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子どもながらに、理不尽だと思って泣いた日のこと

小学5年生のバレンタインの日、学校から帰ってきて大泣きした。
週末に母と作ったチョコは、たくさん紙袋に入ったままで。


泣いたのは、失恋して悲しくて、ということではなくて、先生たちにめちゃくちゃ怒られたからだった。

学校にお菓子は持っていっちゃダメ、そんな暗黙のルールはたしかにあったと思う。
でもこんな日くらいは、こっそり持って行くくらい許してほしかった。

クラスメイトのだれかが見つかって、みんなに目が向けられて。結局、「持ってきたやつ、もらったやつは白状しろ」みたいなことを学年全員が言われる大事になった。こんなに怒られると思ってなくて、友達みんなでシュンとした。(持って来ている人は、けっこうたくさんいたんだよ)

小学生の頃、比較的良い子にしていたわたしは、そんな大事件の当事者になってしまったことがショックだった。

それに、どうしても納得いかなくて。
当時の担任の先生が、たまにお菓子を持って来て配っていたから。給食の時間、生徒たちみんなに。

どうして先生は良くて、わたしたちはダメなの?
考えてもやっぱり理解できなかった。


納得いかなくて泣くなんて、あれが初めてだったと思う。今なら「理不尽だ」って言葉を使うかもしれない。悔しくて泣きじゃくりながら母にも話して、どうにかしておさまった(おさめてもらった)。どうやって納得したんだっけなあ。あんまりスッキリ解決はしなかったのかもしれない。


バレンタインデーを思い返したら、この日のことがよみがえってきた。20年くらい前のことだけど、けっこう鮮明でびっくり。

大人になって、理不尽をぐっと飲み込むことも覚えてしまった。
けれど、心の中で泣いたり怒ったりしているわたしのことも、ちゃんと思い出してあげたい。

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