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歯周病と関連のある病気

歯周病は、口腔内の細菌によって引き起こされる炎症性疾患であり、悪化すると歯を失う原因となります。また、歯周病は体全体の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。実際、歯周病は全身の病気と関連があるとされており、これらの病気は100種類以上も存在します。代表的なものとしては、心臓病、糖尿病、呼吸器疾患、リウマチ、脳卒中などが挙げられます。口腔内の細菌が体内に影響を及ぼし、炎症反応や免疫反応を引き起こすことで、全身の病気のリスクが高まるといわれています。そのため、歯周病を予防し、適切なケアを行うことは、全身の健康状態を維持するためにも非常に重要です。

【糖尿病】

多くの学術調査により、糖尿病と歯周病の相互関係が明らかにされています。具体的には、歯周病が糖尿病に悪影響を及ぼすだけでなく、逆に糖尿病が歯周病の重症化を促す可能性があることが示されています。歯周病を患う糖尿病患者に対し歯科治療を行うと、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)などの指標が改善する効果があるという報告があります。

【動脈硬化】


動脈硬化とは、血管が柔軟性を失い、血液の流れが滞りやすくなる病気です。この病気が進行すると、心筋梗塞や脳卒中、高血圧といった疾患が引き起こされる可能性があります。動脈硬化の原因の一つとして挙げられるのは、TNF-αという炎症を引き起こす物質(サイトカイン)による影響です。このTNF-αが血管内で炎症を引き起こし、動脈硬化を進行させることが知られています。特に、口腔内に存在するジンジバリス菌といわれる歯周病菌は、このTNF-αの産生を促進する作用があり、動脈硬化の進行に関与している可能性が指摘されています。

【誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)】

飲食物が誤って気管に入り込んでしまい、口の中に存在する細菌が肺に到達して炎症を引き起こす病気を「誤嚥性肺炎」と呼びます。口腔内における細菌の数が多いほど、この病気にかかるリスクが高まります。特に、歯周病菌と呼ばれる細菌が誤嚥性肺炎の原因として知られています。

【認知症】

近年の研究によれば、多くの歯を失うと認知症にかかるリスクが高まることが分かっています。将来、要介護になるリスクを低くするためには、認知機能を維持することが重要です。そのためには、記憶力や学習能力を長く保つことが不可欠です。そして、それに貢献するのが口の健康と歯の数を保つことなのです。


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