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[すこし詩的なものとして]0164 ダンスには間に合うだろう

めくるめく夜は
誰かを待っている
きっとそれが僕であっても
それが君であっても
ダンスホールは
待っている

今日は散々だった
流れる時とはかけ離れたように
進まない歩みが
いつまでもここに留まらせる

大事なものをなくしてしまった
たぶん探せばあるのだろうが
諦めかけたその時に
くるりと回るミラーボール
時褪せぬ煌めきが何かを引き込んでゆく

取る手は
少し汗ににじむ
誰もがその場に沈む
その場に酔いしれる

止まった足が
横へ前へ
ビートに乗せられ
刻んでゆく
ため息が燻るその口元に
熱気と音が染み込んで
もう足は止まらない

坂の上のあの場所は
誰かを待っている
きっとそれが僕であっても
それが君であっても
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少し蒸した空気を浴びると、音に任せて踊りたくなる。確か、あの頃は嫌なことがあると踊りに行った。もうずいぶん昔のこと。思い出すと、額に汗がにじむ。また無心に踊りたい。

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