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そんなに不思議なことですか?

  62歳にもなったのに、僕がニュルブルクリンク24時間に挑戦するのは相当に不思議らしい。帰国後に様々なメディアから、取材依頼が絶えないのだ。原稿依頼もたくさんです。

  そんな中、ティーポ編集長の原稿依頼は直球でした。
「木下さんはこれまでワークス待遇で過ごしてきた。実績も残してきた。もう引退してもいい。なのに、支援者にすがってまで、いわばなりふり構わず、プライドを捨ててまで、何故に挑戦するのですか? 本音を綴ってください」
 いきなりの、えぐるような直球にたじろぎもしましたね。編集長は僕の気のおけない友達だから怒りは湧かなかった。だけど一瞬、グサッときましたね。でもね、それはシンプルな疑問ですよね。チームへの持参金が必要なんて、僕の人生で初めてなんですから。飛行機代も宿代も、飯代も自分で工面しなければならない。「それまでして、なぜ走るの?」素朴な疑問ですよね。


 僕にとっては、いまだにニュルブルクリンクに挑戦することは不思議じゃない。自分自身で可能性に蓋をした瞬間に可能性がなくなることを知っているし、人には可能性がある。才能というものがどれだけ好きかってことならば、僕には才能がある。僕にはこの道しかない、そう覚悟したことから始まる道もある。
 そのあたりをティーポ最新号で綴っています。

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