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プライドとかそういうもの

僕はよく舐められる。

身長180cmは決して日本人の中では低くないだろう。
手足は長いほうだし、かけっこだって遅くはない。

だけどよく舐められる。

直接面と向かって何か言われることはほとんどない。
しかし、僕は相手が自分を見下していることによく勘づいてしまう。

大体は振る舞いである。
目を見て話してくれない、言うことを聞いてくれない、わざと聞き返してくる、嫌味や皮肉を言ってくる、etc。

舐めてくる相手は20代後半から50代にかけての人たちだ。性別は問わない。
自信家で勢い盛んな人が、よく僕を見下してくる。

そういう時、僕は一瞬イラっとする。
しかし、その0.1秒後に客観的で冷静なもう一人の自分が抑えにかかる。

「やめろ、絶対に応戦するな。」

そして、僕はわざと下からの態度を取ったり、何事もないように冷静に対応したり、場合によっては無視したり。
波風を立てないように全力を注ぎ込む。

だから喧嘩にはならないし、絶対に喧嘩しない自信がある。

***

なぜ舐められるのか?

実年齢29よりも若干若く見られるのか、精神年齢が幼稚園の頃から止まってるからか、バカそうに見えるのか。

まぁ理由はなんでもいい。

前髪を上げた方が強そうに見えると言われても、毎日ワックスかけるめんどくささが勝つ。

実は体鍛えてるとか、有名な外資系企業で働いてたとか、男が見栄を張るためのマウント取りなんかアピールするだけ無駄だろう。
(そしてここでその事実を書いてしまったことに罪悪感がある)

とにかく舐められないように振る舞うことよりも、舐められても歯向かわないで冷静を保つことに僕は注力している。

だから舐められようがお構いなしだ。(良い気分はしないが)

***

とはいえ、僕がこの境地に辿り着くまでには相当な時間がかかった。
高校生の頃なんてしょっちゅう口喧嘩してた。

江戸っ子の血を受け継いでるゆえ、代々口が悪い我が家。
大人になっても売られた喧嘩を買い続けた父の元で育ったゆえ、強くなるにはこれしかないと思ってた。そしてそのまま僕も大人になった。

しかし、このままじゃまずいと思う気持ちもあった。
優しさを身につけて世界を平和にしたかった。

だから、大学生の頃から僕は少しずつ自分を変えていった。
売られた喧嘩は買わずに耐える、そして冷静になる。
脊髄反射で実践できるように意識し続けた。

その結果、僕は喧嘩など一切しなくなった。

***

ビルの上にはほら月明かり
抱きしめてる思い出とか
プライドとか捨てたらまたいい事あるから

岡本真夜「Tomorrow」

岡本真夜の「Tomorrow」は失恋から立ち直る歌だ。
けど、僕はこの部分の歌詞を勝手に別のニュアンスで捉えている。

明日のジョーのように燃え尽きても、思い出とかプライドとか捨てて冷静に優しい心で相手を見つめてみる。

それができる人間こそが真に強い人間だと僕は考えてる。
時々頭に思い浮かぶ好きなフレーズだ。

プライドなんて捨てて強くなろうぜ!

それが僕の純粋な気持ちだ。

***

人の数だけ考えがあるから、違う考えを否定することはしない。
ただ、僕としては舐められようが喧嘩を売られようが気にしないし、それを防ごうとも思わない。

仏の目でその事実を受け止める。応戦はしない。それだけ。

それが自分にとって一番良い生き方だと思ってるし、それこそが人間らしい生き方だと思ってる。

前回の投稿で書いたように「人間とは何か」のひとつの答えがそのような態度だと僕は信じてる。
だから、これからもこのままの自分を貫こうと思う。

涙の数だけ強くなろうぜ。

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