遠野郷八幡宮~妖怪の里の八幡さま~
今回は、柳田国男の『遠野物語』の舞台である岩手県遠野市にある遠野郷八幡宮を紹介したい。
八幡宮の由緒は詳らかではないものの、文治5(1189)年の奥州合戦の戦功により、源頼朝から遠野郷を賜わった阿曽沼氏の氏神として、阿曽沼氏の居城(横田城)の鬼門である東北の方角に八幡宮を祀ったことに始まるという。
江戸時代になると、阿曾沼氏に代わって八戸から南部直栄が転封され、遠野の領主になる。八幡宮は南部氏の氏神でもあったため、南部氏からの崇敬も篤く、寛文元(1661)年に現在地に遷座