が通らないこともあります。 例えば、女性に無礼や卑怯なことをすることが、苦手です。 べつに、モテたいわけでも人気が欲しいわけでもないのに、何でだろうと考えたら、会ったことがない祖母(享年36歳)が、145cmでした。(※僕の身長には触れていません) 母が幼い頃に結核で亡くしていますので、DNAと文化しか継承していないのですが、文章を書くと自分が出ますね。 思っているより、祖母を大切に思っていました。 Sp

【ECお客様窓口】管理職も、お昼休みを頂いてもいいですか?

「トラガラさん、ちょっといいですか」と声をかけられると、30分消える世界にいました。前職の職場はECサイトのお客様窓口で、そこで管理職を務めました。「上の者を出せ」と呼ばれたら、お電話を代わるのも仕事の一つです。「今、ご飯食べてるから、15分経ってから、怒って」と、お客様に言えません。 でも、終わらないんです。ものすごくお怒りの方のお電話を終え、メールも差し上げたら、さらに上をいく感情的な方が現れることも、業界あるあるです。 だから、本当に留守にすることにしました。何かあ

倫理でなく論理 : 婚姻関係にある状態の恋愛に関して

婚姻関係にある状態でそれでも恋愛したい気持ちが起きることと、行動に移すことは別です。誰を伴侶に選ぶか迷うことは理解します。でも、恋愛の段階でも二股はトラブルになる。いずれにせよ、その人が恋をしたほどの方を深く傷つけます。味方から苦しめらることの苦痛を想像して欲しいです。 それでもなお、欲望を優先するということは、伴侶より、自己の理性より、衝動が優先されています。大脳新皮質、起きて! また、一般的に、禁止されると、したくなります。思春期の、ヤンキーを想像して下さい。あれ、校