最近の記事

江國香織という作家

先日、随分と久しぶりに懐かしい本を倉庫から引っ張り出しました。江國香織ヴァラエティという本です。20年以上も前に出された、若い頃の江國さんの魅力がつまった本、というか雑誌です。 私が江國さんの本と出会ったのも20年以上前で、母が他界した秋のある日、地元の駅前にあった木造の古びた本屋に偶然立ち寄った日でした。引き戸をがらがら開けると、薄暗い店内は静かで、晴れ渡った外とは別世界。文庫本のセクションで見かけた都の子、という本がなぜか気になりページをめくってみると、紅茶のことが書い

    • 「不機嫌な英語たち」を読んで思ったこと

      小学校の終わりから中学の始めに二年半、アメリカに滞在して日本に帰国し、大学卒業後アメリカの大学院で博士号をとって現在ハワイ州立大学で教えている女性が書いた、私的事実に基づく小説です。主に日本語ですが、英語のページもあり、分かりやすい英語で書かれていますので、そちらも読むことをおすすめします。 まず主人公マリのアメリカ適応について思ったこと。日本では子供はすぐ外国語を覚えるという通説がありますが、よほど小さい時でないかぎり、子供なりに苦労するということが、マリのエピソードから

      • "I don't like you"と言った日

        私が日本の高校を休学して、一年通ったハイスクールは中西部の田舎町にありました。白人が殆どで黒人が一人も住んでいないその町で、私はホストファミリーのお世話になりながら学校にかよいました。色々と慣れないことはあったものの、授業にもようやくついていかれるようになり、6月には無事に卒業して1年がほぼ過ぎようとしている頃、同じ学年のシンディの兄で、私より3才年上の男性が付きまとうようになりました。(彼はホームステイ先の息子の友達でもあったので、顔見知りではあったのですが、急に頻繁に家に

        • クロエさんのこと

          数年前、フランス語習得にはまった時期があり、そのときによく見ていたのがjapanistarというハンドルネーム、実名がクロエさんという日仏ハーフの女性のユーチューブでした。(私は大学で2年ほどフランス語を習ったのですが、全く会話する機会もなく錆び付いていました。) 彼女は日本の美しい場所をある意味日本人よりもよく知っていて、それをフランス語でフランス語話者に紹介してる人でした。私が好きだったのは、東京の恵比寿で夜景がとてもきれいな場所に、妹さんと思われる人と行って、七夕の日

        江國香織という作家

          アメリカ人との恋愛

          アメリカは多民族の国ですが、人種を問わず、アメリカで生まれて育った人の恋愛観は、日本人の考え方と違います。ネットの普及で世界中の人たちと繋がれるようになったのは便利ですが、違いを踏まえてアメリカ人とつきあう方が大事な時間を無駄にせずにすむので、それについてシェアします。 まず、結婚相手を探して付き合ってる場合、一緒にいて楽しいか、趣味があうか、会話が弾むかなどは関係にとって必要条件ではありますが、そのときに見てほしいのが、相手の宗教や人生観ですね。アメリカ人はキリスト教にか

          アメリカ人との恋愛

          サンフランシスコの謎

          以前、一時帰国する時はよくサンフランシスコで乗り継いで、一泊していました。あの街は思い出のある特別な土地なのですが、それだけではない何か不思議な力を感じさせてくれるところで、私にはいわゆるパワースポットのように思えます。 まず飛行機から降りたってすぐ、長旅で疲れているはずが、元気になります。何でもできる気さえしてきます。そして食べるものがすべて美味しい。その上なぜか、私の知り合いのそっくりさんに街角で必ず一回は会うのです。さらにこの間行ったときにはこんな出来事がありました。

          サンフランシスコの謎

          アイデンティティ

          水原一平氏の調査結果は、世間の予想を遥かに越えた悪質なもので、彼に対する評価が全く変わってしまいました。あれほど通訳としての素晴らしさを認められていた人だったのに、残念です。 彼が太谷選手にしたことは、確かに許されません。窃盗の金額だけでなく、その手口が卑劣です。しかし彼の生い立ちを考えるとき、同じような境遇で育った、かつての知人、友人たちの顔が浮かんできて私は複雑な気持ちになります。 アメリカは多民族国家で、特に都市部には移民が多く、バイリンガルどころか数ヵ国語話す人た

          アイデンティティ

          面倒見がいい人たち

          この間、いわゆるドライな人たちのアメリカでの問題点について書きましたが、今日は真逆に面倒見のいい人たちについて書いてみます。国籍を問わず、どこの国でも面倒見のいい人たちは存在します。私もアメリカで様々な善意ある人たちにお世話になりました。そしてそういう人たちは基本的には好かれます。しかし、考えてみると、世話好きな人たちって2種類あると思います。1つは良心、善意から他者を助ける人たち。次は個人的な利益を求めて世話しようとする人たちです。 水原一平氏について、ある精神科医の方が

          面倒見がいい人たち

          Have a lovely day!

          先日、市内にある古いタイプの家が気に入って、写真が撮りたい、でも怪しまれないだろうか?、と思っていたら、金髪の若い女性が偶然その家から出てきたので、声をかけて撮影許可をもらえました。そのとき少し立ち話しましたが、イギリス英語を話す人で、別れ際に; Have a lovely day! と言われ、とても新鮮な気持ちになりました。 このlovelyという言葉、イギリスのテレビ番組では、今でも特に女性が使っているの聞きますが、アメリカだと最近はほとんど聞きません。男女の話し方に差

          Have a lovely day!

          ドライという和製英語

          またもや太谷選手関連のニュースからですが、最近、大谷はドライだから(今度の件にも)大丈夫、と言う発言を目にしました。ドライ。。この言葉がいまだに使われているんだ、と少し驚きました。かなり前の流行り言葉と思っていたからです。日本的な解釈では現代的、湿っぽくない、割りきっている、と分かりやすいですが、英語で人物を表すときに使う場合は要注意です。辞書では、センチメンタルでない、unsentimentalとありますtが、太谷選手がセンチメンタルでないから大丈夫、というのは日本側の発想

          ドライという和製英語

          太谷選手は傷つきやすかった?

          太谷選手の会見以後、様々な人たちがコメントしてますね。ところで日本のニュースで、ドジャーズの監督、ロバーツ氏が、太谷は傷つきやすかった、と発言したと訳されてました。傷ついていた、ではなく、傷つきやすかった、です。疑問を感じてもとの言葉はなんだろう、と思って英語の発言を 調べたらvulnerableでした。これは色々な意味があるのですが、その一つは、オープンに話す、ということ。つまり、ロバーツ氏はその前の発言、(太谷選手が)talking openlyといったのを、別な言い方

          太谷選手は傷つきやすかった?

          はじめまして

          ニックネームきいと申します。東京出身。クリスチャン。10代の頃から主にアメリカ住まいがほぼ半世紀。既婚者です。アメリカの文化や季節ごとのイベント、日米間のあるある、住んでいる中西部の自然、映画や読書、音楽、昭和の記憶から宗教哲学など多々ある興味を書き綴っていこうと思います。

          はじめまして