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紫外線の感受性を高める「ある物質」

紫外線を浴びることで、私たちの体や肌はダメージを受けやすくなります。この際、活性酸素と呼ばれる有害な物質が大量に生成され、肌の老化や色素沈着の原因となることがあります。特に、この活性酸素による影響で、肌の保護機能としてメラニン色素が増加し、シミやそばかすが現れることがあります。さらに、コラーゲンが破壊されることで、肌のたるみやしわが生じる可能性もあります。

このような活性酸素の働きを抑える効果があるのが、抗酸化物質であるビタミンCです。ビタミンCは、オレンジやグレープフルーツ、レモンなどの柑橘類や、キウイフルーツ、ブロッコリーなどの野菜に豊富に含まれています。

ところが、皮肉なことに、「紫外線を浴びながら柑橘類を摂取すると、日焼けやシミの原因になる」といった説も聞かれることがあります。これには、柑橘類に含まれる「ソラレン」という物質が関係していると考えられています。

ソラレンという成分は、光に反応して皮膚にダメージを与える光毒性を持っています。このため、ソラレンを摂取すると、肌が過敏になり、紫外線によるダメージが増大し、シミや色素沈着が引き起こされる可能性があると指摘されています。

ソラレンは摂取後数時間で光毒性を示すとされており、そのためには午前中はソラレンを多く含む食品を控えることが推奨されてきました。そのため、夕食にそのような食品を摂取することが良いとされていました。

ソラレンが含まれている食品としては、オレンジやグレープフルーツ、みかん、レモンなどの柑橘類、キウイフルーツやイチジク、セロリ、ニンジン、パセリ、三つ葉などのセリ科の野菜、じゃがいも、キュウリなどが挙げられます。

朝にこれらの野菜や果物を摂取したいと思っている方もいるかもしれませんが、ソラレンによる光毒性を懸念して控えている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、最新の知見によれば、この考え方には科学的な根拠がそれほどないことがわかってきました。たしかに、レモンやライム、グレープフルーツなどにはソラレンが微量含まれていますが、それらをたくさん摂取しない限り、問題はないようです。実際には、グレープフルーツジュースを1〜5リットル、レモンを30 kgも摂取しない限り、心配する必要はないでしょう。
また、キウイフルーツ、イチジク、じゃがいも、キュウリなどについては、ソラレンを含むという根拠すら見当たりません。そのため、朝にオレンジやキウイフルーツを食べても何の支障もありません。
ただし、生のキュウリやレモンをスライスして肌に乗せたりすることは、念のため控えたほうが良いでしょう。それは効果がないだけでなく、赤みやかゆみなどの肌トラブルのリスクがあるからです。

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