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[僕の好きなもの] webnokusoyaro

"うぇぶくそ 知ってて
アルバム 聞いてねえ って
ちょっと 勿体ねえぞ"


[謎多きラッパー・webnokusoyaro]

不倫でも何でもない
恋愛も取り上げよう
アイドルが誰とパコろうが
俺には関係ない
Scandalas
(from 4th Album 「試験放送」)

 僕が好きなものをただただひたすらに推し、衝動的に文章に残していくコラムの第2回です。今回はwebnokusoyaroです。

[プロフィール]

webnokusoyaro(ウェブノクソヤロウ 、1991年9月28日 - )は、日本のラッパーである。宮城県仙台市出身。
<wikipediaより引用>

 2016年に突如ラップを始め、ニコニコ動画・YouTubeに楽曲を次々とアップロードし、活動開始2ヶ月後に30曲入り1stアルバム「ボイスメモ」をリリース。という行動力のあるラッパーです。現在5枚目までアルバムが出ています。アルバムに入っていない楽曲(主にビートジャック曲 ※版権楽曲のインストを使用している楽曲)もたくさんあります。

 詳しくは彼の公式サイトにあるプロフィールが一番詳しいのでこちらをご覧ください。

 僕がwebnokusoyaroを知ったのは上にあるツイートの通り、2016年の8月です。以降、愛を込めてうぇぶくそと呼びます。

[音質が悪い事を逆手に取った『高いマイクよこせ』]

 2016年8月に行われたWorld Wide Words 2016というネットラップのフェスイベントに遊びに行った際、知らない演者たちも知っておこうと思いチェックしたのが彼の楽曲『高いマイクよこせ』でした。(結果的にうぇぶくそのライブは観れなかったのですが)

マイクくれたやつの為に俺は曲を作るぞ
マイクくれたその日を 死ぬまで休日にするぞ
マイクくれたやつの名前 俺の犬に付けるぞ
高いマイクよこせ (from 1st Album 「ボイスメモ」)

 初めて聞いた時の印象はとにかく歌詞で言っている事が面白くて、「ボーカルの音質悪い」と正直思ったけど最後までなんだかんだ笑いながら聞いてしまいました。悔しい。この1曲で僕の心を掴んで離しませんでした。音質どうこうじゃなく、ラップで言っている事が全てだと言わんばかりな姿勢もすごく好感がもてたんですよね。

 1stアルバムの「ボイスメモ」はビートジャックで作られたモノが多く、無料ダウンロードという形でリリースされています。どなたでも聞けます。

[努力と、成長と、初期衝動の塊]

宇宙より圧倒的に俺の方が偉い
超宇宙意志
(3rd Album 「へんなうた」)

 2016年1月からラップを始めたうぇぶくそさんはその1年で3枚アルバム出すという行動力の化物になりました。しかも全て30曲入りのアルバムなので実質90曲を1年で。初期衝動だとしてもおかしい。アルバムに入っていない曲もネット上に存在するので恐らく100曲は作ったんじゃないでしょうか。やっぱりおかしい。

 1枚目で「音質悪い」なんて思っていたら、2枚目では一部の曲では自作でトラックを作りはじめました。3枚目では更に音質も、自作トラックの緻密さも格段にアップしていきます。

 これには流石に成長を感じ、とてつもない努力の結果(およそ100曲という成果)があったのだと。創作者として尊敬に値するし、応援したいし、彼のこれからがどんどん楽しみになりました。そして謎多き彼のことを、もっと知ってみたくなりました。

[ゲームが好き]

100年 お待たせ
ギャルに会いに行こう
覚えてないけれど
バ持った(略)
zzzzzzzzzzzelda (アルバム未収録)
いや待て もういいや 買ってこよう
僕もスプラトゥーンやりたい(アルバム未収録)
ただ広大なマップを
ちょっとウロついて ちょっと見つかって
一方的にやられて 瀕死の俺の目の前で
外人が陽気にダンス踊るゲーム
フォートナイトの歌
(アルバム未収録)

 僕は「実はゲーム好き」という人だとかなり好感度が上がってしまうのです。何故か。

 アルバム未収録曲でゲームのインストを使った曲がたくさん存在しているので、ゲーム好きな人にはかなり入りやすいかもしれません。

こうなったら俺は
あの機械の奴隷
死ぬまでどうせ毎日
メダル 入れ続けるんだろうね
OK 布団敷いて ここで寝ちゃいます
メダルをちまちま落とすゲーム (2nd Album「ちょっと韻を踏んだ普通の文章」)
実を言うとね スピーカー買った
インターフェースも 買った
そして 機材の出費を 微妙にケチって
Nintendo Switchも 買った
パソコン買った (アルバム未収録)

 ゲームそのものをテーマに曲にしているものもたくさんある。

[何を伝えたくてラップをしているのか]

やや 恥ずかしい歌詞 書くけど
例えラップに関係なくても
俺みたいな 躁鬱病のマヌケの
息抜きに 会ってくれて ありがとう
満を持して金を取るぜ (2nd Album「ちょっと韻を踏んだ普通の文章」)

 元々僕は小学生の頃からm-floが好きになって日本語ラップにハマり、中学生になってからは更にメジャーだったりインディー・アンダーグラウンドな日本語ラップを聞くようになり、高校生の頃はネットラップにもハマるようになったので、今更ヒップホップに対して特に壁を感じたりしないんですがうぇぶくそのラップってすごく歌詞がストレートで、伝えたいことがブレていないんですよね。圧倒的に聞きやすいし、共感する事が多いんです。

本苦手 がブログは好きさ
読むのも 書くのも 書いてるやつも好き
今時こんな効率の悪い流行りもしねえもんを
必死こいて書いてるって ところが 推せる
ブログの好きなところ (5th Album 「インサイド」)

 うぇぶくそ本人が元々毎日のようにブログを書く習慣があったとのことで、なぜか「聞くブログ」みたいなイメージがあります。ブログで日々思ったこと、イラ立ったこと、アレについてどうこうおれはこう思ってるよ、みたいなモノをちゃんと言葉にして伝えているのと同じで。

趣味があってそれがしたくて
日々熱闘してる生活に問題ある?
大いなるテーマはねえ
定期的にゲーム 買えりゃ それでええ
ろーどーすたいる (5th Album 「インサイド」)

 そのテーマが「生活に根付いてるもの」が多く、オチャらけている曲が多いようで実は主義・主張・考えがしっかりしていてぐうの音も出ないぐらいラップという形で言っている。これがうぇぶくそのホントすごい所だなと思います。

[成長と変えないための進化]

 曲をいっぱいネット上に上げているうぇぶくそですが、ネット上に上がっていないアルバムだけでしか聞けない曲にかなり良い曲が多いです。

昔の方がよかった ok ok
昔の方が好き とか言っとけ
変わらない為に変えてんの
好きな頃のやつ聴いてちょうだい

うぇぶくそ 知ってて
アルバム 聞いてねえ って
ちょっと 勿体ねえぞ
(5th Album 「インサイド」)

 新作の5thアルバム「インサイド」が特にそういう曲が多く、この『点』という曲がまさに。

自分でも分からないが あのカバンがムカつく
なんでだ??別にいいじゃん!
誰がどんなオシャレしたって いや分かってる!
それは分かってるんだけど、なんかムカつく!
あの持ちづらそうなカバン (2nd Album「ちょっと韻を踏んだ普通の文章」)

 1st~2ndまではこういう感じのおフザケな曲(僕はおフザケモードの曲も大好きです)が=うぇぶくそだなというイメージだったんですが、新作の5thアルバムでは大分そのイメージが変わってきました。

 リアルタイムでその成長と進化を見ているからかもしれませんが、そのことを「変わらない為に変えてんの」と曲で伝えてしまう。なんだかそのサマが、より「伝えたいこと」の純度が上がっている気がします。

大事なのは それで 自分が 胸張れるかどうかの問題
作った 音源 がボロクソに叩かれたって 気にすんじゃねえ
お前が考えた歌詞でお前のラップは それなんだろ?
じゃ胸 脹れよ

コンプレックスだと思ってるうち は負け組
でも 自覚して 誇れば それはすげえ かっけえ武器
器用貧乏だってそう 考え方 変えれば
何でも出来る スーパーマン なんだぜ
レペゼン器用貧乏 (2nd Album「ちょっと韻を踏んだ普通の文章」)

 『レペゼン器用貧乏』にどれだけ背中を押されたことか。まさかラップを始めて6ヶ月で出した2ndアルバムのこの収録曲でこんな曲と出会えるなんて思ってもなかった。こういった"圧倒的肯定"をしてくれる曲もあるのがうぇぶくその良い所です。

言葉通じない 海外ギャルと
言葉通じる 日本のババアなら
日本のババアだろ
いや日本語の分かる海外のギャル
海外旅行はいいので国内を旅したい (4th Album「試験放送」)

 自作トラックについては『海外旅行はいいので国内を旅したい』なんかが顕著に進化が見えます。超クオリティ高くてビックリした。

[ラップをする普通の人なのだった]

そんなカスがたまたま
始めたラップだ 俺は まだまだ
アーティストなんか では 無い
普通の人みたいな ラッパーじゃなくて
あくまで ラップをする 普通の人 だ
なんとなく生きてる (3rd Album「へんなうた」)

 うぇぶくそが今後どんなことをラップで、曲で伝えていくのかすごくすごく楽しみです。やりたいこと・伝えたいことを変えていくのも「変わらないため」と言っていたし、『なんとなく生きてる』を聞けばそんな気がしてきます。

 『なんとなく生きてる』みたいな、心にスッと入ってくる核心をついてくるような曲がアルバムにはたくさんあります。

 たくさんは紹介出来ないけど、このコラムに貼った曲で一つでも気に入ったものがあったらぜひアルバムを聞いてみるといいですよ。
 1stは無料DL、2nd以降はiTunes Store・Google PlayでDL販売しています。4th以外は30曲入り各1,500円とリーズナブル。以下のURL(本人のサイトリンク)に詳細があります。

 僕のオススメは基本的に1枚目から聞いて欲しい気持ちもあるんだけど、2ndから入るのもアリかなと思います。2nd聴き終わったら1stを。僕もそうだったので。成長過程も楽しめて一石二鳥です。上のリンク先には歌詞と解説文もあるのでそこと一緒に楽しむとより曲のことがよく分かって楽しくなります。

[あとがき]

 僕はamazarashiのようなメッセージ性の高い、パーソナルな泥臭い歌詞を歌っているようなアーティストがここ数年好む傾向があって、webnokusoyaroもそういう類に含まれるのかなと思います。元々ヒップホップが好き…だけど、なんかヒップホップとジャンル分けするには惜しいぐらい特殊なアーティストです。「聞くブログ」と例えましたが、「ラジオを聞く」感覚にも近いところがあるかもしれません。

 このコラム、実を言うと今年2月に出た新譜の5thアルバム「インサイド」が出てからすごく書きたい話の一つだったのでようやく書けて嬉しいです。前回書いたライフ イズ ストレンジのコラムこそ衝動的に書きましたが、このコラムは頭の中では既にどんな感じで書こうか色々考えてはいました。ようやく。

 まだ一度もライブに行けてないので今度開催される際には満を持して行きたいです。ライブ会場で直接物販買いたい。

 ちなみに記事の冒頭で僕が貼った画像は僕の自作画像で、「僕が考えたうぇぶくその30曲入りベストアルバム」なプレイリストのジャケットなのでした。

気に入ってくださりましたら何卒ご支援のほどよろしくお願いします。