ポン先生

私は、中学校の国語の教師。2024年3月に現場を退きました。今後は、授業や教室のノウハ…

ポン先生

私は、中学校の国語の教師。2024年3月に現場を退きました。今後は、授業や教室のノウハウをこのNOTEの場で広く公開することで、今、授業づくりで悩んでいる教員の皆さん、特に若手教員の皆さんのお役に立ちたいと考えています。いっしょに勉強しましょう。

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  • ポン先生と日々是授業づくり!

    学習の主体は子どもたち。子らが学ぶことを楽しみ、生涯にわたって学び続けられるような授業を創造しましょう。そのためのヒントとなるような記事をマガジン化しました。いっしょに勉強しましょう。

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若い先生が伸びる6つの視点

新年度が始まり、若い先生が情熱を持っていきいきと教育活動にあたる知らせを受けています。とてもうれしいです。 自分でやってみて、にがい思いや失敗もして、経験値をアップさようとする若い先生。 そんな若い先生なら、「今よりも、ひとつ上のわたしへ…」という思いから、行き詰ったり悩んだりすることもありますね。 私は、 若い先生がその力を伸ばすためには、 次にあげる6つの視点が大切であると考えます。 この記事をお読みの若い先生は、ご自身の「今」をかえりみてみましょう。 1 子らの前に

    • 卒業式の涙

      卒業式で子らはなぜ涙を流すのか? 簡単そうで、実は、むずかしい問いなのです。 中学校の教師だった私は、 「それぞれちがった進路に進もうとしている今、この中学校での友人や先生方との別れを悲しく、寂しく感じているからなのだろう…」と、ずっと思っていました。 ところが、 私が、中高一貫の中学校に勤務し、その中学校での卒業式において、私のこの安易な考えに、「?」がついたのです。 なぜ「?」がついたのか。 それは、中高一貫校であるため友人や先生方との別れなどはないにもかかわらず、子ら

      • 腕の「見せる」どころ

        授業づくりにおいて、子らが「見る」もの(子らの視覚情報となるもの)、指導者からいうと「見せる」ものについて、どうあればよいかを意識することは、とても大切なことです。指導者の腕の見せどころ、いや、指導者の腕の「見せる」どころのひとつと言えます。 授業において、子らが「見る」ものには、次のようなものがあります。 そして、教壇に立つ指導者の一挙手一投足、その表情だって、子らにとっての大切な視覚情報のひとつです。 いかに「見せる」か「見させる」か。 ここでは、 板書と学習プリ

        • 若い先生を育てる

          若い先生たちをよりよく育成すること。 これが、今の私の仕事です。 これまで校長として「学校経営」にあたってきた私。 自分の今の仕事をどうとらえ、それとどのように向き合うか。 これは、ここまでの2か月の私の大きなテーマでした。 若い先生には、にがくつらい経験だってさせなければなりません。 それを避けさせること、そんな経験をさせないようにすることが、私の仕事ではありません。「転ばぬ先の杖」を若い先生にあてがうのが私の仕事ではないでしょう。 私が、若い先生と出会うとき、私が私

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        • ポン先生と日々是授業づくり!
          16本

        記事

          プレゼントです!

          中学校の国語科の授業において 言葉のきまり、いわゆる『文法」の授業は、やっかいです。 なぜなら、口語文法というきちんと「体系」づけされた世界を、配当が可能な短い授業時間の中で学習しなければならないからです。しかも、指導者による「説明」のわかりやすさも必要とされます。 私の場合は、できるだけ「視覚的に」理解できるように心がけていました。 この記事には、 中学校の国語科の先生に、すぐにでも役立てていただいたり、改良していただいたりできる「パワーポイント」によるデータファイルを

          プレゼントです!

          ♪こうも比べたがる

          ♪ それなのに僕ら人間は どうしてこうも比べたがる SMAPが『世界に一つだけの花』で歌ったように、子らにとって、2つのものを「比べる」活動は、子らにとって取り組みやすく、また、学習を勢いづかせる、とても有効な学習活動のひとつです。 2つのものを、どういった観点から比べるか、そして、共通点や相違点は何かを探ることは、小学校であろうと中学校であろうと、また、国語科であろうと理科であろうと、多くの学習場面で活用でき、子らの理解や認識を深める優れた手法であると言え

          ♪こうも比べたがる

          心のすみっこのひとりに

          教員による不祥事事案がニュースになるたびに、心が痛くなります。 教育は、人と人との「信頼」をもととします。 その「信頼」は、 教員の「誠実」によって時間をかけて形作られるものです。 どの学校の職員室においても、 教員による不祥事を根絶するための研修をすすめていることでしょう。 さて、 どうすれば、 不祥事をなくせるでしょうか。 教員に限らず、 どのような職場においても、 深く考察していただけたらと考えます。 そこで、 私が校長であった時に 職員室の先生方にお話ししたこと

          心のすみっこのひとりに

          「学級会」のすすめ

          学習指導要領にも示されている「特別活動」。 特別活動には、学校行事、児童会・生徒会活動、 学級活動、小学校でのクラブ活動があります。 中学校の教師であった私が、その経験を積み上げる中で必然のように「その充実を図りたい」と思えるようになったのが、この「特別活動」、いわゆる「トッカツ」です。 なかでも、「学活」と呼ばれる「学級活動」は、1時間の授業として時間割に位置づき、年間計画を伴って取り組まれています。 「学活」、その内容の主なものは、次の3つです。 ①学級担任による学

          「学級会」のすすめ

          よい「教材」、よい「問い」

          記事のタイトルについての話をする前に 読者のみなさんには、 中学生になったつもりで、 中学校の古典の授業では定番となっている兼好法師の『徒然草』の第11段を読んでいただきます。 さて、 読者のみなさんへの「問い」です。  (スクロールをやめ、    ぜひ、シンキングタイム!) 国語科の教科書でも取り上げられることの多い第11段の「神無月のころ」。 もちろん教科書では、上記のように(  )抜きにして掲載されていることは、ありません。 しかし、 指導者が、よい「問い」をつく

          よい「教材」、よい「問い」

          前のめりになる授業の秘密

          私が校長として勤務していた中学校には、 その授業で生徒たちを前のめりにさせる国語科の先生がいました。 「前のめり」という言葉を使いましたが、 正確にいうなら、 「授業において、学習の主体者である子らが、自らの学習を自覚し、自分事として取り組む姿、その姿勢の高さ」のことをいいます。 指導者に指示されることをただやっている、やらされている、やってやっている姿ではない姿です。 ですから、この先生の授業は、指導者への信頼が育っていて、子らがみんな好きです。国語が得意ではない子らも、

          前のめりになる授業の秘密

          最良の再会にする

          先日、 私が中学生だったころの学友たちが集う 「還暦同窓会」が開催されました。 幹事となってお世話いただいたみなさんには、感謝の言葉しかありません。 学友のそれぞれが当時の面影を残しながらも、それぞれの経験によって刻まれた「シワ(!?)」を誇り合い、また、それぞれのここまでをねぎらい合うような、それはそれは楽しい会となりました。 当時の先生方も多く出席していただき、 そのお元気な姿に触れ、とてもうれしかったです。 恩師となる先生方の目には、 60歳となった私たちの姿はどの

          最良の再会にする

          映像が持つ力

          私が校長として勤めていた中学校には、 映像が持つ力をフルに活用する社会科の先生がいました。 私たちの日常生活の中にあふれる「映像」素材。 テレビやYouTube、SNSなどには、 様々な映像コンテンツがあふれています。 その素材に 常にアンテナを立て、 良質なものをチョイスし、 良質の「問い」とともに子らの前に示す。 教科書だけではなく、 今、この時の旬の映像素材の教材化を試みるその姿勢に プロの意識を感じていました。 「映像」素材の授業での扱い方のポイントは、 次のとお

          映像が持つ力

          ボランティアが育む「幸せ」

          「ウェルビーイング(well-being)」という言葉を、 あちこちで聞くようになりました。 ウェルビーイングとは、 「人が心もからだも幸せな状態にあること」です。 どうすれば幸せになれるのか? という問いに1人ひとりが答えていくことが求められている時代です。 学校教育もまた、このことを問われています。 子らへの「幸せになること」の指導です。 慶應義塾大学の前野隆司教授の研究グループは、 人がどのようなときに幸福を感じるかについての因子分析を、 コンピュータを使って丁寧

          ボランティアが育む「幸せ」

          なぜ、古典を学ぶのか?

          中学生になると「古典」を学ぶようになります。 「なぜ、古典を学ぶのか?」 このことは、 学習者である中学生にとって 学習の入門期にぜひ確かめておきたい大切なことです。 私は、 中学一年生の 「古典」の学習のスタートの際に、 いつも、次のように確かめています。 人気漫画『ワンピース』に登場する ご存じチョッパー。 そのお師匠さんにあたるDr.ヒルルクの言葉をまず紹介します。 この言葉を紹介した後、 子らに次の言葉を投げかけます。 私たちは、 「古典」の学習において、 柿

          なぜ、古典を学ぶのか?

          「初」心

           私たちは、 「初心忘るべからず」という言葉を、 「それを始めたときの初々しい気持ちを忘れてはいけない。」 という意味で使っていますが、 本当は少し違うようです。 この言葉は、 「能」を大成した世阿弥が、 父である観阿弥から伝えられた芸の極意をまとめた『風姿花伝』の中にある言葉です。 まず、 「初心」の「初」という字は、 「ころもへん」と「刀」からできています。 よって「初」は、「衣(布地)を刀(はさみ)で裁つ」という意味を持つ字で、 まっさらな生地にはじめて刀(はさみ)

          一眼二足三胆四力

          一眼二足三胆四力 ( いちがん にそく さんたん しりき ) この言葉は、 「剣道」で使われる言葉のひとつで、 古来より剣道において大切とされるものを 重要なものから順に並べているのです。 一眼 第1に大切なのは「眼」。 剣道においては、相手の心とその動作とを見破る眼力、  洞察力が最も重要。 この眼力を養うことで、心と心の戦いを制するというのです。 二足 第2は「足」。 足はすべての動作の基本。 剣道においては、 「立合いは竹刀で打つな、手で打つな、胴造りして足で打て

          一眼二足三胆四力