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"ワンピースオンアイス"鑑賞記【後編】

前段の想い出が長すぎた鑑賞記、ようやく当日以降の鑑賞記に入ります!
最初にお断りしておきますが、長いですw(1万字オーバー)。
一緒に「ワンピースオンアイス」を見返すつもりでお付き合いいただけましたら幸いです。


いざ会場へ

会場は名古屋城横のドルフィンズアリーナ(旧愛知県体育館)。
新幹線名古屋駅からは電車&徒歩で30分弱、11時半過ぎには会場に到着!

残暑厳しくて道中暑かった~物販すごい行列でした!

ちなみに友人と合流する予定の夕方公演は17時開始だったので、予約しておいた近くのレストランで15時ぐらいに遅いランチを頂きました。

席からの眺め


昼公演のスタンドS席の眺めはこんな感じ。ど正面で演出全体が確認できる理想的な場所でした。(肉眼ではリンクもう少し近くに見えます)

ショートサイド スタンドS席中央付近(配信の「全景カメラ」の横でした)

「最終公演をアリーナ席で堪能する前にプロジェクションマッピング等演出全体を見ておきたい」と思って取った席

しかし長年宇野昌磨ファンをやっていると宇野ルフィが氷上に出てくると同時に目線が彼にオートフォーカスされる仕様になってしまっているため、氷上のプロジェクションマッピング演出を時々見落としました…何のためにここに席を取ったんだか(苦笑)。

ルフィ戦闘シーン一回目のパンチだけプロジェクションマッピングでゴムのように伸びる描写があったのは何とか目撃できました。身体の動きで腕が伸びてる感じ、伸ばした腕が戻ってくる感じを描写できていたので「特殊効果要らずw」って感心しましたわ~。

新横浜公演を見た方たちからの「試合と違ってアリーナ席でも双眼鏡あったほうがいい!」とのアドバイスに従い双眼鏡を持参。動かずに立っているシーンで宇野ルフィの表情を狙いました。しかし普段試合で双眼鏡を使い慣れてないものでピントが合ったと思ったら移動されちゃったりで双眼鏡を活用できたのは5回あるかないかだったかな(苦笑)。

開場早々に撮影した最終公演での席はアリーナ席ロングサイド中央の3列目。眺めはこんな感じでした。

周囲は「ワンピース」ファンが多かったです

出演者の表情も立ち位置によっては十分確認できる距離だったので双眼鏡は最初に船首に立ってたシーンで使っただけ。途中からは演技に集中したくなってきて持ってきた双眼鏡触りもせずでしたw 
双眼鏡を使いこなすには事前訓練が必要でしたね(苦笑)。

思いついた感想 まずは箇条書き


話の流れに合わせての感想を書いていくと書き終われる気がしないので、まずは感じたことの要点だけ先に箇条書きします。

  • 衣装や小道具が想像以上に金かけてきっちり作られていた!
    チケお高いだけある スケーターの動きに負けずたなびくカツラすごい!

  • プロジェクションマッピングをふんだんに使ってはいたけれど、映像に頼り過ぎず「スケーティングが演出の第一要素」であることに好感度激高!

  • スケーターたちの各キャラの個性の落とし込み&細かい表現力マジスゲー全員でやるスピン一つとっても各キャラらしい動きになっている!

  • 群舞はさすがショーで鍛えてきたプロのショースケーターたち!
    ミュージカルのアンサンブルと同じで衣装を早着替えしつつ様々な役柄で見せる群舞かっこいい!

  • 台詞一つ一つにスケーティングを交えた振りつけがあるので顔がろくに見えない遠いスタンド席上方から見ても感情表現が伝わるのがスゲー!

  • 特殊効果なしでもスケートでそんな演出ができるのか!という新鮮な驚き  


スケートってそんな演出ができるのか!


「そういう演出ができるのか!」については補足します。

「ワンピース」は少年漫画らしい荒唐無稽な描写が多々あるので現実であの世界を再現するのは不可能なことだらけ。プロジェクションマッピングや照明・効果音等を活用してカバーしていました。

しかしそういう舞台演出だけでなくスケーティングが特殊効果の役割を担ってたところが多々あったのです。

例えば悪役クロコダイルの「砂を自在に操る能力」はどうやって表すのかな~と思ってたら、「砂」役の群舞スケーターが表現するんですよ。ルフィを砂で舞い上げちゃったりとかね。いや~そう来たか。

▽クロコダイル&ロビンと「砂隊」

最初の対決でルフィがクロコダイルにやられちゃうシーンもどうやって再現するのかと思ったら、『砂隊』の皆さんと協力したリフト技&照明&効果音の合わせ技で見事に再現してて「おおおおお」となりました!

このショーでは長い話を1時間半に凝縮させているぶんダイジェスト風味になっていて物足りないシーンもあります。「え、もう終わったの?」って拍子抜けするぐらいポンポン進むところも多々。「アラバスタ編を好きな人を大切にしよう」と割り切った感じなので、相応の知識&記憶がないとストーリー上のカタルシスは味わいにくいでしょう。

そこが物足りないという人も中にはいたかもしれませんが、すっ飛ばしてしまった部分や描き切れなかったバックストーリーの部分をスケートの演技で補完していました。

▽背景を補完する身体表現

1)幼いビビとペルの回想
アラバスタの王女・ビビの少女時代の回想から物語は始まります。

大空を飛ぶ様子がリフトで表現されるのは、アラバスタ編の映画を見ていたスケオタならある程度想像のつく演出ではあったのですが、フィギュアスケート初見の観客にはかなりのインパクトがあったようで「ここでいきなり涙腺に来ちゃった!」という人を結構見かけましたね。

ペル役の𠮷野晃平さんの体幹を安定させたスケーティングと上手にリフトされている少女スケーターの星碧波さんの技術が揃ってこそ大空を舞っているように見えたのだと思います!(リフトされる方も技術必要ですから)

白いリンクは大空にもできるのか!というインパクトも絶大でしたね。この短いシーンが後できちんと生かされていきます。

2)「仲間のしるし」を確認しあうグループスケーティング
「異なる個性の若者たちが、微妙に違う振り&同じステップで滑ること」で
、ショーに登場したばかりの人物たちの間に培われてきた「仲間としての歴史&絆」を想像させます。まだショーは始まったばかりなのに、既にここでグッと来ていたワンピースファンは多かった模様。

3)悪役クロコダイルと部下のミス・オールサンデー(ロビン)のダンス
いきなり始まるアイスダンスで二人の過去を想像させるんですよね。登場シーン少ないロビンなのにここの印象は超強烈でした。台詞なしの1~2分間でここまでストーリーを語れるのは身体表現芸術の極み。

4)劇的な展開後に挟まれる王女ビビの少女時代の回想
幼少期のビビ役少女スケーターがあの流れで入ってきて突如滑り出すのが効きすぎでした。演出の勝利&素晴らしい演技を披露した星碧波さんの無垢さを感じさせる表現のたまものです。

5)ビビの願い&共闘したルフィ達の想いが重なって雨が降るまでの舞
国民同士の戦いの中で「戦いを辞めてください!」と叫び続けるビビがいきなり滑り始めるシーン。ミュージカルでまさに歌い始める瞬間ですね。

彼女の滑りからは、これまでの彼女の道のりと国を守りたいという願いが伝わってきます。辛い気持ちを抑えながら毅然とした表情で舞っていた彼女がルフィを見つけて初めて微笑みを浮かべ、二人そろって滑る様は「一人で戦い続けていたビビが仲間を見つけ、王国の人たち&仲間たち全員でアラバスタのために闘った。そして今この闘いがようやく終わろうとしている」ことを短い時間で伝えてくれるものでした。

2時間では収まりきらない長い長いドラマを数分のペアスケーティングに詰め込んで、強引に観客の感情を高ぶらせてストーリーのクライマックスに持ち込んでいくんですよ。ビビの想い&ビビに映った「仲間」の象徴であるルフィの想いを演じた二人のスケーターもすごいけど、これを振り付けた宮本賢二先生もすごいです。いや~美しいスケートってそういう使い方もできるのね!?って思いましたわ。

そして・・・

6)演技力みんなパネェ 芝居役者だと聞いても全く驚かないぞ!

ですね。これについては下記でじっくり語ります。

フィギュアスケーターと「演技」


帰宅後Abemaの配信を見たのですが、このスイッチングがなかなか神ってましてこれまた驚き。(残念ながら9/17(日)で公開終了してしまいました)

普段見るアイスショーやエキシビションのスイッチングとは段違い。昼公演からカメラマンしっかり撮ってましたし、大勢のスケーターが終始動き回る演出で撮影しづらかったはずなのに、かなり計算された撮影&スイッチングでした。(昼公演がカメラ横の席だったのでガッツリ真剣に撮っていたのが確認できました。配信用のリハのみだったのか収録までしてたのかまでは不明ですが)

配信では現地では確認できなかったスケーターたちの表情のアップが見られたんですが、これがまぁビックリっすよ。みんなマジでうまいのよ…このショーのために声優さんたちが新規録音した声の演技によるパワーももちろんあるとはいえ、その熱演に負けることなく巧みにリップシンクさせてて、シーンによってはまるでその声が彼らから発せられているよう。

「現場で楽しむのは臨場感と疾走感と群舞の迫力」、「配信だとスケーターたちの細かな演技とプロジェクションマッピング等の全体演出」ーと見どころが全然違うので、「現地で観るのと配信観るのはもはや別物」とすら思いましたわ。現地しか見てない人にも全員配信を見てほしかったぐらい!

体全体の演技で感情表現ができていることは現地で十分わかりましたが、配信ではアップで見ないとわからない微妙な表情が想像以上にすごいのよ。お世辞じゃなくプロの役者レベル。みんな1か月しか練習してない芝居の素人なのに。

スケーターたちは全員十数年以上「どういうポーズをしたら美しく見えるか」「曲の表現にはどのような動きが合うのか」等を日々研究してきた人たちだからただの素人じゃないんだよなぁと思い知らされました。素人とは段違いのスタート位置にいたアスリートが本気出して1か月稽古積んだらここまで来れるのですね…

そのすごさがわかる画像や映像が配信コンテンツ内にしかなくてここに残せないのが悔しい!ABEAのX(旧Twitter)アカウントがマルチアングル映像のチラ見せツイートしてくれてたからリンクはりたかったんだけれど、もう削除されてました(泣)。
世間に出回ってるフィナーレ映像の時とはみんな全然違う迫力なのに~~~

当初は「キャラの仮装をしてワンピースっぽいプロやグループナンバーを順番に滑るだけだったりして」なんて想像しちゃってて本当にすみませんでした!と土下座したい気持ちです。こんなガチで真面目に作品に取り組んでくるものとは思いもしなかったです。

主要キャスト3人の熱演

アップで熱演が確認しやすかったのは、ルフィ宇野昌磨選手・クロコダイル無良崇人さん・ビビ本田真凜選手の3名。

無良くんはセクシーな悪の親玉が板につきすぎでした(笑)。もともと重厚感のあるパワースケーティングが魅力のスケーターですが、あんな重そうなコートを翻してリンクを縦横に駆け巡る、そのたたずまいだけで「誰がどう見てもこいつがボス!」だったのに…アップで観たら葉巻くわえながらめちゃめちゃしゃべってるし威嚇の表情すごいド迫力やないですか!あの渋い声が無良くんから出ていると思い始めるのに時間はかかりませんでした。

真凜ちゃんは可憐だが気の強いお姫さまとしてのたたずまいだけでなく感情の揺れ動きを表現していて、感極まるシーンでは目に涙が潤んでたりで本当に熱演でしたわ。最後のスピーチのちょっとした振り付けがものすごく効果的で、会場で観た時もぐっと来ていましたがあの時にあんなに豊かな表情を浮かべていたとは、配信映像を見て初めてわかりました。

私には「宇野昌磨にオートフォーカスされてしまう視機能」が備わってしまっているため、現地ではどうしてもルフィばかりを見てしまいがち。他のスケーターさんたちの演技のすばらしさをで配信でじっくり確認できたのは本当によかったです。チョッパーやナミなど麦わらの一味の面々の演技もアーカイブ配信がなければ細かい表情まで演技できていたことに気づけなかったですね。そんなに目たくさんついてないんで…。

中でもルフィを演じた昌磨くんは配信画面で見ると現地の印象以上に「少年ジャンプの熱血ヒーローがリアル人間に変身したかのようなカッコよさ」が炸裂していました。配信視聴者多数が「かっこいい!!!」と連呼してたからこれはファンのひいき目ではないと思います!(苦笑)。

彼は演技中に曲調の細かな表現を全身で表現できる選手ですが(単なる移動中のクロス踏むタイミングやスピン速度も曲のテンポに合わせて細かく刻んでくる等)、彼の「音楽を全身で表現する能力」って台詞に対しても発揮されるのかー!!って感服

ルフィ声優の田中真弓さんの新規録音による台詞だけでなく戦いの最中の細かな息遣いに対しても全部全身で合わせてくるんっすよ。彼にとっては台詞も呼吸もすべて音楽なのね!背中しか映ってない画面でも、背中が台詞や吐息と呼応してて背中の説得力すごいのなんのって。X(旧Twitter)で「喋る肩甲骨」と表現してらした人たちがいるけど本当その通りだと思います!

ビビとの殴り合いシーンでは氷の粒が舞って砂漠感すごかった上に表情の変化が私が予想してた演技レベルのはるか上を超えててもはや「あなた誰ですか」レベルw 

あとね、寄りカメラで見ると上腕二頭筋の筋肉すごかった。普段は細い腕に見えるのに戦闘モードに入ったときの筋肉が完全アスリート(戦士)の上腕で、若きルフィ!!!!って感じでした。

シングル競技のフィギュアスケーターって上腕に筋肉つけすぎると回転時に体を締め辛くなるから上半身の筋トレは避ける選手が多いのだけど、日々の練習だけであんなに筋肉つくんですね。

ルフィは吹っ飛ばされて荒れた氷の上をゴロゴロ転がるシーンが多いというのに肌襦袢で腕を隠さなかったのは本当にすごいと思います。いくらスケーターは氷の上で上手に転倒するのに慣れているとはいえ、全く痛くないはずはありません。

第2幕では氷に擦れたのか肩が赤くなっているのが何か所かで確認できました。肌襦袢越しではなく、戦士のごとく鍛え上げた上腕の筋肉を素肌のまま見せていることが、ルフィであることの説得力を増していたと思います。

原作者の尾田栄一郎先生が新横浜公演に来て感動の涙を流してくれたのも嬉しかったなぁ。会場には先生の色紙&サイン入りスケート靴が展示されておりました。


マルチアングル配信で演技を堪能


ABEMAの配信、私はメインカメラ、全景カメラ、寄りカメラ、サイドカメラの4つのアングルを自分で切り替えながら視聴可能な「マルチアングル」を購入しました。

メイン以外は3つの固定カメラ映像を流しているだけかと思いきや、寄りとサイドカメラについては結構細かくスイッチングされてまして、かなりの台数のカメラ映像を見ることができました。いいシーンは各方向から見たいし配信視聴してた人のコメントも読んでみたいしで一粒何度味わってんねんって感じでしたね。料金のもとは十分取れました(まだ味わいたいたかった…)。

スケート的な見どころとしては下記かなぁ?全部は書ききれないけれど。

  • 友野くん演じるコーザ率いる反乱軍のシーンはスケートの魅力満載

  • サンジVSボンクレー対決は大人なフィギュアスケート技の炸裂! 

  • ウィンドミルやツイズル炸裂しまくり 華麗なスピン最高!

  • ゾロVSミスターワン対決 
    もともとスケーティングと相性がいい殺陣の魅力てんこもり 
    刑事くんの刀使いもすごいがベテランショースケーターのコバヒロさんの役作り感&オーラがパネェ

  • ビビの華麗なスパイラル 
    やっぱ美しいスパイラルは本当エモい! フリー規定要素に戻そうよ!

  • ルフィVSクロコダイル ステップ対決マジたまらん 
    熱すぎる少年漫画の格闘シーンそのもの!!!

ナミ、チョッパー&ウソップの戦いは原作の再現度合いを楽しむべきシーンで「ワンピース」ファンの方がより楽しめたのではないかと思います。「ワンピース」原作やアニメでの感動を覚えてないと脳内でストーリー補完できなくて感情がついていかないっすね。長いストーリーを短くまとめることの限界を感じましたが、観客の反応を見る限りでは楽しめていたようでよかったです。

カルーやペル、チャカ、トトおじさんなど「ワンピース」ファンには人気の脇役陣やミス・ダブルフィンガーなどバロックワークスの悪役陣も再現度高くて評判よかったのも嬉しい。どのスケーターさんたちも細かい役作りを熱心にされていて、スケーター&スタッフ全員の熱が伝わってきて本当に熱いショーでした。コブラ国王の演説にほだされて観客一同拍手しちゃったぐらいですからね。

お気に入りのシーンを全角度から堪能するのはもちろんですが、小道具の処理等の細かいとこをチェックするのも楽しかったです。

宇野ルフィがビビに殴り飛ばされるシーン、一瞬の動きの中でさりげなく自分の帽子を飛ばすスゴ技や(「ワンピース」ファンさんが「アニメと全く同じタイミングで帽子がふっ飛ぶの凄すぎ!どうやってるの!!!」って歓喜していた)、ボンちゃんのお面をスケーターたちがそれぞれさりげなく処理するとことかね。皆さん陰でも結構働いてはりました(笑)。

本郷さん演じるボン・クレーが一瞬の暗転の間にスピンしながらお面をつけかえるとことかは何度見てもどうやってるのか確認できず。暗視カメラ映像も欲しい!と思ってしまいました(苦笑)。

スケオタが驚いたワンピファンの驚き


鑑賞前も後も観客のSNSコメントチェックするのが楽しかったです。特に「ワンピース」ファンの感想は新鮮でした。スピード感とか氷削る音とか着氷音とか高速スピンとかに驚くのは予想通りだったのですが、「そこ?」と思うような反応が結構あって。

「3Aってトリプルアクセルのことか!」ってリアクションは面白かったな。まぁフィギュアスケートファンも「両翼ってゾロとサンジを指すのね!」って驚いてたからお互いさまだけど(笑)。

以下は「ワンピース」ファンの反応で印象深かったことの覚え書き。

  • バックフリップ驚かれすぎ
    キャストにバックフリップ得意なスケーターが複数いたのでショー内でも絶対やるだろうとスケオタはわかっていました。しかしスケート初鑑賞の人は「ええええ氷の上でそんなことできるの!?」ってこっちの想像以上に驚いてくれて、こっちが驚き。
    スケートファンはアイスショーでバックフリップ見慣れすぎちゃってるからバックフリップの凄さ不感症になってるのかも(苦笑)。

  • 氷の上って走れるの!?あんなに跳べるの?
    ちょっとした移動のシーンや格闘の際にルフィがガンガン走るんですよ。「ええええ、スケート靴で氷の上をあんな風に普通に走れるもんなの?」って驚いてる人がかなりいてそれにも驚きました。アイスショーとか練習とかでスケーター普通に走ってるの割と目にするからなぁ…。
    いや私は走れませんけどw

  • 製氷受けすぎw
    ある程度予想はしてたけど休憩時間の製氷風景にみんな興味津々。穴埋め隊が出てきたときは「えええ製氷って人力でやるの!?」だったし、製氷車出てきたらみんな「何この車スゲー」「ルンバかと思ったら人が運転してる!?」って夢中になってたのは楽しかった(笑)。
    みんな大好き製氷車!!!

スケオタだからこそ驚いたこと


一方、フィギュアスケートファンだからこそ驚いたポイントもありました。

  • 無良くんの衣装はかなりかさばっているうえ左腕に鉤つけてるからめちゃくちゃ滑りにくいはず。刑事くんの3本刀も同じく。なのに二人ともスケーティングが美しくて。スケーティング良い人はやっぱ違うわ~

  • 無良くんは葉巻、島田高志郎くんは煙草を口にくわえているシーンがとても多いのだけれど、口にものくわえながら技決めるのって力入りづらいし結構大変なんじゃなかろうか。
    ゾロ役の刑事くんなんて刀までくわえてたからな~噛みやすくしてもらってるってインタビューで言ってたけどどんな素材を使っているのだろう気になる。

  • 友野くんはサングラスしてるし島田高志郎くんはサンジ役のカツラでほぼ常に片目が隠れてる。視界が制限されるのですごく滑りにくいはずなのに二人とも華麗に技を決めていました。
    衣装&小道具のハンディがあるからさすがにトリプルトゥループとかが限  界だったけど、友野くんはフィナーレでトリプルアクセル跳んでたよスゲー。

  • 島田高志郎くんは役作りでポケットに手をつっこんだまま滑ったりスピンしたりがとても多くて「難しそう」と素人ながら思っていたのですが、本人のインタビューによると「全然難しくはない」そうな。

鍛えた体幹を持つスケーターは余程の高難度技やらないかぎり手でバランスなんて取らなくてもいいのねw。
(高志郎くんの長く育ち過ぎた手足はスケオタにとっては競技上ではずっと懸念材料だったのにまさかそれが最大限に生かされる日が来ようとは!)

  • 悪役の一人ミス・メリークリスマスが登場した時のトゥステップ
    (写真の左から二人目ね)

トゥめっちゃ細かく刻んでるんだけどあんな着ぐるみ着てようやるわ。足元全く見えんしバランス取りづらすぎやろ。こんな着ぐるみ同様の衣装なのにハイドロブレーディングまでやるって頭おかしいと思います!!!さすがたまーりんに入ってた着ぐるみスケーティングのプロ!
ミスターフォーも一本足打法決めててさすがでした!

宇野昌磨選手の驚異的な身体能力


▽戦闘突入ポーズで微動だにせず

両足を前後に大きく開いてインサイドエッジで踏ん張り、上体を低く落として構える「これぞルフィ!」って戦闘ポーズ。近いポーズの記念写真風画像しか紹介できないのが悔しい!

実際は更に姿勢低くして全身から殺気を発散してる状態で、リンクにそのまま何十秒も静止してるんですよ。おかしいだろう。普通の人間が氷上であんな風に足開いたらあっという間に股裂きになってこけちゃうよ。全身の体幹どうなってんのよ。
(ワタクシ陸上でもあんな長時間ぴったり静止は無理でした…)

▽回りながら後ろ向きに走る衝撃

無良くん扮するクロコダイルが砂漠上に作り出した流砂にルフィが飲み込まれていくシーン。氷上にプロジェクションマッピングで流砂が映し出されるんだけど、砂漠内アリ地獄の円に沿って昌磨くんが後ろ向きに走るんですわ。もはや人外の技。これは「ワンピース」ファンもスケートファンも驚愕してました。

前向きに走るのはわかるよ、シングル競技の靴はエッジの前の方にトゥピックってギザギザ部分ついてるからそこでひっかけたら走れる。でも後ろ向きに滑る人はいるけど走る人は見たことない。しかも後ろ全く見ずに「やばい!やられる!!」って焦って必死になってる表情を浮かべて台詞も合わせながら後ろ向きに走るのよ。

(配信映像でよく見たらちゃんとトゥピック立てて走ってました。めっちゃつま先立ちしないと無理よね?どうやったらそれで後ろに走れるのかホンマ意味わからん。ナンバーワン役をやってたコバヒロさんが凄いって言ってたぐらいだからうまいスケーターならみんなできるってもんでもないと思う!)

しかもそのコースがまっすぐ後ろに走るのではなくてプロジェクションマッピングの砂地獄の丸い形にぴったりと沿いつつ後ろに走っていくのですよ。昌磨くんは目が後ろにもついているのか!?

たぶん「砂」役の群舞スケーター陣がアリ地獄の周囲を滑ってるのでその動きを視野に入れることで投影されてる流砂の位置とサイズを把握してるんだろうけどそれにしてもすごすぎる…

▽「背中に目がついている」疑惑

クロコダイルとの格闘中何度もシーン転換があり、やられて死にそうになっている状態のまま退場する演出があったんだけれど、苦悶の表情を浮かべて上体を折り曲げたまま後ろ向きにカーブしながら舞台脇の退場口にそのままの体勢ですーーーーーっと滑って出ていくのには驚きました。通路決して広くないし曲がらないといけないのに一度も振り返ることなく苦しそうに体を折り曲げたまま後ろ向きで幕の向こうまで滑って出ていったんですよ!

最後の戦闘後は疲労困憊のまま後ろに倒れこむシーンがあるんだけどこれも苦悶&達成感の入り混じった表情のまま後ろに滑って、リンク脇に置かれた台にそのまま仰向けに倒れこむんだけど、これも一度も後ろを見ずにバターンって倒れこむのよ。いや~スゲー。

宇野昌磨は背中に目がついてるって確信しちゃうレベル!!!

★麦わら帽子ありで3Aと4Tにルフィ技つけるのすごすぎ

競技衣装じゃないうえに帽子かぶってるのにトリプルアクセルも4回転トゥループも跳んじゃうの恐ろしすぎ。しかも跳んだ後にクリムキンイーグルやってわざとへしゃっとつぶれたところからゴム人間みたいに起き上がってきたり、ゴムまりみたいにぴょーんと高く跳ねたり。

スケオタ一同が「着氷後すぐにルフィを決めましたので4回転トゥループの基礎点にGOEで3点が加点されますね」って解説したくなるレベル!と驚愕してました。

一番驚いたのは名古屋初日のこれ。

最初の4回転トゥループの助走で何か引っかかったのか単にタイミング合わなかっただけなのかはよくわかんないけど、抜けたその直後にほんの数歩移動しただけで4T跳んじゃった!助走短すぎるやろwwww しかも麦わら帽子かぶってんのに。

この凄さは普段フィギュアスケート見ない人には伝わらなかったようで「こっちサイドでもジャンプ跳んでくれた!」って素直に喜ばれていました(笑)。いやすんごいよアレは紛れもなく現役世界チャンピオンの技っすよ。

とにかく…ありがとう!


名古屋公演初回にはNet Flixの麦わらの一味の俳優さんたちも見に来ておられました。

私はフィギュアスケートの試合やショーだけではなくミュージカルや舞台も好きで色々観ていますが、出演者スタッフが精魂込めて作り上げたショーをナマで味わうのは熱気が肌に直接感じられて本当に楽しいですね。今回はそれをアーカイブつきの配信で何度も繰り返し楽しめて幸せでした。このショーに関わったすべての人たちにお礼を言いたいです。

尾田先生も絶賛してくれたしワンピース公式が推してくださっていたので、ここは配信だけにとどまらずブルーレイ出してほしいです。これを歴史の中の幻にしてしまうのは惜しすぎます。練習過程とか撮影してたっぽいので可能であれば制作過程のドキュメントも観たい。

全アングル完璧に見切れてないからもっと時間をかけて視聴したいし、出演者やスタッフさんたちのオーディオコメンタリーも聞きたいし、衣装や小道具の紹介&説明も欲しい!
もし衣装や小道具の展覧会して頂けたら絶対に行きます!!!

配信公開終了後の楽しみ方


配信公開終了してしまった今はアラバスタ編以降のコミックを読み進めるか、NetFlixのドラマを見るかで悩んでいます。まずはNetFlixかな?

既にフィギュアスケートのシーズンが本格化しつつあり、私は先週もジュニアグランプリシリーズ大阪大会を観に行っていました。今年後半、どこまで「ワンピース」に時間を割けるかわからないけど、世界から注目される魅力あるコンテンツであることは間違いないのを感じられたので、これからもじっくり追いかけようと思います。

「ワンピース」と「フィギュアスケート」という似て異なる文化が出会って生み出された新しい形のショー。互いにファンの裾野を広げていけるといいなぁ。


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