見出し画像

「学級会」のすすめ

学習指導要領にも示されている「特別活動」。
特別活動には、学校行事、児童会・生徒会活動、 学級活動、小学校でのクラブ活動があります。
中学校の教師であった私が、その経験を積み上げる中で必然のように「その充実を図りたい」と思えるようになったのが、この「特別活動」、いわゆる「トッカツ」です。

なかでも、「学活」と呼ばれる「学級活動」は、1時間の授業として時間割に位置づき、年間計画を伴って取り組まれています。

「学活」、その内容の主なものは、次の3つです。

①学級担任による学習・進路・勤労・性などに対するガイダンス活動

②学級内での集団生活をよりよくするために、その分担・調整を行う係活動

③学級での生活の充実と向上をめざす学級会活動

校内において特別活動主任や生徒会担当にもあてられながら、学級担任として目の前の「学級」という小集団をどう高めていくか。かけ出しの教員であった私には、「学活をどうするか」は、やりがいのある大きな大きな実践テーマの一つとなっていました。

私が校長を務めていた中学校には、この「トッカツ」に着目し、あの時の私のように実践テーマのひとつとする若い先生がいました。
その先生が、とりわけ注目していたのは、学級活動における「学級会」です。
もし、この記事を読んでいる方が先生であるなら、あなたは、子らの司会進行による「学級会」を仕組んだことはあるでしょうか?

「学級会」を活かすことは、子らの学校生活を勢いづかせ、自治の力を養い、集団の力を高めながら教室内に「社会」を形成していかせることにつながります。また、学級における仲間感、所属感、貢献感、次が楽しみ感を醸成していきます。

この先生が優れていた点は、「学級会」の開催を可能にする「プロセス」の確かさでした。子らによる「学級会」を成立させるには、学級委員(あるいは代議員など?)をはじめとするリーダーの育成が不可欠です。「学級会」の準備をとおしてリーダーを育成するには、時間を要します。日々多忙な職務の中でその指導にあたるには、相当の覚悟がいります。しかし、「人」を育て、「学級」を育てるには、そのプロセスこそ大事であるということを先生は認識しておられました。「学級会」に向けての下準備からの指導です。

また、「学級会」が子らによって主体的な議論をする場であるなら、指導者は学級会でどんな役割を果たせばよいのか。このことも、この先生にとって、とてもよい研究の視点のひとつになっていました。指導者は、子らの議論をとらえ、口をはさむのはその「内容」ではなく、その「プロセス」であること。その「プロセス」に対する評価・指導こそが指導者に求められるものであることを学ばれていました。

私が参観させていただいた折の「学級会」は、学級目標の達成具合をみなで議論し、次なる努力点を明らかにする「点検型」の学級会でした。とても生き生きとした学級会でした。

「学級会」は、この他にも、「発案型」「課題提起型」などがあります。
例えば、
「発案型」なら、「今度、このクラスで学級レクリェーションをしないか」「このクラスでこんな学級ボランティアに取り組まないか」などです。
「課題提起型」なら、「最近、このクラスで○○な問題がある。みなで解決しないか」などです。
これらには、すでに子らの自発性・主体性が宿っています。みんなで議論してそれをすすめ、学校生活を自らで創っていく。学校教育の場でほんとうに求めたい子らの姿が、ここにあります。
 
「学級会」が持つ大きな可能性。
この先生には、
今後もよりよい「学級会」にチャレンジしてほしいと思っています。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?