辻野葵果

辻野葵果と書いてつじのきかです。名前を変えました。毎日投稿中です。短歌の他には、音楽と…

辻野葵果

辻野葵果と書いてつじのきかです。名前を変えました。毎日投稿中です。短歌の他には、音楽とゲーム、占いが好きです。
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連作　春生まれではない（四十首）

まなうらの息のできなさ　恋と愛　悲鳴のようにネイルがずれる ままごとのよう心臓に感情を覚えさせたくなかった夜明け 中指のブラックリングが揺らいでる海の深さで窒息をする 隣室の住人みたいに遠ざかる星　なにひとつ手に入れられない 深々と抱きしめられる　黎明のような毛先でわらってくれるな 君という感情　春の階段を上がった先に靡かない骨 直立のうつくしいひと　頑なな鎧のようで最初の萌芽 落涙の跡をぬぐっていくような低い声から生まれる酸素 リネンでも拭き取れなかった横顔の君をあらわす数

辻野葵果

    • 連作　人間性とかやさしさ

      変わりたい変われないもう変われない　開かずの踏切みたいな夕焼け 三つ編みも結えない録画も溜まってて狭いところに仕舞われたいよ 陰口を言われるべきだわたしには足りない人間性とかやさしさ

      辻野葵果

      • 連作　誰かのプリント

        たのしさにセットでついてくる自傷　夜中に食べる余ったケーキ 去らないといけないいつかどこからも、夏野にひろがる命の匂い もう泣けない。心は凪いで誰からも拾われなかった誰かのプリント

        辻野葵果

        • 連作　あおいろ

          あおいろはわたしに海を告げていく君の似合わないカラコンさえも クレヨンでただ塗りつぶした画用紙のあおいろ　海でも空でもあった もう海はあおいろじゃない祈る手に降れるひかりは一色じゃない

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        連作　春生まれではない（四十首）

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          4本
        • 三首以上の連作短歌
          2本
        • 365短歌（2022）
          358本
        • 365短歌（2021）
          47本

        記事

          連作　あちこちの小さな痛み

          待ち合わせのつもりでそこに留まっているあちこちの小さな痛み 回してもこぼれないバケツの水　夏の涙はプラスマイナスゼロ 死んだなら生きなくていいわたしからいちばん遠くにあった勤勉

          辻野葵果

          連作　あちこちの小さな痛み

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          連作　弱冷房車

          冷まさずに食べたポタージュ　満月が新月になる　満腹になる ベビーカーの中でわたしは何色の夢を見ていた、弱冷房車 ビリヤードみたいにはじける炭酸の数パーセントの果汁にときめく

          辻野葵果

          連作　弱冷房車

          辻野葵果

          連作　順路をまもって

          片方が聞こえなくなったイヤホンを弔う、パソコンの起動音。海。 がんばれ、と間違い続けたパスワード　いつかの雨で濡れたままの詩 かきむしる理由もなくて植物園順路をまもってわたしを引き裂く

          辻野葵果

          連作　順路をまもって

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          連作　さみどり未満

          穴だらけの鉱山みたいにからっぽの心　ひかりじゃ満たせない夜 苦しみを色に換えられたならいい　グラデーションの夜の眺望 原石にならない感情　はつなつのさみどり未満の山に植えていく

          辻野葵果

          連作　さみどり未満

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          連作　わたしが茨

          屋上で背を押されるのを待つような受け身で夏が終わるのを待つ はつなつのひとりロシアンルーレット心の底には風も届かない 生きていていいわけがないはつなつのひかりで伸びるわたしが茨 今日はゲームのことです。 半年くらいやってなかったエルデンリングの続きをやり始めたんですが、倒せなかったのか宿将二アールというボスの前で止まっていました。王都の地下でモーグというボスを倒しつつ少しレベル上げをしてから挑みました。 二アールは強めの雑魚を二体従えているのと、固めのボスで、おまけに攻

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          連作　わたしが茨

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          連作　影に光に

          信号の瞬く速度で初夏の葉が影になったり光になったり 残量はあと十パーセント、で夏に残された日を計算している 変換の遅いパソコンみたいだね　風が吹いても戸惑うばかりで

          辻野葵果

          連作　影に光に

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          連作　Tシャツのタグ

          真夜中のサイドテーブル気が触れたようにしずかな花のティーカップ どこまでもわたしはわたしについてくる切り忘れてたTシャツのタグ どうしてもわたしはわたしを辞めたくてこの病巣は切り離せない

          辻野葵果

          連作　Tシャツのタグ

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          連作　駅名の向こうの空＋

          裸眼ではいられない夏　発熱をしているようなあざやかがきらい ずり落ちる眼鏡をなおしている席で駅名の向こうの空の群青 感覚を塗りつぶされるよう、夏のイヤホンを奪っていくあかるさ そういえば、ゲーム日記をはじめました。 その日プレイしたゲームの内容、感想等を記すだけの簡単な日記ですが、私に合っているのかとても楽しいです。後で見返したときのことを考えるとわくわくするので、続けていこうと思います。 これで毎日書いているのは、スケジュール帳（日記含む）とノート（体調と食べ物管理）

          辻野葵果

          連作　駅名の向こうの空＋

          辻野葵果

          連作　こと。

          話したいこと。生きたいと思うこと。初夏のひかりに滲まないトマト はつなつの人それぞれの雨の中、言いたいことであふれる歩道 人間で居続けることのむずかしさ　字足らずの短歌みたいなわたし

          辻野葵果

          連作　こと。

          辻野葵果

          連作　クッキー一枚

          満月を飲みこむほどのあくびして底なし沼のソファーと沈む 百キロを直進するかのような朝お気に入りなら完璧な朝 チョコチップクッキー一枚落としたい樹海みたいな夕暮れを抜け

          辻野葵果

          連作　クッキー一枚

          辻野葵果

          連作　レモンティーよりミルクティー

          眠り姫みたいな一日　シーツからぬるくない箇所さがして踊る 両肩に猫が一匹乗るように睡魔は夜でもないのにささやく 誤魔化してレモンティーよりミルクティーみたいな感触　初夏のさみしさ

          辻野葵果

          連作　レモンティーよりミルクティー

          辻野葵果

          連作　ひとつぶのトマト

          これ聴いて　安心させるような夜に思い出の中のアラザンが光る 感傷にひとつぶのトマト　部屋中の照明が点くみたいな甘さ はつなつは自分のことしか考えてられない　残る数ミリの緑茶

          辻野葵果

          連作　ひとつぶのトマト

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