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ショートヘアの絆

エレベーターで一緒になった女の子が私をじっと見てくる。何かと思えば、「今から美容室でショートカットにしてくるの」と言う。

なるほどな、と思った。私はショートヘアだ。彼女は私を見て、自分がショートヘアになった姿を想像したのだろう。今から髪を切ることへの期待と不安をショートヘアの私だからこそ、共有したいと思ってくれたのかもしれない。

ショートカットにすると、重い髪が一気に軽くなる爽快感を味わえるし、自分の変化も楽しめる。一方で、手直しが効かないという緊張感もある。

だから、ショートカットにすると決めるのには、思い切りが必要だ。

同じ髪形の人には、何かしら親近感が湧くものだろう。ショートにしようと決断しただけでも、同じ勇士といえる。この瞬間、私たちはショートヘア同盟の絆で結ばれたのだ。

長らくロングヘアだった時期もあったけど、今のショートスタイルが一番自分らしくて好き。彼女もまた、新しいヘアスタイルから自分らしさを見つけ出すのだろう。

今朝、ショートになった彼女を見かけた。夏の始まりを感じさせるような爽やかさで、彼女の芯とかわいらしさも感じられる。とてもよく似合っていた。

ヘアスタイルを変えると、心持ちが変わる。彼女も、新たな自分を見つけて、今までとは違った輝き方をするのだろう。そんな風に明るく生きる私たちを、身近な誰かがまた見つけて、ショートヘアに心を惹かれることがあるかもしれない。

ショートカットの縁でお話するようになった彼女とは、これを機に年の離れたお友だちになれるかもしれないなぁ、なんて思っている。

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