お気に入りマンガから学んだもの〜「この寂しさはなに?」
こんにちは、ぱんだごろごろです。
3月5日に左膝を骨折して、4週間後の4月2日にやっとギブスが取れました。
リハビリ期間に入ったその一週間後、4月9日に、ようやくよろよろとでも歩けるようになった私に、かかりつけの整形外科医が言いました。
「これからの1週間が正念場ですよ。
多少無理してでも膝を曲げないと、一生膝が曲がらないままになってしまいますよ」
真に迫ったその言葉に、私は震え上がりました。
今やっている、椅子から立ち上がる動作×10回のリハビリ体操やスクワットなどのリハビリ運動、お風呂の中での膝の曲げ伸ばし、1日3キロのウォーキングでは足りないんだ。
このままでは長い老後を、膝が曲がらないまま過ごすことになってしまう。
翌日から、私は、ウォーキングの距離を4キロに伸ばし、リハビリ体操を10回×2セットに増やしました。
腿がパンパンになりましたが、膝が曲がらない恐怖の方が勝ったのでした。
それでも、正直、まだしゃがむことはできないのですが、これと正座は最終目標にしようと思います。
寂しさ
さて、そんな風に、リハビリ生活を送っている私ですが、ある日、2階の息子の部屋(ベッドがあるので、療養中の私の個室として使っています)にいた時、何と言うこともなく寂しさを感じたのです。
これは私にとっては珍しいことでした。
私は、もともと一人でいるのが好きで、一人で本を読むのが何より好き。
友達や子どもたちとおしゃべりするのも好きですが、一人で自由に過ごせる時間が好きで、食事も一人でするのに何の抵抗も感じない人間でした。
それが、夕食を作って、夫と二人で食べ、後片付けを済ませて、歯を磨き、お風呂に入って、湯船の中で膝の曲げ伸ばし運動をしてから、寝間着に着替え、髪を乾かし、TV番組を見ている夫におやすみなさいを言って、2階の部屋に入ったところで、何だか妙に寂しい気分になってしまったのです。
この部屋は、リハビリ生活に移る前の、4週間の安静期間中には、私にとっての極楽部屋でした。
脚を動かせないため、昼間からベッドの上に座り、両脚を投げ出したままで、いくらでも本を読み続けていいのです。
立つのも禁止されていましたから、家事いっさいは夫がしてくれます。
昼間でも眠くなったら寝て、夜は夫の見るTV番組の音に邪魔されることなく、静かに過ごし、いくらでも眠れるのでした。
そんな、私にとっての夢を体現したような部屋の中にいて、ふっと寂しさを感じてしまった・・・。
夫は下の部屋にいて、いつでも会えるのだから、一人でいるのが寂しいということではありません。
では、いったい何が寂しいのだろう。
退屈とは無縁の趣味があり、紙の本も電子書籍も揃っているのに。
いったい何が不足なの?
そこまで考えたときに、思い浮かんだのが、以下のマンガのシーンでした。
「瓜を破る」の主人公のまい子は、30歳を越えても男性との性体験がなく、それがコンプレックスになっています。
恋人が欲しいというまい子に、理乃は、『彼氏はいたらいたで楽しいけれど、柱は一本ではだめ』と語りかけます。
恋人だけ手に入れても、それでは充実した生活は送れない。
②の仕事をきっちりやることで、やりがいや収入を得ることができるし、③の趣味を楽しむことで自分を豊かにすることができる。
この、理乃を支えている三本柱を自分に当てはめてみて、「寂しさ」の原因がわかったのでした。
私には、①の夫もいるし、③の本も揃っている。
ただ、怪我による休職期間のため、②の仕事から遠ざかっていたのです。
それこそ毎日くたくたになるまで働いて、あと二年弱で定年だ、それまでの辛抱だ、と思い続けてきた仕事。
その仕事をしていないから、寂しいの、私?
あまりに意外すぎる結論で、驚きました。
仕事に行かなくて済むのが、何より有り難かったのに。
それでも、夫や子ども、友だちがいて、好きなだけ本を読めて、アウトプットのためのnoteの記事を書いて、そこそこの家事をしてはいても。
どうやら、仕事をしていないと、私は一抹の寂しさを感じるらしいのでした。
そして、それが間違いではないらしいことは、その後、上司からのラインが来て、復帰の見通しのやり取りをした後、「寂しさ」が消えていたことから、裏付けられました。
どうも、私は仕事が好きらしいのです。
どうしよう。
あと一年八ヶ月で定年退職です。
その後は、読書とnoteと古文書解読と、宗教や神話や色の名前の勉強をして過ごす予定だったのに。
家に閉じこもっているのがいけないのかもしれません。
定期的に家の外に出るような機会を作ればいいのかも。
何か、脳が、仕事をしていると錯覚するような活動、社会とつながっているとみなすような活動、そんなものを、定年までに探してみようと思います。
お気に入りマンガ「瓜を破る」
この「瓜を破る」というマンガは、私の大好きなマンガで、何より内容が真摯で誠実なところが気に入っています。
初め、この題名を見たときには、ぎょっとしましたが、読んでみると衝撃的な題名とは裏腹に、たいへん真面目な内容であることに感銘を受けました。
(「瓜を破る」とは、いわゆる「破瓜」で、「破瓜の痛み」という言い方をすることからわかるように、女性が処女でなくなることを言います)
絵もきれいで丁寧、登場人物たちが、それぞれの悩みに向き合い、努力している姿が清々しく、好意と共感の持てる作品です。
最新巻では、理乃が再登場して、再びこの三本の柱が出てきます。
現在の理乃を支えているのは、どの柱なのか?
各電子書籍ストアで、無料で読めるキャンペーンも実施中です。
ぜひ、ご覧ください。
今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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