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レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで人々の「行動探求」を支援する(3)組織化する方法としての行動探求

レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで人々の「行動探求」を支援する(3)組織化する方法としての行動探求

 ビル・トルバート著『行動探求』についての、以前のNoteでは個人でもできる「話し方」について、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドでの支援方法も含め考察した。これは個人で行動探求(行動しながら評価することで状況適応を実現する)を行うための基本となるものである。

 今回は、組織での行動探求について扱っていく。

 まず、個人と組織ではどう変わるのか、という問いが出てくる。この問いに対して、本書では

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レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで人々の「行動探求」を支援する(1)

レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで人々の「行動探求」を支援する(1)

 ビル・トルバートによって提唱された「行動探求(Action Inquiry)」は、非常に単純化していえば、行動と探求を同時に行うことである。言い換えれば、何らかの行動をしている最中に誤りを見つけ修正できるようにすることでもある。
 そのためには、外側から行動を統制をするのではなく、内側から行動を常に注視していくことになる。また、これは個人だけでなくチーム、組織のレベルでも実施可能であるという。

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実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(5)変容

実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(5)変容

 上掲書で紹介されている「実践コミュニティの発展段階」に沿って、その発展ポイントとレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで支援できることを考えている。今回は発展モデルの第5段階である「変容」である。

 <実践コミュニティの発展段階>
 1.潜在
 2.結託
 3.成熟
 4.維持・向上
 5.変容

5.変容の段階の活動ポイント

 変容は、実践コミュニティの活動が、いよいよ行き詰まり衰退の兆候を

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実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(2)結託

実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(2)結託

 上掲書で紹介されている「実践コミュニティの発展段階」に沿って、その発展ポイントとレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで支援できることを考えいる。今回は発展モデルの第2段階である「結託」である。

 <実践コミュニティの発展段階>
 1.潜在
 2.結託
 3.成熟
 4.維持・向上
 5.変容

2.結託の段階の活動ポイント

 この段階では、実践コミュニティのメンバーや参加者は生まれているが、参

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実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(1)潜在

実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(1)潜在

 すでに20年以上も前の書籍となっている上掲書(原著と日本語訳と共に2002年)ではあるが、日本ではコミュニティを作り出し、地域や企業の活力にしようということへの関心や成功事例への着目度はまだまだ高い。

 本書では「共通の専門スキルや、ある事業へのコミットメント(熱意や献身)によって非公式に結びついた人々の集まり」を実践コミュニティと呼び、その実態とマネジメントについて論じている。

 この実践

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成長を求めるリーダーをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで支援する

成長を求めるリーダーをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで支援する

 DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューの日本版の2023年9月号の特集は「リーダーのための成長論」であった。
 その中で紹介されている論文の一つが「自己成長を求めるリーダーは遥かなる旅路を歩み続ける」である。筆者はロンドン・ビジネススクール教授のハーミニア・イバーラ氏ほか2名である。

 本論文は、リーダーが成長する旅路を「出発」ー「航海」ー「帰還」のメタファーで示している。これらの中心に

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大学での担当科目とレゴシリアスプレイメソッドを使った支援の関係を整理してみた

大学での担当科目とレゴシリアスプレイメソッドを使った支援の関係を整理してみた

 2024年度が始まった。
 勤務先の大学ではいろいろな科目の担当をしている。以下、担当科目のすべてではないが、その中の特徴的な科目についてあげてみた。
これらの科目は2軸で分類できる。
 主に個人で取り組むのか、チームを組んで取り組むのかという軸と、課題が先にあるのか、課題の発見から考え始めるのかという軸である。

 この2軸で分類すると、担当している科目の内容が4つの象限のそれぞれカバーしてい

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『実践アクションリサーチ』をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの文脈で読む(3)第2章 アクションの中で知る p.32~

『実践アクションリサーチ』をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの文脈で読む(3)第2章 アクションの中で知る p.32~

 上記の『実践アクションリサーチ』の第2章は「アクションの中で知る」ことについて解説がなされている。

「アクションの中で知る」とは

 「アクションの中で知る」は、以下のようなプロセスの中で進む。
(1)外部から感し・内部での意識から経験する
(2)データを理解する(つながりが見えたとき洞察を得る)
(3)判断する(証拠の有無などから真偽を判断する)
(4)決定する(選択肢の中での優先順位、価値

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『実践アクションリサーチ』をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの文脈で読む(2)第1章 アクションリサーチ入門 p.2~

『実践アクションリサーチ』をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの文脈で読む(2)第1章 アクションリサーチ入門 p.2~

 このNoteで扱う『実践アクションリサーチ』の第1章では、アクションリサーチの全体像が紹介されている。全体像を描くために主に次の4つのことが扱われている。これからの概観を見てから、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドのとの関連について考えてみたい。
・アクションリサーチの特徴
・「〇人称研究」という切り口
・アクションリサーチ・サイクル
・アクションリサーチにおけるメタ学習

アクションリサーチの

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「好きなこと」をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで活かす

「好きなこと」をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで活かす

 何かが「好き」であることは大事である。「好き」だからこそ、それに向けた行動が起きて経験が積み上がり、それが成長のエンジンになる。

 逆に「嫌い」であると、行動が弱くなり、成長のエンジンも弱くなる。

 生きていくにはどうしてもしなければならないことは誰にでもある。
 瞬間に済ませられるものであれば、我慢すればよいかもしれない。
 もし、それが多くの時間を割かねばならない(例えば仕事とか、学校と

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レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドとリフレクションカードの良い連動とは

レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドとリフレクションカードの良い連動とは

 レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドのファシリテーター仲間の勉強会で、リフレクションカードを使ったワークを体験した(大先輩ファシリテーターによるリードで私は参加者)。

 私もリフレクションカードのファシリテーター養成講座(ベーシック)を受講しているので、授業等で使ったりリードする側に立つことは多いが、参加者としての経験はそこまで多くない。

 今回は、最初にレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドに沿

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語られるストーリーを生み出すためのレゴ🄬シリアスプレイ🄬というアプローチ

語られるストーリーを生み出すためのレゴ🄬シリアスプレイ🄬というアプローチ

 DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビューの2024年2月号に「企業文化の変革はリーダーがストーリーを語ることから始まる」という論文が掲載されている。
 この論文は複数名で書かれているが、その筆頭著者は、戦略論の大家であるジェイ・B・バーニー教授である。

 バーニー教授は、組織の経営資源を評価し、競争優位性を構築する戦略を導き出すための「VRIOフレームワーク」を提唱したことでも知られてい

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「相手の気持ちをわかる」ためにレゴ🄬ブロックを使おう

「相手の気持ちをわかる」ためにレゴ🄬ブロックを使おう

 上記の本の中で「相手の気持ちをわかる」ことについて語られている部分がある。
 子どもの時代を超え、中高生の青年期にさしかかると「相手の気持ちがわからない」ことに悩む人が増えるという。

 青年期では、小学校に比べて社会的なかかわりも広がり、身体と知性の成長につれ、人間の感情も思考も複雑になっていく。

 つまり、「相手の気持ちがわからない」というのはある意味、当然なことである。肝心の相手自身も自

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物語思考をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで加速する

物語思考をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで加速する

『物語思考』という本をお薦めされたので読んでみた。

 平易な語り口で、多くの人間の弱いところもよく見ながら、なりたい自分に近づいていくための説明が、説得力をもって組み立てられているのが印象的な本だ。

 この本では実に様々な自分のキャリアを切り開くための取り組みが紹介されているが、その中でも中心になっているのがタイトルにもなっている「物語思考」である。

 この物語を作るにあたって大事なのがキャ

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