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BUMP OF CHICKEN 18祭の収録日変更に伴う運営面の影響を勝手に考える

2023年、BUMP OF CHICKEN「be there」ツアー折り返しとなる4月の長野でのライブ。
「ずっとやりたかった曲をやります」
ボーカルの藤くんがそう言って始まったのは、「BUMP OF CHICKEN 18祭(フェス)」で放映・公開されたばかりの楽曲、「窓の中から」。
18祭はNHKの企画で、アーティストが1000人の18歳世代と一緒にパフォーマンスする一度きりのステージ。2016年からほぼ毎年開催されており、過去にはRADWIMPSやあいみょんなどのアーティストが1000人の18歳とパフォーマンスしている。コロナ禍での休止やオンライン開催を挟みながら、今回はリアル開催されたイベントの楽曲。

収録が一度延期されながらも、23年3月中に無事に収録(と感動的な放映)が終わって本当に安堵した。もし収録が4月になって年度が替わってしまったら、参加できなくなる人が増えてしまっていただろうから。

そして、このただひとつの予定の変更は、18祭の参加者はもちろん、BUMP OF CHICKENそのものの多くのスケジュールにも影響を及ぼしたと推察される。その考察が今回のエントリのテーマ。

CDシングル「SOUVENIR」の発売日変更

18祭の収録日は23年3月21日。
この収録と3月31日の放映を無事終えてすぐ、CDシングル「SOUVENIR」の発売日が4月5日に決定したと発表された。
このCDシングルはもともと22年12月21日に発売が予定されており、同年11月6日に収録予定だった18祭の楽曲「窓の中から」がこのシングルに含まれる予定だった。
ところが、ボーカル&ギターの藤くんが新型コロナウイルス感染のため18祭の収録が延期に。そのため、このCDシングルと、同時発売予定だった「Silver Jubilee」ライブBlu-rayの発売も延期となっていた。

タイミング的には、そろそろ次のアルバムが発売となってもよさそうな時期。2019年リリースの前作「aurora arc」以降に発表された楽曲も多くなってきて、1つのアルバムにまとめられてもおかしくない。
ただ、運営的には「SOUVENIR」のシングル発売を一度公表した以上、それを飛ばしていきなり新アルバムの話はできない。
なぜなら、新アルバムが出ることを発表したら、そこに収録されるシングル曲のCDが売れなくなってしまうからだ。直近でアルバムが出るのならそちらを聴けばよいわけで、同時期に発売されるシングルはわざわざ買う必要がなくなってしまう。
CDシングル「SOUVENIR」には、予約特典として全国ツアー「be there」のチケット先行予約特典を付けているので、その意味でもこのシングル発売は決して飛ばすことができない。(個人的には、音楽配信全盛のこの時代に、物理的なCDを販売しつつそこに予約特典を付けて収益を上げるビジネスモデルは前時代的だと思うが、そこは今回の論点ではないので割愛)

「be there」はアルバムツアーとして予定されていた?

憶測を含む話にはなるが、もし22年12月に「SOUVENIR」が予定通り発売されていたら、「be there」はそのままアルバムツアーになっていた可能性がある。23年2月頭にアルバム「be there」を発売し、そのアルバムを引っ提げた全国アリーナツアーとして展開する。
スケジュール的にはややタイトであるものの、ありえない話ではない。
実際、前作「aurora arc」は2019年6月4日にそのアルバムタイトルが発表され、リリースされたのは翌月7月10日、「aurora ark」ツアーが始まったのはさらにその2日後の7月12日だ。

「SOUVENIR」のシングル発売が23年4月に延期されたので、少なくともそれまでは新アルバムの話を持ち出すことができなくなった。結果的に、23年5月で終了する「be there」はもはやアルバムツアーになりえない。
もっとも、バンプリスナーの視点では、22年のライブハウスツアー「Silver Jubilee」、23年のアリーナツアー「be there」と立て続けにライブに参加できる機会があったので、今後さらにアルバムツアーが組まれ、また彼らのライブに参戦できるとしたら、それはそれで楽しみしかない。(休みなく活動を続けるメンバーの体調が心配だが…。)

他方で気になるのは、「be there」ツアーの曲目は「aurora arc」以降の楽曲が既に多く含まれていることだ。1リスナーとしては全く問題ないものの、今後新アルバムを発売しつつアルバムツアーが企画されることを考えると、「be there」ツアーと曲目の構成がほとんど被ってしまう可能性がある。
もちろん、ライブは生ものだから楽曲が同じであっても演奏は毎回同じではないし、ライブはそれ自体がメンバーと同じ空間で同じ時間を共有することにこそ強い意味がある。
その前提で考えれば、次のアルバムツアーと構成が被ること自体は何ら問題がないともいえる。それでも、新アルバムやそれを引っ提げたツアーには別の付加価値や意味合いを持たせないと、実際にライブに参戦したときに、
「あれ、なんか『be there』と同じじゃない?」
って思わないかなという懸念が生まれる。

次のアルバムはいつ出るか?

そもそも、次に発表される新アルバムのタイトルは「be there」にならないのかな…?と思いつつ、前作「aurora arc」以降に発表された新曲たちを振り返ってみると、Silver Jubileeで演奏された「木漏れ日と一緒に」を入れても現時点で9曲。
以下は発表順。

2020/8 Gravity
2020/9 アカシア
2021/2 Flare
2021/5 なないろ
2021/10 Small World
2022/2 クロノスタシス
2022/7 木漏れ日と一緒に
2022/9 SOUVENIR
2023/3 窓の中から

「aurora arc」は全14曲の構成だったから、曲数から見ると新アルバムはもうあと1年くらい先でもおかしくはない。これまでに発表されている曲は「木漏れ日と一緒に」を除けばどれもタイアップ曲なので、もしそれ以外の楽曲が数曲あればアルバムになる。

次のアルバムが出るまでの期間という視点で見ると、これまでの例では3~4年というケースが多かった。「aurora arc」の発売が2019年7月なので、このエントリ執筆時点で3年9月。
タイミング的にはもういつ出てもおかしくない。

仮に、「be there」ツアーが終わってから同名のアルバムを発表しつつ、「実はこの前のがアルバムツアーでした~」と言われたら、リスナーとしてはかなり興醒めになってしまう。新アルバムが出るなら、その発売後に同じタイトルでお祭り的にお披露目ツアーをやってほしい。

ツアーの企画は2,3年前から始まっているだろうから、遅くとも1年前までには場所も押さえてあるはず。ツアー日程は容易に変えられないので、そこは動かせないものとして様々なスケジュールが逆算で立てられる。
もし「be there」をアルバムにする予定だったとしたら、18祭の収録日が4カ月もずれ込んだことは、運営としては大きな誤算だっただろう。
このあたりの落としどころをどう持っていくのかが気になっている。

「引っ提げないツアー」という根拠

ここまで書いてきて言うのもなんだが、逆に「be there」が最初から新アルバムを「引っ提げないツアー」として考えられていた可能性も高い。
その根拠としては、今回の「be there」では当然「aurora arc」以降の新曲たちも演奏されているものの、全体の構成から見ると新曲で固められた感覚はなく、むしろ新旧の楽曲があえて織り交ぜられた構成とされている色彩が強いことだ。
オープニングで「アカシア」を演奏したり最近のリスナーに馴染みの深い楽曲も要所で入れたりしながら、2曲目に「グングニル」と「ダンデライオン」を日によって入れ替える構成は、古くからのリスナーも置いていかない強い意思と愛を感じさせる。
「魔法の料理〜君から君へ〜」や「プレゼント」など、どこを取り上げてもすべてが名曲。こういうライブは、「引っ提げない」ツアーだからこそできるといえる。

バンプの動向メモ

2022年

  • 9月29日 「SOUVENIR」配信開始

  • 10月4日 「SOUVENIR」Music Video公開

  • 10月24日 ライブハウスツアー「BUMP OF CHICKEN TOUR 2022 Silver Jubilee」開始(~12月13日)

  • 10月28日 「SOUVENIR」CDシングル予約開始(全国ツアーチケット先行予約特典付き)⇒12/21発売予定

  • 「BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe」 (完全生産限定盤) (Blu-ray)⇒12/21発売予定

  • 11月3日 藤原基央が新型コロナウイルス感染

  • 11月6日 18祭 収録予定⇒延期

  • 12月7日 「天体観測(2022 Rerecording Version)」配信開始

  • 12月13日 「BUMP OF CHICKEN TOUR 2022 Silver Jubilee」ツアー最終日

2023年

  • 3月31日 NHK『BUMP OF CHICKEN 18祭(フェス)』で「窓の中から」放映。

  • 4月1日 「窓の中から」配信開始

  • 4月2日 「窓の中から」Music Video公開

  • 4月2日 『関ジャム 完全燃SHOW』で「BUMP OF CHICKEN特集」がオンエア

  • 4月5日 CDシングル「SOUVENIR」&ライブ映像作品「BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe」発売

  • 4月12日 藤原基央誕生日

  • 4月16日 『関ジャム 完全燃SHOW』で「BUMP OF CHICKEN特集」後編がオンエア

さいごに

「be there」ツアーの最終日は23年5月28日のさいたまスーパーアリーナ。
どうか最後まで無事に駆け抜けてほしい。
4月2日の長野ライブレポも書きましたのでお読み下さい。

(追記)
23年5月28日、be thereツアーファイナル後の発表で、「be there」はバンプのオリジナルアプリ構想から生まれたことが明らかになった。詳しくは次の記事をお読み下さい。


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