[すこし詩的なものとして]0163 結局、寒いままで
結局触れたいのは
自分だと気づいた
君が嫌そうな顔をしているのに
気づいていて
気づいていなくて
なんとなしに
流れのままに
揺れ動くのは
少し後のこと
水面とビルとの間には
密かに引かれた線があり
何かを区切る
かなしみの線
あなたはそちらに
わたしはこちらに
重く垂れむ雲星のない夜空
冷たく光る街灯
見た目の寂しい影
水上バスの水しぶき
橋の袂に小さな営み
行き先は春の風に乗り
後ろ髪を引かれる
冬の名残り
まだわたしは
結局寒いままで
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いまだに片手にはカイロを持たないと、どこか不安な日々(でもさすがに今週は持たなくなったけど)。夏色が見え隠れする日常に、置いて行かれた気がする。
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