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ラテン・アメリカ旅行記 - 第1回(旅程① / Mexico, Dominican Republic)

前回の記事からだいぶ時間が経ってしまったので、改めて簡単に自己紹介しますと、私は、現在、米国University of TexasのLL.M.に留学中の日本法弁護士です。本Noteは、個人的な備忘のために留学中に感じたことをまとめておくことを主な目的としていますが、もしかしたら後輩の役に立つこともあるかもしれないという思いもあります。

2023年8月-12月の秋学期はそこそこのペースで記事を書くことができたのですが、2024年の新学期に入ってから、学業やら課外活動やら諸々により持ち時間が制約されており、中々書き進めることができませんでした。そのような制約の中でも、毎日少しずつ時間を確保し、執筆を進めた結果、今回、ようやく新しい記事を書くことができたので、ここに公開します。

記念すべき再会後最初の記事ではありますが、LL.M.関連のことではなく、Winter Break中に行ってきたラテン・アメリカ旅行について書こうと思います。Winter Breakは合計5週間ありましたが(2023年12月9日-2024年1月15日)、そのほぼ全てをこの旅行に費やしてきたので、結構なボリュームの連載になる見込みです。最初の数回は、全体像を示すのに最適ということで、旅程について書きたいと思います。その後は、旅行準備、荷物一覧、イミグレ等のTips、遭遇したトラブル、旅行に関連する映画・音楽などについて書いていきたいと思います。また、旅行中、Venezuelaにも行ったのですが、中々行くことのない国だと思うので、同国についてフォーカスした記事も書こうと思っています。

なお、冒頭の写真は、Mexico City郊外にあるTeotihuacánのピラミッドの前で撮影したものです。

(2024年4月21日追記:旅程について全6回分最後まで書き終わったところで、やはり写真をもう少し足した方がよかろうと思うに至り、全体的に適宜追加しています。)


旅程に関する前提

以下に旅程を書いていきますが、その前に前提を書いておきます。

まず、今回の旅程を決めるにあたっての考慮した事項ですが、2023年12月8日に秋学期期末試験の最後の試験(Secured Credit)が終わったので、この時点で出国可能となりました。[1]

次に、旅程を組む上での軸として、Venezuelaはマストでした。というのも、Yale Summer Session (YSS)で出会った弁護士が同国出身であり、知り合いがいるうちに(かつ、Yaleでの熱が冷めないうちに)、是非とも行っておいた方がいいと思ったからです。[2] これに関連して、YSSで一緒だったもう一人の友人(日本人)もVenezuela行きに参加することになりました。したがって、自分も含めた3名で予定を調整する必要がありました。

最後に、新学期が始まるのが2024年1月16日であるところ、先学期の経験上Week 1の時点で相当の予習が求められることが予想されたので、少なくとも新学期開始の数日前までにはAustinに帰ってくる必要があろうと思いました。[3]

以上が旅程を組む上での前提条件でした。逆に言うと、その他は完全に自由でした。

全旅程概要

具体的な旅程に入る前に予め全体像を示しておきます。

・Mexico (12/9-14)
: Nuevo Laredo (12/9-10), Monterrey (12/10), Mexico City (12/10-14) 

・Dominican Republic (12/14-16)
: Sosua (12/14-16)

・Colombia (12/16-19)
: Cartagena (12/16-19)

・Venezuela (12/19-25)
: Caracas (12/19-21), Canaima (12/21-24), Caracas (12/24-25)

・Peru (12/25-30)
: Lima (12/25-26), Cusco (12/26-27), Machu Picchu (12/27-28), Cusco (12/28-29), Lima (12/29-30)

Brazil (12/31-1/3)
: Rio de Janeiro (12/31-1/3)

Chile (1/3-5)
: Santiago (1/3-4), San Pedro de Atacama (1/4-5)

Bolivia (1/5-8)
: Eduardo National Park (1/5-7), Uyuni (1/7-8), La Paz (1/8)

・Peru (1/8)
: Lima (1/8)

・Ecuador (1/9-1/11)
: Quito (1/9-11)

以下が具体的な旅程です。

Mexico (12/9-14)

まず最初は、Mexicoですが、AustinからMexicoへは陸路で移動・越境することにしました。というのも、米国(特にTexas)では何かと話題な国境がどんな感じなのか、一度見てみたかったからです。Mexicoとの国境で有名な都市はいろいろありますが(El Pasoとか)、Austinから行く場合、国境は、Laredo (米国側) / Nuevo Laredo (Mexico側)です。

Nuevo Laredo (12/9-10)

国境の街。Austinを出たのが昼前であり、そのままその日のうちにMexicoの別の都市まで行けそうな気もしましたが、国境を通過するのにどれだけ時間がかかるか読めなかったので、Nuevo Laredoで一泊することにしました。

  • 移動:Flix Bus (Austin to Nuevo Laredo) USD 50.98

  • 時差:GMT-6 (Austinと同じ)

  • 食事:Los Agaves ★★★★★ [4]
    ローカル色強い。うまい。

うまい
  • 宿泊:City Express ★★★
    Marriott系列だったので、Amexのポイントを使って無料で泊まりました。

なお、Nuevo Laredoからメキシコの主要都市への移動ですが、私は、下記のとおり、一度バスでMonterreyまで行き、そこからMexico Cityまで飛ぶというルートを選びました。しかし、後で調べてみると、Nuevo Laredoから直接Mexico Cityまで行くフライトもあったので、これでもよかったように思います。

Monterrey (12/10)

Nuevo LaredoからMexico Cityに行くまでの寄り道。数時間の滞在。Uberを駆使しつつ、慌ただしく色々見て回りました。ただ、山に囲まれていて美しい街という印象です。Monterrey出身のクラスメートもいるので、いつかまた来たいですね。

  • 移動:Flix Bus (Nuevo Laredo to Monterrey) USD 20.98

  • 時差:GMT-6 (不変)

  • 観光:Mirador del obispado ★★★★★
    新しい街に来たら、まずは高いところに行ってみるというのが自分のルーチーンなので、まずは展望台に行ってきました。Mirador(展望台)というスペイン語は今回の旅で頻出します。

  • 観光:Marcoplaza ★★★★★
    中央広場。クリスマスムードが漂っていた。

  • 観光:Catedral Metropolitana de Nuestra Señora de Monterrey ★★★★
    教会。地元民で賑やか。

Mexico City (12/10-14)

Monterreyからフライトで辿り着いたのがMexico City。大都会。事前の調査で概ね3泊4日くらいの滞在が良さそうだったので、そのように予定を組んでみました。ただ、着いた翌日が月曜だったところ、月曜は美術館・博物館が休みのケースが多いようなので、実質1日無駄にしてしまったような感もあります。

  • 移動:Viva Aerobus flight (Monterrey to Mexico City) MXN 2,228.36 (=USD 134.76) [5]

  • 時差:GMT-6 (不変)

  • 宿泊:Residencia Polanco ★★ USD 165.50 USD (4 nights)
    Mexico Cityはとにかく広いので、ホテルの立地が重要になってきます。ここはあまり良くなかったです。Polancoはビジネス街で、ホテルもたくさんあるのですが、観光目的だとCentro近くの方がいいと思います。施設としては、WiFiがひどくて、近所のスタバまでネットを使いに行かざるを得ないという有様でし。英語は全く通じなかったですが、ラテンアメリカでは通じないのがむしろ通常だと思います。

12/10

MonterreyからMexico Cityへの移動日。

12/11 

この日はツアー参加予定などはなく、Google Map片手に面白そうなところを順番に巡りました。

  • 観光:Mexico City Metropolitan Cathedral ★★★★★
    Centro界隈に色々集まっているので、この大聖堂も含めて、まとめて行くと効率的だと思います。

  • 観光:Biblioteca Vasconcelos ★★★★★
    インスタ映えする図書館。ラテンアメリカ最大の蔵書数とのこと。

上手く撮れればインスタ映え
  • 観光:Mirador Torre Latino ★★★★
    展望台。旧市街を眺めるにはいい場所。ただ、フェンスが高いのでやや景色を見にくいです。

展望台から見た景色
  • 観光:Monument to the Revolution ★★★★★
    メキシコシティの歴史を学ぶにはいい場所です。メキシコの歴史上重要な3つのイベント(①1521年Spanish Empireの確立、②1808年スペインからの独立、③1910年革命)がありますが、このうち③の革命を記念するものです。

  • 観光:Museo de Cera ★★★★★
    蝋人形館。マダムタッソー的なやつ。そんなに行きたかったわけではないですが、この日は博物館・美術館が概ね休みだったので、他に行くところがなく、やむなく行ってみることにしました。観光先で蝋人形館にいくと、その国でどのような人物が愛されているか分かるため、割と好きではあります。

メキシコにゆかりのある映画監督たち(いずれもアカデミー受賞者)
  • 観光:The Angel of Independence ★★★★★
    通りの広さと相まってかなりでかい印象を受けます。ただ、周囲の渋滞がひどいです。文字通り、スペインからの独立を記念するモニュメントです。

  • 観光?:Señorial Spa ★★★
    日本ではサウナーだったので、サウナも試してみました。ただ、サウナ自体は80度くらいまで上がるものの、水風呂がなかったです。また、詳細は省きますが、怪しい雰囲気のサウナでした。

12/12

前日同様、自分で観光するスタイル。ただ、この日は美術館・博物館が開いていたので、前日行けなかったところを拾って行きました。

  • 観光:Museo Soumaya ★★★★
    美術館。コレクションの幅は絵画から彫刻まで広い。なぜかダビデ像とかピエタとか、西洋美術のレプリカが結構あります。無料です。

心臓(Corazon)に十字架を打つのはラテン・アメリカ独特
  • 観光:Chapultepec Castle ★★★
    城です。英語の解説がなかったため、最後まで何の城なのかはよくわからなかったですが。高台にあるので、景色はいいです。下記の人類学博物館の近くなので、セットで行くといいかと思います。

  • 観光:Museo Nacional de Antropología ★★★★★
    超有名な博物館。対象としている時代は、スペインによる支配が始まる前まで。古代文明が好きならおすすめだし、一回は行く価値あり。

こんなんが多い
  • 観光:Casa “Roma” Alfonso Cuarón ★
    映画ROMAのロケ地。ROMA始め今回の旅に関連して見た映画については、別途まとめて書こうと思います。ただ、ここは大したことないので、わざわざ行くほどではありません。近くが繁華街なので、近くに泊まるなら寄ってもいいかも。

映画を見たならわかるアングル
  • 食事:El Fogoncito ★★★★★
    テキサス大学LL.M.の卒業生にディナーに連れて行ってもらったメキシコ料理屋。オーセンティック。とても美味しかった。

うまい

12/13

Mexico Cityの中心部は前日までに割と回ったので、この日は、Teotihuacánなどを含む、郊外行きのツアーに参加しました。

  • ツアー:Teotihuacan, Guadalupe Shrine, Tlatelolco & Tequila Tasting Tour ★★★★★ USD 55.00 
    全体的にいいツアーでした。Mexico City中心部から郊外への公共交通があるわけでもなさそうなので、郊外に行くには、ツアー参加が便利だと思います。実際に行った場所は、以下に書くとおりです。

  • 観光:Tlatelolco ★★★★★
    古代・植民地時代・独立後の3つの時代に関する遺跡が混在する面白い場所です。ただ、分かりやすくはないので、ガイド必須です。

  • 観光:Basilica of Our Lady of Guadalupe ★★★★★
    Lady of Guadalupeとは聖母マリアのことです。とにかくでかい教会。

  • 観光:Pyramids of Teotihuacan ★★★
    有名なピラミッド。悪くはないですが、コロナ以降ピラミッドの頂上までは登れなくなっています。自分のように高いところが好きな人間からすると、行く意義が半減している気がします。

  • 食事:Mikado ★★★
    ツアーとは関係ないですが、この日の夕食です。Google Mapの評価が良かったので行ってみましたが、まあ普通の日本料理ですね。

12/14

早朝(というか深夜)の便で、Dominican Republicへ。

まとめ

Mexico Cityは、もうちょいてもよかったかもしれないです。まだ行っていない美術館・博物館(フリーダカーロなど)も結構ありました。あと残念なのは、Mexico City出身のクラスメートが複数人いるのですが、私が旅行に出発するのが早すぎて、Mexico Cityの滞在が彼らが帰国するよりも早くなってしまい、現地人の案内を得られなかったことです。代わりに色々情報をシェアしてもらいましたが、やはり一緒に行動できた方が良さそうです。

Dominican Republic (12/14-16)

Sosúa (12/14-16)

Dominican Republic (DR)の北側の海岸にある街。カリブ海のパタヤとも呼ばれます。Mexicoから行くには、おそらく一回首都Santo Domingoを経由する必要があり、そこからさらに車で3時間ほど移動する必要があります。かなり不便な立地。街全体に途上国感が漂っていました。

  • 移動①:Volaris flight (Mexico City to Cancun), Arajet flight (Cancun to Santo Domingo) USD 467.02 (total)

  • 移動②:Taxi (Santo Domingo to Sosúa) USD 230 [6]

  • 時差:GMT-4 (2時間前進)

  • 宿泊:New Garden Hotel ★★★ USD 126.72 (2 nights)
    全体的にぼろいですが、まあ不自由はないくらい。街全体なのだと思いますが、しょっちゅう停電してました。

12/14

1日かけて、Mexico CityからSosúaまで大移動。別途書くとおり、Santo DomingoからSosúaまでの移動は事前に予約できていなかったので、その日中に行けるかどうか不安でしたが、なんとか辿り着きました。

12/15

ぶらぶら観光。

  • 観光:Playa Sosúa ★★★
    悪くはないですけど、別にそのために敢えてここまで来るほど素晴らしいビーチというわけでもないです。 

  • 食事:Lunch Mofongo King ★★★★
    伝統料理のMofongoを食べました。バナナを揚げて潰したもの?のようです。

これ

12/16

移動日。午前中のバスでSanto Domingoへ向かい、そこからカリブ海を越えてCartagena, Colombiaへ向かいます。

  • 移動:バス(Sosúa to Santo Domingo) DOP 575 (= USD 9.75)

  • 食事:UDON ★★
    Santo Domingoの空港でランチ。珍しく日本食に遭遇したので食べてみましたが、高すぎです。別にちゃんとしたうどんじゃないですし。椅子の座り心地も悪かったです。

まとめ

移動が長かったこともあり、結果的には、ほとんどDRには滞在していなかった感じですが、一度来てみたかったので来れたのは良かったです。ただ、少なくともSosúaに関しては、もう二度と来ないと思いますが。

次回

今回の記事で、全旅程5週間のうちの最初の1週間をカバーしました。次回は、Colombia以降の旅程について書こうと思います。

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[1] 他の学生の動きを見ていると、普通はもうちょっと期末試験期間が終わるのは遅いみたいで、自分は、履修科目の試験日程がたまたま早めに設定されていたということのようです。

[2] Yale Summer Sessionについては、下記のとおり、別途記事を書いておりますので、そちらをご参照下さい。

[3] 今振り返ると、この帰国タイミング自体は概ね間違っていなかったのですが、旅行記の執筆に使う時間も考慮してもうちょっと早く帰ってきても良かったかなと思います。新学期開始前に一本記事をリリースできれば、あとはその勢いで順次リリースできたように思います。実際のところは、ちょっとずつ書き進めることはできたものの、一気に仕上げようというモメンタムを失ってしまったように思います。

[4] 本旅程では、観光、食事、宿泊などについて5段階で評価しています。イメージ的には、各カテゴリー(観光、食事、宿泊)の中での相対評価です。

[5] 本旅程では、適宜現地通貨とそのドル建て換算額を記載していますが、レートは、記事執筆時点のものを使っております。

[6] かなり高額だと思いますが、後述のとおり、バスだとはるかに安く済みます。この辺の経緯は、別記事で書きます。

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