聞間 理(ききま おさむ)

九州産業大学商学部教授 ”個を活かす組織”をテーマとする中でレゴ®︎シリアスプレイ®︎(L…

聞間 理(ききま おさむ)

九州産業大学商学部教授 ”個を活かす組織”をテーマとする中でレゴ®︎シリアスプレイ®︎(LSP)メソッドに出会う。その後、LSPメソッドを、経営学を中心とする学術知識と結びつけながら深める日々を送る。企業課題解決や教育への応用の他、さまざまなシーンへの応用も探求している。

マガジン

  • レゴ®️シリアスプレイ®️を展開する

  • レゴ®︎シリアスプレイ®︎についてあれこれ

    レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドに関して「理解する」「応用する」以外で考えたことあれこれ詰め合わせ的に。

  • 3D セルフインタビュー(ブロックで自己定点観測)

    ブロックで月1回ほど自分の状況モデルを作り考察を重ねていくシリーズです。

  • 『肉中の哲学』をLSPの文脈で読む

    ジョージ・レイコフとマーク・ジョンソンの『肉中の哲学』を読み、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドとの関係について考えていく記事を収録したマガジンです。

最近の記事

  • 固定された記事

【1分でわかる】レゴ®︎シリアスプレイ®︎って?

①会社や集団では、多かれ少なかれ、皆、役割をもって仕事をします。 ②日々、それぞれが経験からいろいろ学んでいるのに、お互いにそれを出すことは少ないです。会議でも。もったいないですよね。 ③レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを使った場作りは、 ④皆の気持ちと集中力をぐっと引き寄せて、 ⑤ブロックを使った作品作りで、それぞれの思いや知識をたっぷりと引き出します! ⑥さらにお互いに作品の意味を共有し、プレイフルに組み合わせることで、 ⑦新たな集合知やビジョン、目標を創り

    • 実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(3)成熟

       上掲書で紹介されている「実践コミュニティの発展段階」に沿って、その発展ポイントとレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで支援できることを考えている。今回は発展モデルの第3段階である「成熟」である。  <実践コミュニティの発展段階>  1.潜在  2.結託  3.成熟  4.維持・向上  5.変容 3.成熟の段階の活動ポイント  成熟の段階では、新たなメンバーが次々と加わってくる。それまでの段階では、小さく集まり、お互いに実践からの知恵を教え合っていればよかったのだが、成熟の段

      • 実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(2)結託

         上掲書で紹介されている「実践コミュニティの発展段階」に沿って、その発展ポイントとレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで支援できることを考えいる。今回は発展モデルの第2段階である「結託」である。  <実践コミュニティの発展段階>  1.潜在  2.結託  3.成熟  4.維持・向上  5.変容 2.結託の段階の活動ポイント  この段階では、実践コミュニティのメンバーや参加者は生まれているが、参加した人々は、お互いのことを知らず非常につながりは弱い。  そこでキックオフのイベン

        • 実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(1)潜在

           すでに20年以上も前の書籍となっている上掲書(原著と日本語訳と共に2002年)ではあるが、日本ではコミュニティを作り出し、地域や企業の活力にしようということへの関心や成功事例への着目度はまだまだ高い。  本書では「共通の専門スキルや、ある事業へのコミットメント(熱意や献身)によって非公式に結びついた人々の集まり」を実践コミュニティと呼び、その実態とマネジメントについて論じている。  この実践コミュニティについての理論を展開するにあたり、著者たちは「実践コミュニティの発展

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        【1分でわかる】レゴ®︎シリアスプレイ®︎って?

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          68本
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          45本
        • 考える宝箱
          25本
        • 『肉中の哲学』をLSPの文脈で読む
          6本
        • 新規事業開発とレゴ®︎シリアスプレイ®︎
          11本

        記事

          実践コミュニティ理論からLSPコミュニティを考えてみた。

           上掲書によれば、「実践コミュニティ」とは「共通の専門スキルや、ある事業へのコミットメントによって非公式に結びついた人々の集まり」と定義される。  レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを学んだ人々(トレーニング修了認定を受けたファシリテーター達)もこの実践コミュニティを作っている。私もその一員である。  この本では、実践コミュニティの特徴や存在意義など広範な話題について語られているが、その中でも実践コミュニティの開発をどうすればいいのかという問題が私にとっては興味深い。  著

          実践コミュニティ理論からLSPコミュニティを考えてみた。

          商品の価値で顧客の欲求を満たすことがビジネス創出の基盤。それが崩れたら、事業者の商品や提供方法を見直して顧客に合わせるか、新たな提案や問題提起で顧客の欲求を変えていくか。価値も欲求も人の心の奥に沈んでいくため、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドでそれらを引き上げ再創造するのが有効だ。

          商品の価値で顧客の欲求を満たすことがビジネス創出の基盤。それが崩れたら、事業者の商品や提供方法を見直して顧客に合わせるか、新たな提案や問題提起で顧客の欲求を変えていくか。価値も欲求も人の心の奥に沈んでいくため、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドでそれらを引き上げ再創造するのが有効だ。

          3Dセルフインタビュー 3D-Self Interview with LSP. 14th May 2024

           レゴブロックを使って自分の状況を表現して内省する取り組みをしています。今回は2024年5月14日に作った自分の状況についての定点観測です。 I am working on using LEGO bricks to express and reflect on our own situation once a month. This time it is a fixed point observation about my situation that I made on

          3Dセルフインタビュー 3D-Self Interview with LSP. 14th May 2024

          「啓蒙された使用法」からレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを考える

           レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを使ったワークでは、問いに答えるためにモデルを作る。  そこで、何かを作ることとはどのようなことか?を考えようと、少しずつではあるが上記の本を読み進めている。  上記の本の中で、モノを作る職人たちが近代化の流れの中で、手作業の世界に機械や新しい装置が導入されてくることについての話がある。  多くの場合、機械や装置が入ってくることで、個の人間では達成できなかったようなスピードと正確さ、そして時には高品質のものが安価で生み出されるようになった。

          「啓蒙された使用法」からレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを考える

          30年後を考えて動く人になるために必要なのは今無いものを探そうとするより、今有る30年後にはもっと価値が出ることを見つけることである。あとは仲間と後継者をつくること。永く続く価値を確認し、人々の関係性を高めるために、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドは貢献することができる。

          30年後を考えて動く人になるために必要なのは今無いものを探そうとするより、今有る30年後にはもっと価値が出ることを見つけることである。あとは仲間と後継者をつくること。永く続く価値を確認し、人々の関係性を高めるために、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドは貢献することができる。

          「手に取るように(分かる)」というメタファー表現がある。頭の中にある考えの理解度が最高である状態とは、視覚化でき、手で触れる状態であることが示唆されている。レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドは手で触れられるモデルを作ることで人々の思考を一気に最高の理解度に引き上げることを強力に促す。

          「手に取るように(分かる)」というメタファー表現がある。頭の中にある考えの理解度が最高である状態とは、視覚化でき、手で触れる状態であることが示唆されている。レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドは手で触れられるモデルを作ることで人々の思考を一気に最高の理解度に引き上げることを強力に促す。

          実践コミュニティ論によればコミュニティが直面する領域の問題が人々を引き寄せ責任感を持つことが発展の基礎であるという。レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの領域の中の中核的問題は、一人一人の眠っている可能性を拓き、全員が躍動する組織を作ることにあると思う。私はそれを意識すると力が沸く。

          実践コミュニティ論によればコミュニティが直面する領域の問題が人々を引き寄せ責任感を持つことが発展の基礎であるという。レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの領域の中の中核的問題は、一人一人の眠っている可能性を拓き、全員が躍動する組織を作ることにあると思う。私はそれを意識すると力が沸く。

          人間の思考は非常に複雑であり、加えて人間の組織の動きも複雑だ。研修や制度の設計は、それらの動きを制限、統制するのではなく、それぞれの個性を採寸し、それにあわせ洋服や武具を仕立てることに近いのかもしれない。レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドもその流れに沿って発展していくのかもしれない。

          人間の思考は非常に複雑であり、加えて人間の組織の動きも複雑だ。研修や制度の設計は、それらの動きを制限、統制するのではなく、それぞれの個性を採寸し、それにあわせ洋服や武具を仕立てることに近いのかもしれない。レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドもその流れに沿って発展していくのかもしれない。

          厳密なデータに基づく科学や数学のような論理の積み上げから得られる知もあるが、いろいろな人が自らの経験や知識をもとに多様性や複雑性を明らかにしていくことで自分の立ち位置や選択の幅を広げることから得られる知もある。レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドは後者に重きがある手法であると言える。

          厳密なデータに基づく科学や数学のような論理の積み上げから得られる知もあるが、いろいろな人が自らの経験や知識をもとに多様性や複雑性を明らかにしていくことで自分の立ち位置や選択の幅を広げることから得られる知もある。レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドは後者に重きがある手法であると言える。

          『肉中の哲学』をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの文脈で読む(7)第五章 後半 ~p.94

           第五章の前半では、「目的のある人生は一つの旅である」複合メタファーの構造についての基本的な考察を行っている。この章の後半では、この複合メタファーに基づく、より複合的なメタファーである「恋は旅である」について考察をしている。  「恋は旅である」は「目的のある人生は一つの旅である」をベースに、「プライマリー・メタファー」の「関係は囲い込み」と「親密性は近接性」と複合したものである。つまり「親密な関係は、接近した囲い込み」であり、それが恋の状態をメタファー的に表しており、さらに

          『肉中の哲学』をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの文脈で読む(7)第五章 後半 ~p.94

          『肉中の哲学』をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの文脈で読む(6)第五章 前半 ~p.82

           第四章では、体験や判断と感覚運動体験の融合から生まれる「プライマリー・メタファー」の特徴を検討した。著者たちは、人間の思考において重要な位置を持つと考えている。  「プライマリー・メタファー」は重要ではあるが、実際の人間の思考はさらに複雑であることが多い。著者たちは、プライマリー・メタファーを組み合わせた複合メタファーを生み出し活用しているとする。複合メタファーについての考え方が第五章の中心的なテーマとなっている。  本書では、「目的のある人生は一つの旅である」というメ

          『肉中の哲学』をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの文脈で読む(6)第五章 前半 ~p.82

          「実践コミュニティ」の理論では、知恵を交換する実践コミュニティと知恵を反映させ新たな知を生み出す現場との循環が一つのポイントだとされる。つまり、実践コミュニティの成長には「成果の創出」だけでなく「機会の創出」も欠かせない。レゴ🄬シリアスプレイ🄬のコミュニティも例外ではない。

          「実践コミュニティ」の理論では、知恵を交換する実践コミュニティと知恵を反映させ新たな知を生み出す現場との循環が一つのポイントだとされる。つまり、実践コミュニティの成長には「成果の創出」だけでなく「機会の創出」も欠かせない。レゴ🄬シリアスプレイ🄬のコミュニティも例外ではない。