見出し画像

「競合はいない」の落とし穴 ~生きた教科書として競合に学ぶ~

新規事業を考えている人に、その事業に競合がいるかを尋ねると、「競合はいない!」と答えることが少なからずある。

しかし、本当に「競合はいない」のか?
そして、「競合はいない」ことは良いことなんだろうか?


…実は、GoogleやYahoo!の検索とにらめっこすると競合が見つかるケースがほとんどだ。

でも、競合がいるというのは、必ずしも悪いことではない。

競合を見つけて分析していくことが、自分の事業をブラッシュアップすることに繋がるかもしれないんだ。

競合は相対価値で決まる

以前、こんな記事を書いた。

これは何かというと、競合分析の手法をまとめたものだ。簡単に説明すると、競合の特徴を見つけるときは、自分と他社(あるいは他人)を比較するのが大事、という話だ。

しかし、ここにある「比較」というのが、みんなの目に留まりやすいのか、競合を探すより先に比較をしてしまっているのをよく見かける。

比較から入ってしまうと、「ここは自分の方が優れているな」「これってもしかして人類初のアイデアなのでは…」と思ってしまいがちだが、

ほぼ間違いなく、後々、競合が見つかる。

「じゃあ、どうやって競合を見つければいいの?」

その答えは簡単で、WEBで調べる。それだけだ。

本当にたったそれだけ。

ここで多くの人が「結局、根気よく調べないとダメなんだ…」と諦めてしまうが、そもそも競合が居たらダメだ、困るという気持ちが検索を邪魔しているのかもしれない。

確かに、競合がたくさんいると、競争は激しくなる。これは紛れも無い事実だ。だからこそ、競合が居ない方がいいと思ってしまう。

でも、競合は本当に居ない方がいいのだろうか?

競合が見つかって良かったといことはないのだろうか?


競合は生きた教科書

競合がいたらどうしよう症候群を解決するために、飲食店の開業を例に、ちょっと考えてみようと思う。

たとえば「こだわりイタリア料理店」を開業することにする。立地はオレの出生地「東京都港区」だとしよう。

「こだわりイタリアン」「港区」で地図検索をかけてみると、何件もヒットする。

もちろん、これら全店が競合という訳ではない。だが、立地を軸に検索をかけるだけでも多くの店が表示され、競合の情報が取れるんだ。

大事なのはここから。

ひたすら検索にヒットしたイタリア料理店を見ていく。

検索結果から、気になるフレーズをいくつかピックアップしてみると、

・旬の有機野菜をふんだんに使用したシェフの自慢の一品
・贅沢な空間とロマンチックな個室を完備
・学生に大人気、味とボリュームの地域一番店

といった、なかなか手強そうな競合が何店舗もある。競合の数と多様性に圧倒されてしまうかも知れないが、ここで朗報だ

競合調査はみんなを大変にするものじゃない。むしろ、ラクにしてくれるもの役立つ知識や発見を提供してくれるものなんだ。

競合店のサービス内容や価格設定、メニューやインテリアなどは「生きた教科書」だ。

「自分のお店をより良いものにするために、先輩から学ぶ」という視点を持っていれば、競合が見つかっても、良かったとポジティブに捉えられる。

例えば、自分のイメージする店とよく似たお店を見つけたとしよう。

立地、店構え、インテリア、対象顧客、メニューの品揃え、価格帯などなど、「こだわりイタリア料理店」のイメージに近く、しかも開業十年の大先輩。

こんな出会いをモノにできたら、競合調査はかなり意義深いものになる。大先輩から、生き残りの秘訣を徹底して学びとるチャンスだ。

サービス内容だけじゃない。開業の経緯や経営者の考え方はもちろん、顧客の声やメディア掲載記事など、検索用語を変えながら掘り下げて調査すると、思わず関心してしまう特徴が見つかる。

こうした量稽古を10件分繰り返したとしよう。自店のイメージは、より具体的にブラッシュアップされ、計画に迫力が増すはずだ。

そして、可能なら、競合となり得る店に足を運んでみよう。

店に入り、お客さんとして接客を受け、メニューを検討し、料理を味わい、店の雰囲気、スタッフとお客さんとのやりとりなどを、全身で吸収する。

もし周囲にお客さんが少なければ、お店の営業に迷惑がかからない範囲で、勇気を出して店長さんに話しかけてみてもいい。

結果的に「競合に貴重なノウハウは教えられないよ」と言われても、それはそれで、経営者のあるべき対応の仕方として勉強になる。

もし幸運にもアドバイスをもらえたら、具体的なメニュー構成の工夫、それぞれの原価率、お客さんの心の掴み方など、店長さんが血肉としてきたノウハウを少しでも分けてもらえたら、これに勝るものはない。

「学ぶ」の語源は「真似る」

一説には、「学ぶ」の語源は「真似る」だという。

もちろん、真似をするだけではオリジナルを超えることはできない。それに、知的財産に関わるものをマネしてしまうことは、法律違反だ。

先輩起業家の挑戦に謙虚に学び、生きたビジネスのあり方を全力で吸収させてもらう。そんな気持ちが大切だ。

「競合はいない!」と言いながら、心のどこかで本当は競合が居るかもしれないと思っている人は、今からでも遅くない、競合調査に取り組んでみよう。

新たな出会い、目からウロコの発見が、きっと沢山あるはずだ!

競合がいても、「良かった、参考にできる!」と思えるような前向きさが、競自分の事業アイデアをより良くしていくことに繋がっていくのかもしれない。

おわり!


今回の投稿は、『「競合はいない!」は、HAPPYなのか?』のリバイス版です。


起業ライダーマモルのご紹介

起業ライダーマモルは中小機構が提供する起業相談AIチャットボットサービスです。LINEで24時間365日、起業に関する相談にお答えします。

また、マイノート(事業計画書)作成機能で自分の起業アイデアをまとめることができます。完成したマイノートは無料添削アドバイスを受けることができます。是非ご利用ください!​

▼友だち追加はこちらから

友だち追加はこちらから