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ひとり暮らし経験よりも大事なこと

実家住まいをしていると、
「ひとり暮らしは経験したほうがいいよ」みたいに
ひとり暮らしマウンティングをされることがあると思う。

結婚相手に選ぶなら、ぜったいにひとり暮らし経験のある人、と考えている人も多いかもしれない。

気持ちは、わかる。私もそうだったから。
ひとり暮らし経験のある人のほうが、家事慣れしていそうという偏見がある。

だけど、ひとり暮らしと実家暮らしは、実は大して変わらない。
ひとり暮らしを始めれば家のことができるようになると考えている人は多いように思うけれど、まったくそれは嘘だ。

少し前に仮説を立てて、わりと確信していることがある。

実家暮らしで家のことをしない人は、ひとり暮らしでもしない。
実家暮らしでやっていた家事だけ、ひとり暮らしでも継続してできる。

家事をしない人は、必要性を感じないからしないのであって、その生活スタイルは、実家でもひとり暮らしでも変わらない。

ひとり暮らしを始めてすぐの頃は、新しいことをやってみたい気分になって、手をつけるかもしれない。だけど、もとの価値観は変わらないから、すぐにしない生活に戻る。

そういうものだ。

私とパートナーは結婚する前、お互いひとり暮らし経験を10年ほどしていたけれど、双方とも家事はできない。

もちろん、できるつもりではいたけれど、本当に最低限で
実家暮らしのときにしていたことと大差ないな、と振り返って思う。

ひとり暮らしよりも経験したほうがいいと思うことがある。
それは、いろんな人と暮らす経験だ。

「暮らす」までいかなくても、日常的に一緒に料理を作ったり、洗濯物を干したり、洗い物をしたり、掃除をしたり。みたいな経験を家族以外の人としてみることは、やってみると気づきが多い。

私が今、結婚相手を選ぶとしたら、他者と生活してきた経験の多い人を選ぶと思う。

実家やひとり暮らし経験だけだと、自分の世間ずれに気づけないままだ。実家で当たり前にやっていた家事のルーティンみたいなものが、他では通用しない。

例えば、私はお味噌汁に鶏肉やにんじん、大根、里芋をよく入れる。だけど、当時よく一緒にご飯を作って食べていた友人は、えのきになめたけ、わかめ、にんじんを入れていて、お互いカルチャーショックだった。

「これを味噌汁と呼ぶなんて!」とお互いに思っていて、初めのうちは友人が作った料理を体が受け入れなかったのを覚えている。だけど、食べているうちに慣れてきて、おいしく食べられるようになった。

洗濯物もそうだ。私は、シワや形を整えてから干したい。そうしないと、型崩れしてしまうからだ。タオルもきれいな長方形の状態でいつも使いたい。だけど、友人はまったく気にしないタイプで、かごから取り出してある程度広げたら干してしまう。乾いたころには、タオルはひし形になっていて格好悪い。でも、気にならないみたいだ。

掃除のタイミングもそう。私は少しホコリが落ちているくらいならまったく気にならないのだけど、とある友人は少しでもホコリがあると気になるようで、掃除をしようと腰を上げるタイミングが私よりもはやい。

自分にこだわりはない。と思っていたけれど、人と暮らしていると自分がいかに細かいことにこだわって生きているのか気づかされる。

こだわりをいかに柔軟に捨てられるか。どうしても捨てられないとしたら、ちゃんと話し合ってお互いの妥協点を見つけられるか。

そういったスキルが何よりも大切だ。結婚でも仕事でも、誰かと同じ空間を過ごしていきたい人には欠かせないスキルだと思う。

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