見出し画像

講師陣からの励まし

おはようございます。短編小説「成吉思汗」の第一稿をレビューしていただきました。太田靖久さん、大槻慎二さん、両講師から早々とコメントをいただき嬉しいです。そのまま記し、第二稿への糧とします。

<太田靖久さん>
太田靖久です。
返信がはやめの方が良いと判断し、一読しただけの感想ですがお伝えします。

「線のような旅を描くことにしよう」とか「これからは身銭をきって旅するのだ」とか「人生なんて、切って、貼って、つないでいけばいい」など、
初稿にはなかった文章だと思いますが、それらのフレーズに血が通っていてとても良くなっています。
文章に感情を乗せるのがうまい方なのだろうと思いました。
体言止めも減っており、だいぶ落ち着いた印象にもなりましたし、「水源」の紹介がカットされたことで、全体の流れも良くなったと思います。
僕と大槻さんの初稿へのコメントを編集長の言葉として取り入れている点もメタ的でおもしろいと思いました。
改めて読み直して、肝になるのは、誰かと交流している時と、ひとりになった時のコントラストの付け方ですね。
だいぶ良くなったとは思いますが、まだその落差が弱いと感じます。
ひとりきりになった時の感情(寂しさ、心細さ、哀しさ、など)をもっと表現できればなお良いですし、
誰かと一緒の時は「動」(こちらは比較的書けていると思います)、ひとりの時は「静」のニュアンスをもっと出してほしいです。
たとえば霊厳洞の場面など、モノローグ(内面の吐露)の割合が過多でバランスが悪く感じます。
ここなどはもっと静かなシーンにすることでより効果的になるはずです。
五感をフル活用してくださいとお伝えしたかと思いますが、この洞の匂い、感触、冷気、湿度、光など、描写できる要素はいくらでもあります。あせる必要はないんです。じっとその場所にとどまってください。
この洞を実際に訪れたご経験があるのかと想像しますが、その時のことをもっと懸命に思い出してほしいです。

以上です。
全体的には初稿より良くなっていますので、引き続き提出期間まで手を入れていただければと思います。
またなにかあればご連絡ください。

<大槻慎二さん>
太田さんの素早く正確な指摘、素晴らしいです。
ほぼ重なると思いますが、

◎体言止めは減っていて、かなりよくなりました。
短い文章がリズムを作っていていいと思います。
ただ、まだ体言止めを変えた方が文章が整うところがあると感じます。
もうひと息だと思います。

◎太田さんの「だれかと交流しているとき」とひとりのときとのコントラストのつけ方、ということと重なりますが、この小説では旅をして景色や人物に触れながら、自己省察をどう描くかが「肝」だと思いました。
その内心の声をうまく散らばすことができれば、よりGoodだと思います。

全体としてはいい傾向にあるので、この調子で進めていただければと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?