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本とわたし

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本についてのエッセイ、積読書の紹介。
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コーヒー抽出後の残りかすが万能すぎてビビった

フリマアプリで買った本の中にどうしても生活臭が気になるものがあって、 どうにかして臭いを消したいと思った。 風通しのいいところに何日か置いておけばマシになるかと思いきや、全然臭いは取れない。 本の内容はとてもよく、しばらく手元に置いておきたいと思った。だから、なおさら臭いが気になる。 フリマアプリで売り直して、新しいものを別途購入しようかとも思ったけど、時間もお金も余分にかかってしまう。あまりイケてる方法ではない。 手頃なもので臭いを消せるならば、それに越したことはな

お金を使って初めて見える景色がある

お金を払って手に入れるからこそ、初めて見えてくる景色があると思う。 * ずっと自分にお金を使うことが苦手だった。 「この商品、いいな」と思っても眺めて終わり。それで満足していた。 あまり幼少期に物を買ってもらえなかったのが原因だと思う。お金を払って欲しいものを手にすることは、自分とは無縁だと思っていた。 本を例に挙げるなら、唯一、本屋で参考書を買うのは許されていた。だから、参考書は大きな抵抗なく買える。だけど、小説や旅行本、テクニカル書、漫画は、我が家では禁じられてい

偶然の出会いはない

小説を読んでいて、 すべての出会いは偶然ではなく、 自分たちで選び抜いてきている という考えに触れた。 今まで私の中を通り過ぎなかったものの見方で、 言われてみれば たしかにそうかもな、と思う。 私たちは常に選択をしている。 この選択が、先の出会いにつながっている。 私たちは、出会いに行っているってことだ。 自分の価値に自信が持てないと 「私といるよりも、あの人といたほうが」 と思って身を引くことがあるかもしれない。 だけど、それは失礼なことだ。 私たちは、お互い

本には旬がある

本には旬がある。 同じ本でも、そのとき自分が置かれた状況で味わいは変わる。 「ふーん」で終わってしまうこともあるし、感動してずっと記憶に残ることもある。 本には鮮度もある。 話題になっているうちに読むほうが、本を取り巻くお祭りみたいなものに参加できる。鮮度を逃すと、気になっていても今さら感が出て読めずじまいなことも多い。おすすめされた本、もらった本もその場で読みだすくらいの勢いじゃないと、なかなか読まない。 だけど、あたためていた本は、ウイスキーのように寝かせるからこそ味

メルカリで本を買う

学生の頃から、紙の本は書店よりもネットで買うことが多い。 ポイントが還元されて、お得だからだ。 むしろ、ポイントを使って無料で買っていたかもしれない。 あるときから、中古本をネットで買うようになる。 ちゃんと選べば、新品同様にきれいだし、安い。 「人の手垢がついた本なんて」と中古は避けてきたけれど、 1冊購入してしまえば、もう気にならない。 実際のところ、手垢なんて見えないし、 別に自分の手だって特段きれいではない。 何なら新品で購入しても、梱包が悪いと、段ボール由来と

『汝、星のごとく』がめっちゃいい本だった

凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』を読んだ。 少し前、電車の中で読んでいる人をたくさん見かけて「そんなに面白いのか」と気になっていた。カバーデザインも青紫色がベースでアメジストみたいにきらめいているし、タイトルの響きも美しい。手元に置いて飾っておくだけでも素敵だ。 続編の『星を編む』がまた、無駄のない美しい小説だということで、星を編むを読むために『汝、星のごとく』を読み始めることにした。 ひとことで感想を述べると、 生きていくことの難しさと覚悟、美しさが詰まった本だった。

本を読み終わりそうなとき

本を読み終わりそうなときの高揚感って、何度も味わいたくなる。 「ここまで来たら、ぜったいに読み終わるはず」という、あの、あと1割くらいのとき。 この感覚は、マラソンと似ている。道半ばでは「ゴールはまだかな」「先は長いな」「走るのやめてしまおうか」と思うけれど、 ゴールが近づいて、自分の今の体力ならゴールにたどり着けそうと感じられたとき、自分を信じて一気に突っ走れる。何なら、今までのスピード感が嘘みたいに。 本も同じで、ゴールまでたどり着けると確信すると、一気に読み進められ

村上春樹の文章に思うこと

ふと、村上春樹さんの本を読んだことがないと気づく。 SNSで「村上春樹のつぶやきbot」というアカウントをフォローしていたくらいなのに、だ。 つぶやきbotからも感じ取れる、文章の流暢さ、考え方が好き。 特に、言いたいことは、物語に乗せると一気に伝わりやすくなるという考え方が好き。 私がnoteを始めたのも、物語を通して伝えたいことがあったからだ。 村上春樹さんの言葉がきっかけになっている。 だけど、本は読んだことがない。 とある人に「村上春樹さんの本を読んだことがな

積読の話をすると積読書が増えるってよ

「積読の話をすると、積読書って増えていきますよね」 と、遠くから遊びに来てくれた後輩が言った。 そのからくりは、こうらしい。 積読の話をすると、本を読む人と認識される。 どんな本を積読しているのかという話になったり、 おすすめがあったら教えてと言われたりする。 自分の趣味で選んだ本を一方的に伝えるのは何だか申し訳なくて、 逆におすすめを聞いてしまう。 自分からおすすめを聞いておいて、該当書を読まないわけにいかない。 だから、即購入。さらに積読が増えるということらしい。

本を読むことを考える日

昨日は、「本を読むことを考える日」だった。 スケジュールに「本を読むことを考える」と入れ、 いつ何を読むか。読書合宿をいつにするか。今まで読んだ本の読書記録をまとめる。とにかく、本を読むことについて考える日。 意外に考える時間が取れなくて、すべてのことはできなかったけど、 とりあえず来月は、読書のための休暇を2日取ることにした。 積読の解消がはかどると思うと、楽しみだな。 本って、意外と手元にあるだけでは読み進められない。 たくさん本を読んでいる人は、読むための時間を

個人書店っておもしろい

個人書店って、何だか入りづらくて今まで行ったことがなかった。 店主のまとう空気感が店内にあふれかえり、お店というよりも誰かの部屋のような感じがするからだ。入ってはいけない気がしてしまう。 少し前に、古民家カフェを思わせる個人書店を見つけた。 おしゃれな店構えで、吸い込まれるように店内へと足を踏み入れる。陳列もかしこまっておらず、それでいて整理されていて、まるで雑貨店に入ったような気分。 入ってすぐの平置きには、あまり目にしない面白い本が並ぶ。他の本も気になって、どんどん

読書合宿をしたい

夏に買って、読めていない本が何冊かある。 積読を自分のタスクから 解放してあげないと、 新しい思考が入ってこない気がしている。 だから、積読をどうにかしたい。 本って、手元にあれば 自然と読み進められるものではなくて、 読むための時間をちゃんと 作ってあげないといけない。 積読書を処理する方法に、読書合宿がある。 1泊2日、あるいは2泊3日、 読書のためだけにホテルを取り、 部屋に籠って読書をするというもの。 それでも2、3冊しか読めず、 厳選して本を持っていくら

飢える覚悟

『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン』を読んでいて 「飢えなきゃ勝てない」という言葉に出会った。 飢えていないと欲しいものが手に入らないというのは、本当にその通りだ。 「それ、私も欲しいなぁ」くらいでは手に入らない。 飢えていない人は、まず準備から始める。スタート地点に立とうとし、誰かがスタートの合図を出してくれるのを待つ。特にレールを敷かれて生きてきた人は、誰かのやり方に自分の状況を当てはめて模倣しようとする。人のやり方を引っ張ってくるやり方は

人から借りた本を読むということ

秋の終わり頃から、 素敵な人とお気に入りの本を交換し合う ということをしてみている。 きっかけは、 私がおすすめした本を読んでもらったこと。 それまで誰かに本を薦めたことはなかった。 初めて、自分が読んできた本や読んでいる本の感想をもらって、自分だけでは得られない視点を見つけられるのが、こんなにも豊かな感覚になれるのか、と楽しい気持ちになったことを覚えている。 同じ本を読み、同じ感覚を得られるのも、 何だか嬉しい。 本をよく読む人だというのは 以前から人づてに聞いたこ