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アニソンロック制作におけるmixメモ

(ヘッダー画像と内容に関連はありません)

Khrono logiK
です。 
今回はロックを作る際に色々やってる音作り/mix解説となります。
大分同業者向けな記事内容となってますが、
DTM分からん人も「なんか語ってて草!」って笑っていただければ幸いです。
(専門用語もバシバシ出てきます)

局所的な音作りの話や、使用機材・プラグインの話は👇でやってます
もう一品食べたい場合は是非……






はじめに

昨日twitterで「ロックのmix語ってもいいぞ!」というリプライをいただけたので、嬉しさの勢いでこの記事を書いてます。

ほんとにござるか~~?(謙遜)

自分としてはまだまだ勉強が必要だったり、割と迷走してる自覚があるのでマジでありがたいです……。

ということでロック制作におけるギター・ベース・ドラムのmix処理を、
今回は同氏によるリクエストでマキナエクスデウスをメインに解説していきます。
よりによって普段とmix変えたマキナで本当にいいのか???

割と適当に設定数値決めたり、他の曲から設定引き継いでるだけで、あんまり意味のない設定があったりします
深く参考にしすぎないように……
mixのやり方は人それぞれだぞ!!


ドラム

Trigger2 → コンプ → トランジェントシェイパー → R Bass → EQ → リミッター
スネアbus用プラグインの設定値

使ってるドラム音源はGGD Modern&Massiveです
(マキナでは入れてませんが、クローズドリムショットの音はAD2 studio POPを重ねたりします 音が好き)

スネアはTrigger2でロックっぽいプリセットを見繕ってMix70%くらいで混ぜた後、コンプやトランジェントシェイパーで潰したり音作りしたりしてます。
Tトランジェントシェイパーはtheハードロックって感じのバッシーン!! スコォーン!!って鳴る音を作るため、割と頼りがちです
どのプラグインでも同じ効果出せそうだけど、NIのTransient Masterが楽だし個人的に好きですね……

Tシェイパーのoff / on比較も置いておきます。
聞き比べると、スネアの胴鳴りの部分スナッピー?のザラザラ音が聞こえやすくなりました いや気のせいかもしれん
sustain20%控えめ設定なので、40%とかにするともっと凄い音がなります(昔上げた方のアリス・イン・ワールドエンドのスネアとかはそんな設定だった)

その後はRenaissance Bassで200Hz持ち上げて重量感調整したり、
EQで無思考で500Hz削ったり高域調整したりしてます。
(無責任な発言だけど、アニソンロックもメタルも取り敢えず全楽器500Hz削ったらそれっぽくなる気がする)

キックも順番と数値は違えど同じような処理をしています。
その他のドラム(タム、シンバル類)は基本的にEQ、コンプだけです。
OHやroomマイクは上記に加えて、音作りをCLA Drumsに任せたりイメージャーでちょっと空間広げたり……。
EQ自体もあまり特別なことはしていなく、ハイフィルター/ローフィルターを掛けた上でデカすぎる帯域を削ってます
音源データにより処置の程度も変わってきますが、タムの低域が伸びすぎるようであれば削って……という感じ
どこの帯域を削れば最適な効果が出るか、それを判断するのは難しいと思うのでアナライザーを見ながら地道にやっていきましょう


EQ → バスコンプ → リミッター → Ozone Match EQ
ドラム全体bus用プラグインの設定値

ドラム全体では、「この部分デカいな~~」って帯域を更にEQで整えたり、
バスコンプ(画像左下のSSL Buss Comp)で全体をブッ潰して気持ちよくなったりしてます
コンプレッションは最大6dbくらいの範囲にしてます やや潰し気味くらいが良いかな~~
俺はPCスペックが限界なので個別トラックをフリーズさせて、bus側で細かくmix処理してますが、
勿論全体busでEQ弄るよりは個別トラックに戻って丁寧に処理した方が良いです

ちなみにEQとコンプを2種類差してますが、Scheps73は色付け、H-compはパラレルコンプ用ですね
マジでよく分からんまま試してます 最悪

リミッターはダイナミクス差の大きいトラックに3dbくらいのリダクションで使ってます(ドラム、ベース、ボーカルとか)

最終段にあるOzone Match EQは、リファレンスとの帯域差分を無理矢理埋めるチートツールです。
ドンシャリっぽそうなドラム音声を投げ込んで、全体の音作りをそれに寄せてます
(公開ステムデータとかサンプルデモとかから拝借するといいぞ!)

これ使えばザックリしたEQ処理とかも一瞬です
でもこの人はEQ色々施した上でMatch EQ使ってますね 不思議です
皆さんはEQ差しまくったりせず、最低限の処理で理想の音作りとmixが出来るようになりましょう 俺には無理です

スネアbusとドラムbusのプラグインoff / on比較です。
スネアのTrigger2による変化が特に分かりやすいですね。
人によってはoffの方が生っぽくて好きなタイプもいるかも?


プラグインの設定値は海外のHow toとか変な掲示板を参考にしてます
でも作りたいアニソンロックっぽい音作りってあんまり見かけないのよな~
rockで調べると90年代以前っぽいもの、metalで調べるとガチガチのメタルばかり出てきて中々大変です
好きなアーティストとかの過去ツイとかメディア一覧探ったりした方が収穫が多い時も……
mix上手い人は何喰ってるんだろうね


ギター


バッキング単体用プラグインの設定値
EQ(MS処理) → EQ → コンプ → Match EQ
バッキングbus用プラグインの設定値

(画像ペタペタで申し訳ない)
ギターはトラック毎にEQした後、バッキングbusで主な処置をしています。
150Hz(ベースと被る)、
500Hz(削ると気持ちがいい)、
2kHz(ボーカルとかと被る)、
4kHz(使うアンシミュの高域がデカくなりがち)
付近がいつも削ってる記憶があります
まぁこれも音源データで左右する部分が多いため、状況判断の上で……。

バッキングbusではMS処理を行っていますが、Midで軽く中域を整える程度です お祈りレベル
ボーカルのために少し隙間を開ける目的ではありますが……多分なくてもいいです

あと、ここでもMatch EQを使ってます(画像下部見たら分かる通り、過激に掛けてます)
リファレンス音源はずっと前に公開されてた拝●ドッペルゲンガーのギターステムだったかな?
前段で丁寧にEQしてるのに、MatchEQ掛けたら
「めちゃくちゃだけどなんか音良くなったからこれでいいか……」ってなってますね じゃあそれまでの処置なんだったんだよ

バッキングbusのoff / on比較です。
高域がめっちゃ抑えられたくらいの違いしかありませんが……


ベース

EQ(倍音処理) → Match EQ → CLA Bass → R Bass → EQ → ダイナミックコンプ → リミッター
ベース用プラグインの設定値

ベースは一番プラグイン量が多いですが、やってることは普通です。
CLA Bassまででザックリ音作り、EQとダイナミックコンプで修整、リミッターで音圧上げくらい
画像右下にあるEQ処理は上記のドラムbusやギターbusにはありませんでしたが、個別トラック毎で行ってます。

ダイナミックコンプくんには、100Hzの低音成分と2kHzのピッキングノイズとかが暴れまくってるので頑張ってます(5弦使ってると尚更低域のバラつきが出る)
2連続で刺さっているのは、帯域設定の問題で1つにまとめられなかったからです……

その前にもEQでボコボコに削りまくってますが、
これもベース本体やアンシミュ側の設定で、ある程度事前に防げたと思います……。
画像に写してませんがMatchEQで更に2kHzを削ってます
多分俺のベースとアンシミュ選びが良くないですね……

ベースのoff / on比較です。
あんま変わらんし前の方がよくないか?
中高域の音程感が出てるベースが制作当時の好みだったので、割とガリガリした音になってます。

今回のmix全体像では、アニソンロック!!って感じを出したかったのでいつも以上に中域+低域を削って高域を際立たせてます。 偏見が過ぎる
ベースをもっと低域担当に専念させたりギター低域の存在感を増やしたりしたら、ラウドなハードロックっぽい雰囲気になったかもしれません。


+α

また上記のプラグイン設定以外にも、楽曲制作時のmixにおいては色々出来ることがあります。
例えば、

  • オートメーションで音量メリハリを付ける

  • 打ち込み音源では、音源自体の設定で出音を調整する

  • 録音データなら、機材を有効的に活用する(mixとはちょっと違うかも)

等々……(自分も全然出来てませんが)

「ドラム音源によっては基本的にベロシティ115くらいをベースに打ち込んでるとロックっぽい音になるな~~」とか、
「ベース側のノブ弄ったら、なんか分からんけど良い音になった……」とか、
そんなことでも全体のmixと難度が大きく変わったりします。
(あとプラグイン以前にトラックの音量調節で解決出来る問題もある)

あと、全体的なmix調整において
「楽器バランスをどんな曲に寄せるか」は本当に大事だと思います。
自分の曲だけを聞きまくってるとバランスが分からなくなってくるので、
ある程度楽曲が完成してmixを詰める段階になったら"参考元リファレンス"を意識しましょう
DAW内で直ぐに参考元を確認出来るようなプラグインもあるので、それらを活用するのもアリです。




……と長々と書いてしまいましたが、
はじめに書いた通り、mixのやり方は人それぞれ
どれが正しいとかはあんまりないです。 
(でも変なやり方はあると思う)

ずっと変なやり方で作業してて、些細なことで気付いて、やり方変えたらmix100倍くらい上手くなった……って経験が100個くらいありますので、
色々な情報を集めて試してみることで、意外な成長に繋がるかもしれません。 Match EQでパワー解決するmixが変だということに気付かないでくれ


まだまだ自分自身も勉強すべき点が多いため、もっと満足いくmixが出来れば……と願うばかりです。
あと、こんだけ書いて思ってるけど
「こいつ俺よりmix上手くて草!」って人に頼めるなら頼んだ方が良いです
でも頼むのって準備と納期がいるよね……


結局記事内容が「Match EQ使いましょう」「mix頑張ろうね」くらいしか残らなかったけど、リプライ送ってくれた人怒らねぇかな……大丈夫かな…………

改めて、自分の曲を聴いてくださる皆様に多大なる感謝を……。
今月後半に豪華な動画が上がって、それについて短い記事を書くと思います。

ちょっと待っててね!

記事ヘッダーに使ったちい可不(2年前に作った)
元画像はメッセージ性が強かったのでトリミング済

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