インサイドセールスは「無敗営業」をどのように活用すべきか
こんにちは!ウェルネス業界特化型SaaS hacomonoでインサイドセールスリーダーをしている樋口です。
インサイドセールスが好きで新卒からほとんどインサイドセールス1本でキャリアを歩んできました。
SaaS営業だけでなく、特に法人営業に従事する人へのおすすめの書籍として紹介されることが多い、高橋浩一さんの著書・無敗営業。
私も本書が発売されて以降、複数回読み返しているほどの具体的な内容は日々の業務にすぐに活用できる実践的です。
本書はTHE MODEL型組織で言う、フィールドセールスに向けた内容であるため、インサイドセールスでも活用できるの?と思う人も少なくないかもしれませんが、インサイドセールスでも”超”活用できます。
私もこれまで、新卒で営業を始めて以降、多くの営業に関する書籍を読んできましたが、その中でも本書はインサイドセールスでもすぐに活用できる”超”実践的な内容となっており、本書を読んで以降、インサイドセールスとしてのレベルが1つ・2つ上がったと感じているほど私のインサイドセールス人生を大きく前進させてくれた書籍です。
ということで今回は、改めて無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」を読み直し、インサイドセールスがどのように本書の内容を活用すべきかについてまとめていきます。
今回の記事のように私のTwitterでもインサイドセールスの現場で学んだノウハウや今すぐ使えるTipsを発信しているので、興味がある人はフォローしていただけると幸いです。
無敗営業まとめ
無敗営業は営業(THE MODEL型組織でいうフィールドセールス)が接戦案件(コンペ・予算確保・稟議などが必要で受注も失注もあり得る営業の腕が試される案件)の勝率を高め、受注できる案件の幅を広げるための3つの質問と4つの力について紹介された書籍となっています。
本書の中には3つの質問と4つの力について、顧客が発注に至らなかった理由の本音と建前や商談時に営業に感じるストレス、発注先に重視すること、これまで最高だと感じた営業、営業担当者に求めることなど、買い手目線でのデータを元に解説されており、非常に興味深かったです。
面白かったデータをいくつか紹介します。
発注に至らなかった理由の本音と建前
営業に携わったことのある人であれば1度は経験したことがある失注。その失注理由としてよく聞くのが「御社よりも安い他社にしました」という価格要因に。
この理由は建前であり、本音は価格以上の費用対効果が合わないとのこと。
コンペ案件で自社よりも安い他社を検討している際、ついネガティブに感じてしまいますが、このデータから価格以上のメリットを訴求し合意を得ることができれば発注してもらえる可能性があるということが分かります。
インサイドセールスでも同様に架電時に「予算は〇万円で、A社(自社よりも低価格)も検討しています」と顧客から言われることも少なくありません。
そういった際に、本当に予算以上の費用を出すことができないのか?費用以上のメリットに合意を得ることができたら導入してもらえるかはヒアリングし、判断する必要がありますね。もし、前者であれば商談化しないという意思決定を取ることも視野に入ります。
顧客は価格よりも「費用対効果」で選ぶ
こちらのデータから価格以上に費用対効果が大切だ!と理解することができ、自社製品が他社と比較し高価だったとしても、顧客を深く理解し、柔軟にレスポンス早く対応し、費用対効果を訴求することが営業にとって重要だと感じます。
しかし、この「費用対効果に納得感がある」を裏返すと、顧客が価格の安い企業に発注する際の費用対効果とは「価格が安い割に機能が充実している・実現したいことができる」と納得しているということでしょう。
個人的に、やはり安さは圧倒的な強みであり、自社製品が他社よりも高価であるならば、インサイドセールスから一貫してレスポンスの早い対応と徹底した顧客理解に努め、さらに機能や特徴ではなくメリット・ベネフィット、すなわち費用対効果を訴求し続ける顧客体験による他社との差別化を強化する必要があると感じました。
営業担当者に失望して発注を控える理由
続いて、顧客が感じる営業担当者の不満について。最近とあるツールの導入を検討しており、営業を受ける機会があり「それなー!」と強く共感した内容です。
買い手である顧客は営業担当者のヒアリングが不十分であることに不満を感じるそうです。
私も商談を受ける前にある程度そのサービスについてはHPだけでなく資料を拝見するなどリサーチをしていたためある程度理解はしているつもりで、商談時は弊社の状況を伝えた上で「どのように活用し成果に繋げるか?」をディスカッションできればと思っていましたが商談スタートして早々に機能説明…
私が期待していた時間にはすることができず残念な気持ちになりました(冒頭でこのような時間にしたいと伝えたらよかったです)。
このデータでも、同様にヒアリングが不十分が故に顧客に合わない提案をしてしまったり、それ故に商談の時間が有意義にならず営業に価値を感じてもらえないのではないかと思います。
これらのデータはインサイドセールスもフィールドセールスも営業に携わる全ての人が頭に入れ、反面教師に日々の営業活動時に意識すべきだと感じました。
本書の本題である3つの質問と4つの力については是非書籍を購入して読んでみてください。
ということで、本題に入っていきます。
インサイドセールスにおける無敗営業の活用方法
①顧客が営業に対して何を期待しているかを理解する
本書に記載されている具体的なテクニックに関しては追って紹介しますが、インサイドセールスとして、顧客が営業に何を期待しているかを理解し、期待に添った行動をすることが本書の活用方法の土台になるのではないかと考えました。
THE MODEL型で分業を敷いている中で、私たちインサイドセールスが商談を行うことは多くありません。そのため、自分は「商談設定をすればいいんだ」と営業をしている感覚のないインサイドセールスも少なくないと思います。
しかし、顧客からするとインサイドセールスである私たちも営業と認識しています。そもそも顧客はインサイドセールスという存在すら知らないこともよくあります(電話と商談が別人物であることも知らないかもしれません)。
そのため、インサイドセールスも「自分も営業として見られている」と理解し、顧客の期待に添った行動を行い、フィールドセールスとスムーズで密な連携を行うことで全社として接戦案件の受注率を高めることができるはずです。
こちらのデータにもある通り、顧客が最高と感じた営業の特徴は顧客のことを理解し的確で明確な営業です。
ですので、たとえ問い合わせ・資料請求のホットリードだからといってインサイドセールスが製品紹介や日程調整を行うだけでなく、顧客理解を行い、顧客の期待を超える商談をフィールドセールスができるようにお膳立することが必要です。
そうすることで顧客は「この会社、他社とは違うな」と感じてくれ、価格以上の価値を感じてくれるでしょう。
具体的なテクニックではありませんが、この事実を理解しているかどうかで個人としてもチームとしても成果が大きく変わると思います。
②枕詞・深堀り質問・特定質問は今すぐ使おう
自分が質問しやすく、相手が答えやすくなるための「枕詞」、ピラミッド構造を意識した「深掘り質問」、仮説検証・ピンポイントの確認をする「特定質問」を本書に記載の通りに実行するのがインサイドセールスにおける無敗営業の最大の活用方法ではないかと思いました。
私自身、テレアポ→訪問の一気通貫型の営業から、前職に転職しインサイドセールスを行うようになって最初に読んだ書籍の1つがこの無敗営業でした。
その中で、この枕詞・深堀り質問・特定質問のことを知り実践することでインサイドセールスとして成果を出せるようになったと感じています。
それくらい実践的で効果があるのがこの3つです。
相手が答えやすくなるための「枕詞」
インサイドセールスにとって最も重要なスキルの1つがヒアリングです。
インサイドセールスをしている人であれば1度は「〇〇について聞きたかったけど躊躇してしまった」と思い悩んだ経験はあることでしょう。
顧客が答えてくれなかった訳ではないが、価格や決裁ラインなどセンシティブな内容が故に勝手に躊躇してしまう。インサイドセールスあるあるですね。
そういう状況を打破するために活用したいのが枕詞です。
枕詞を活用することで質問をする側も答える側も質問時の心理的ハードルを下げることができます。
本書で紹介されていた枕詞のうち、インサイドセールスで特に使えるものをいくつか抜粋します(私が日々活用している枕詞も記載しています)。
枕詞を有効に活用し、商談・受注に繋がる情報をヒアリングしていきましょう。
ピラミッド構造を意識した「深掘り質問」
「ヒアリングをしようと意識しているけど何をヒアリングしたらいいか分からない、質問がゴチャゴチャになってしまう」という人はこの深堀り質問とピラミッド構造を意識してください。
SPIN営業術にも経験の乏しい営業パーソンは状況質問を多用すると記載されていますが、同様に経験の乏しいインサイドセールスも状況質問と浅い問題質問しかできていないことが多いです。
上記の4つの質問を意識して活用することで顧客の問題を深堀りすることができます。
当然ながら、顧客の表面上の問題点だけをヒアリングしている商談よりも、問題の背景、要因などがしっかりヒアリングされた商談はフィールドセールスから感謝されます。
ヒアリングに不安のあるインサイドセールスはそのまま素直に使ってください。ついつい忘れてしまう場合はPCに付箋を貼って常に目に入る状態にしてください。それくらいインサイドセールスとしてすぐに成果に直結するヒアリングトークです。
仮説検証・ピンポイントの確認をする「特定質問」
4つの深堀り質問を活用し、顧客の問題の背景をヒアリングしようとしても「んー。。。」と十分な回答が返ってこないことがあります。その際に活用できるのが特定質問です。
特定質問に関しても上記をそのまま活用できます。素直に活用しましょう。
選択肢付きクローズドクエスチョンに関しては〇〇業界であればA・B・C・D…のような課題を感じていることが多い。Aの課題の要因はa・b・c・d…であることが多いなど、ある程度型化することが可能ですので、チーム内でワークショップを行い型化することがおすすめです。
hacomonoでも顧客の状況別に想定できる課題と課題の要因、今後起こりうる問題はシートにまとめており、誰でも選択肢付きクローズドクエスチョンができるようにしています。
以上、無敗営業のインサイドセールスにおける活用方法をまとめてみました。
改めて、本書はインサイドセールス・フィールドセールスともに活用できる実践的な書籍だと感じました。
営業関連の書籍だとSPINやチャレンジャーセールスも有名ですが、個人的には本書が理解も実践もしやすいため、営業歴の浅い人にも、ベテラン営業パーソンにもおすすめしたい一冊となっているので、気になった方は是非ご購入ください。
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