#愛読書で自己紹介
こんにちは、ぱんだごろごろです。
今日は、山根あきらさんの企画に参加します。
山根あきらさんは、愛読書の定義を、「特に感動した本」と定めていらっしゃいます。
感動した本。
それは、それまでのものの見方を一変させるようなものだったり、自分の力ではつかみ取ることのできないもやもやをとらえて、言葉にしてくれるものだったり、生きる勇気を与えてくれるものだったりするのでしょう。
さて、自分にとって、そんな本はなかったかしら。
感動した本。
一時的にひどく感動して、心を揺さぶられた本も、確かにありました。
主人公の生き方に触発されて、自分の生き方を変えようと思ったこともありました。
ただ、それは、映画など、他のものでも起こり得るものなのです。
「本」に特化しているからには、
すぐに手に取れて、
文字で出来ていて(絵本の場合は絵と文字)、
言葉を味わうことのできるもの。
本というものは、気軽にすぐに手に取れるからこそ、
同じ本を何度も読み返したり、
気に入った同じ箇所をすり切れるまで開いてしまったり、
暗記するまでひとつの文章を読み込んだりしてしまうものです。
さて、私にとって、愛読書とはどんな本でしょう。
感動した本。
そんな本の中でも、
何度も読み返した本か、
一度しか読んでいないけれど、忘れられない本か、
理屈も何もなく、ただもう好きな本なのか。
長い間生きていると、感動することにも多く出くわします。
素晴らしい学びがあったと思う本もあれば、読後に心の中が喜びで満たされた本もありました。
ただ、それらの体験は、長く続くとは限らないのです。
若い頃に読んで感激した本を、数年後に読み返した時、まったく感動を覚えなかったこともあります。
逆に、取り立てて何も感じることのなかった本が、中年期に入ったときに読んだところ、涙が止まらなかったこともありました。
これらは、多分、本のせいではないのです。
受け止める自分、本を読む側、受容者である自分自身の問題なのです。
そう考え続けていて、ふっと、愛読書とは、親しい友だちのようなものかな、と思い至りました。
人生のその時々で、親しい友人はいますが、時が経つうちに、顔ぶれは入れ替わっていきます。
小学校の時の友だちは、
「昔気質の一少女」(ルイザ・メイ・オルコット)、
「秘密の花園」(フランシス・バーネット)、
「今昔物語集」
中学•高校時代の友だちは、
「スウ姉さん」(エレナ•ポーター)、
「水晶」(アーダルベルト•シュティフター)、
「アトランの女王」(ジェーン・ギャスケル)
大学時代の友だちは、
「真知子」(野上弥生子)、
「細雪」(谷崎潤一郎)、
「聊斎志異」(蒲松齢)
大人になってから出会った、
「トムは真夜中の庭で」(フィリッパ・ピアス)
気の合うママ友は、
「時雨の記」(中里恒子)、
「紅楼夢」(曹雪芹)
そんな中でも、一生を通して忘れず、幾たびもそのひとのもとに戻ってしまう、そんな友人がいます。
そういう人のことを親友と呼ぶのでしょう。
そして、そういう本のことを、愛読書と呼ぶのであれば、私の愛読書は、以下の三冊です。
枕草子(清少納言)
小公女(フランシス•バーネット)
晩夏(アーダルベルト•シュティフター)
自分でも、ぶれないなぁ、と思うのですが、特に上の二冊は、若い頃から変わりませんね。
一番古い出会いのものは、「小公女」で、これは伊藤整の完訳でした。
新潮文庫の一冊で、表紙も取れてしまってボロボロになっていますが、今でもすぐ手の届くところに置いています。
昭和45年の本ですから(初版は昭和28年)、私が10歳のときに買ってもらったものです。
「枕草子」は、学校の授業で習ったり、一部を現代語訳を読んだりして、すっかり清少納言のファンになっていました。
大学の卒業論文のテーマに選んだことで、清少納言が仕えた、藤原定子にすっかり魅せられました。
裏にある歴史を知ることで、清少納言が何を書きたかったのか、訴えたかったものは何なのかを考えるようになりました。
この二冊は、私がnoteを始めるきっかけにもなったものです。
「気位の高いひと」
という、私のnoteのテーマは、
「小公女」のセーラ・クルーと
「枕草子」の清少納言の
生き方の美しさから生まれました。
この二人は、私の憧れであり、終生のロールモデルなのです。
一方、「晩夏」は、大人になってから出会った本です。
丁寧で優雅な暮らし。
真面目に生きるということ。
美とは何か。
それらの内容をすべて兼ね備えた本です。
教養とは何か。
「晩夏」を読めば、それがわかります。
山根あきらさん、
今回も素晴らしい企画をありがとうございました。
参加させて頂けて、光栄です。
山根さんがお考えになっていた企画内容から、私の書いたものが離れていないことを祈りつつ。
*タイトル画像も山根あきらさんからお借りしました。
ありがとうございました。
今日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。
山根あきらさんのこの企画の応募期間は、
2024.1. 28(日) 23:59までです。
まだ間に合いますので、ご興味のある方は、ぜひご参加ください。
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