子供とピカソ鑑賞→大失敗から美術鑑賞法「VTS」に出会った話。
「子供にピカソ鑑賞はまだ早い?!」
子供の頃からアートを身近に触れて欲しくて、子供向けのものや現代アート、飽きないものを選んで、定期的に美術館やギャラリーへ足を運んでいる。
そして先日、かなり久しぶりとなる大きめの美術展、「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展-ピカソ、クレー、マティス、ジャコメッティ」@国立国際美術館へ行ってきた。
私的にこの美術展に子供を連れて行ったことを、序盤の時点でやや後悔していた。
早々に飽きて、どんどん先に進みたがる子供達。
もっとじっくり見たい、見て欲しいのに、とイライラしてしまう私。
特に7歳の息子はスマホでパシャパシャ撮って、はい、これ全部撮っといたから、家でゆっくり見て!と言う始末!
結局一緒に来ていた母が先に連れて行ってくれたので、私はゆっくり鑑賞できたものの、消化不良感を残す結末に・・・。
MoMA発「対話型鑑賞法」とは?!
"クリエイティブな育児" をテーマに掲げる私としては、「子供とアート鑑賞」において、
私なりの解を持っておきたいところ・・・。
そこで色々と調べて行き着いたのが
VTS(ヴィジュアル・シンキング・ストラテジー)
「対話型鑑賞」という美術鑑賞法。
簡単にまとめると、、、
MoMA(ニューヨーク近代美術館)で開発された作品の鑑賞方法の1つ
作品のキャプションなどの予備知識の類は使わない。
その場で感じた感想や想像をグループで対話する
という鑑賞法とのこと。
"対話型鑑賞の入門書"を読んでみる
これは役立ちそう!!
と、早速読んだ本が、「対話型鑑賞の入門書」と銘打たれたこちら。
『教えない授業』
美術館発、「正解のない問い」に挑む力の育て方
鈴木有紀著
日本の教育現場においての実例が豊富で、
子供達が「対話型鑑賞」でどの様に変化していくか、そして大人(ナビゲーター)はどの様に導いたら良いのかが分かりやすく書かれていました。
「対話型」というくらいなので、ナビゲーターと呼ばれる役の人と対話をしながら、みんなで一つの作品をじっくり鑑賞していく。
「気づいたことは?」「どこからそう思う?」という問いかけに対する答えを、みんな言い合い、対話が進められる。
美術鑑賞の助けになれば・・・と読んでいたけれど、どうやらそんなスケールの話ではない。
対話型鑑賞から得られるもの
読めば読むほど、知れば知るほど、
この「対話型鑑賞法」の素晴らしさが理解できる。
じっくり見る観察力
考察力、思考力
言語化力、表現力
他者を受容する
自分自身の理解を深める
ざっと並べただけでも、対話型鑑賞はこれだけの力を各々に発揮させる源になり得るのだ。
本質的な学びをアートから
時に人生をかけて表現された様々なアートを読み解くには、自分の持てる全知力を持って、論理的に対話する必要がある。
最初は表層的なものも、対話を重ねることで訓練され、深みを増していく。
その結果、誰かに与えられた課題を解決するだけの人間ではなく、自分で課題を見つけ、自分の頭で考え続けることができるようになる人間が育つ。というわけ。
これってすごく本質的な「学び」なのでは?!
「子供とアート鑑賞」の現在地。
恥ずかしくも、私の浅はかなピカソ教養で、
キュビズムやら時代背景やらを子供に分かりやすく・・・とか考えたりしていたけれど、大反省からの今時点の私の答えはこう。
美術館に行くならば、目的は「アートを身近に」程度に。
子供の興味のあるものや、インタラクティブなもの、ワークショップがあるものなど気軽に楽しめる要素があるものを選ぶ。アート鑑賞するならポスターでも画集でも、1枚をじっくりと、家族で対話しながら、VTS実践!
というスタイルでやっていこうと思います。
「子供にピカソは早かった?!」の答えは、「全然早くない!!」
子供にピカソは全然早くなくって、むしろナビゲートする私が勉強不足だったな。
そういえばまだ飽きていなかった頃の息子は、ピカソの絵を見て、どっち向いてるのかな?と
自発的に問いを見つけていたのだ。
もっとじっくり取り見られる環境と、良きナビゲーターがいれば、きっと素晴らしい時間になったはず。
可能性はあるし、子供を連れて行って良かったと今は思っている。
先ほど紹介した本は、主に教育者向けに書かれているけれど、ヒントに富んでいて、日常の中の何気ないシーンにも「対話型鑑賞」を取り入れられそう。
また良い実践例がまとまったら書いていきますね!
久々に書いたら、思いが募って長々と書いてしまった!!
最後まで読んでいただきありがとうございます😊
VTS興味あり!って方、リアクションいただけたら嬉しいです♪
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