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実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(3)成熟

 上掲書で紹介されている「実践コミュニティの発展段階」に沿って、その発展ポイントとレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで支援できることを考えている。今回は発展モデルの第3段階である「成熟」である。

 <実践コミュニティの発展段階>
 1.潜在
 2.結託
 3.成熟
 4.維持・向上
 5.変容

3.成熟の段階の活動ポイント

 成熟の段階では、新たなメンバーが次々と加わってくる。それまでの段階では、小さく集まり、お互いに実践からの知恵を教え合っていればよかったのだが、成熟の段階になるとそうもいかなくなる。

 これまで通り、小さく集まることをそのまま続けていれば、回数が増えることになり、古参で中心的なメンバーの負担が重くなっていく

 また、多くのメンバーが集まり、それを受け入れていくと、実践コミュニティに持ち込まれる関心や知識の幅も広がっていく。それにより、実践コミュニティの中心的な領域が見えにくくなる

 そこで、中心的なメンバーの負担を軽くしつつもメンバー間の関係や信頼を保ち助け合うための交流を続けること、実践の知識を体系化して、より知識を共有しやすくし、実践コミュニティの中心や境界を明確化していくことがポイントとなる。

 中心的なメンバーの負担を軽くするには、新メンバーの加入とそこから中心に向かっての巻き込みのプロセスを整備していくことが重要となる。

 知識の体系化の具体的な方策においては、体系化を推進する司書のような役割とその貯蔵の仕組みである「ナレッジ・レポジトリー」の整備が有力な手段になる。これを進めていく中で、重要な領域が何かということや、実践コミュニティの知識が不足している場所が明確になる。

レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで「成熟の段階」のコミュニティをどう支援できるか

 実践コミュニティが知識の体系化を進めるにあたって、知識が暗黙知の状態であるものが多いならば、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで暗黙知を言葉で語りやすい状態にしていく方法は有効だろう。

 また、実践コミュニティが直面している領域の中心がどこにあるのかが不明確になったとき、より広く実践コミュニティを見ることができる中心的なメンバーを招いて、実践コミュニティの中心的領域についての考えをモデルで作り、語ってもらい、ランドスケープ・テクニック(各モデルの関係性を大きなテーブルの上で表現してもらうこと)を使って、中心的領域の定義を考えるセッションができそうだ。
 もちろん、時間が十分にとれれば、中心的なメンバーに限らず、あらゆるメンバーに同じ問いでモデルを作ってもらうのもよい。この「中心的領域」の認識も言葉にしにくく抽象的であり、そのようなものを明らかにすることについてレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドは効果を発しやすいのである。

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