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大学院では偏微分方程式論を研究/趣味は読書とプログラミング/Google認定教育者Lv.1&2/ 統計・データ分析に関する教育やICT教育について、自身の実践を踏まえた記事を中心に投稿します。 みなさまとこれからの学びについて考えていきたいです。

マガジン

  • 高等学校における統計教育と情報教育を考える

    初等中等教育における統計やデータサイエンスに関する、記事をまとめています。 統計学やPythonについて勉強していることや実践したことを気の向くままに記事を書いています。 統計教育や情報教育に興味をお持ちの方と情報共有ができますと幸いです。

最近の記事

  • 固定された記事

【第1回】数学と情報と私

はじめまして、kenstyと申します。これから初等中等教育における統計やデータサイエンスについて、自分が勉強していることや実践したことについて記事を書いていこうと思っています。統計教育や情報教育に興味をお持ちの方と情報共有ができますと幸いです。 初回記事ですので、自己紹介もかねまして、本記事を投稿する動機やこれから書きたいと思っていることを書いてみたいと思います。 数学と情報との関わり私は大学・大学院で数学、そのなかでも主に自然現象を記述する偏微分方程式といわれる分野の研究

    • RとPythonと表計算 #03 負の二項分布

      本シリーズ記事は、R言語、Python、表計算ソフトを使った統計解析の手法を、主要な確率分布をテーマに沿ってまとめていくものです。 高等学校の数学や情報の授業におけるデータ分析・活用を想定しながら書いてまいります。 特に、私のように「Pythonと比較しながらRも学習してみよう」と思っている方にお読みいただけますと嬉しく思います。 第3回は負の二項分布について整理していきたいと思っています。 Pythonは下記のライブラリの読込はすでに行っているものとします。 impo

      • RとPythonと表計算 #02 ポアソン分布

        本シリーズ記事は、R言語、Python、表計算ソフトを使った統計解析の手法を、主要な確率分布をテーマに沿ってまとめていきます。 高等学校の数学や情報の授業におけるデータ分析・活用を想定しながら書いてまいります。 特に、私のように「Pythonと比較しながらRも学習してみよう」と思っている方にお読みいただけますと嬉しく思います。 第2回はポアソン分布について整理していきたいと思っています。 Pythonは下記のライブラリの読込はすでに行っているものとします。 import

        • RとPythonと表計算 #01 二項分布

          本シリーズ記事は、R言語、Python、表計算ソフトを使った統計解析の手法を、主要な確率分布をテーマに沿ってまとめていくものです。 高等学校の数学や情報の授業におけるデータ分析・活用を想定しながら書いてまいります。 私はデータ分析に表計算ソフトやPythonを利用していたのですが、このあたりで一度、Rも勉強してみようと思い立ったのがきっかけです。 特に、私のように「Pythonと比較しながらRも学習してみよう」と思っている方にお読みいただけますと嬉しく思います。 初回は二

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        【第1回】数学と情報と私

        マガジン

        • 高等学校における統計教育と情報教育を考える
          31本

        記事

          久しぶりに40-32÷2=4!の話題を考えてみた

          約10年前、次のような話題がネット上で賑わいました。 これはいわゆるトンチであり、まずはこちらの解説を要点のみ箇条書きでまとめます。 正しい計算は、$${ 40 - 32 \div 2 = 40 - 16 = 24 }$$ 「文系」は小学生が$${ (40 - 32) \div 2 = 8 \div 2 = 4 }$$というよくある誤りをして、元気よく答えてしまったと思っている。 「理系」は$${ 4! = 24 }$$であることから、小学生が正解を答えており、しかも

          久しぶりに40-32÷2=4!の話題を考えてみた

          【第31回】母平均の区間推定-後編

          前回に引き続き、情報Iの授業で区間推定の考え方を扱う方法について考えていきたいと思います。 前回記事では、いろいろと端折ってとにかく95%信頼区間を求めるための最低限の流れになってしまいました。 数学Bで学ぶ数学的な内容を避けてできるだけ直観的に理解できるよう努めた結果、かえって説明が分かりにくくなっていたところが反省点です。 そこで、今回は連続型確率変数について、大まかな説明をし、これを積極的に使って区間推定を考えてみたいと思います。 確率変数と確率分布まずは直観的に

          【第31回】母平均の区間推定-後編

          【第30回】母平均の区間推定-前編

          本シリーズの記事も30回目になりました。 いつもお読みいただいているみなさま、本当にありがとうございます。 今回から、情報Iの授業で区間推定の考え方を扱う方法について考えていきたいと思います。 情報Iの授業の中で、コンピュータを活用しながら区間推定の考え方を学ぶことで、標本のデータから母集団の性質を確率に基づいて推測する方法に慣れることを目指してみたいと思っています。 本記事の内容本記事では、授業1回完結を目指し、次のような流れで書いていこうと思っています。 正規分布

          【第30回】母平均の区間推定-前編

          【第29回】推定と検定

          本記事では、情報Iと数学I・Bにおける推測統計学の扱いについて、今一度考え直してみたいと思います。 つまり、数学の授業との連携を考えていく際に、情報Iで扱う推測統計学の内容としてよりふさわしいのは「区間推定」か「仮説検定」かというテーマで記事を書いてみます。 前回記事までこれまで、本シリーズ記事では高等学校における統計・データ分析に関する学習内容を次のように捉えて考えてきました。 青が記述統計学、赤が推測統計学、黄が確率論、緑が機械学習の領域を表しております(おおよその分

          【第29回】推定と検定

          【3.14】円周率の日にPythonでπを近似

          3月14日。3.14。本日は円周率の日ですね。 そこでnoteを始めて最初に迎えた円周率の日を記念して(?)、円周率に関する記事を書いてみたいと先程思いつきました。 半径1の円に内接する正多角形と外接する正多角形の面積で円周率$${ \pi }$$を近似するPythonプログラムの話を投稿したいと思います。 正六角形による近似円に内接する正六角形 円に外接する正六角形 正六角形の場合の評価式 半径1の円の面積は$${ \pi }$$ですので、$${ S_1 < \p

          【3.14】円周率の日にPythonでπを近似

          【第28回】数撃てば当たるのか? -ポアソン分布編

          確率0.0007%の事象は、何回繰り返せば起こることが期待されるか? 情報の授業における生徒とのやりとりから前回は上記のことを考えてみました。よろしければ、前回記事もご覧ください。 ここでは「ある試行を繰り返し行ったとき、ある事象が初めて起こるまでの試行回数」に注目し、幾何分布についてまとめてみました。 個人的に興味深い話題でしたので、もう少し深掘りし、別の視点で記事を書いてみることにしました。 今回は、二項分布$${ B(n, p) }$$において「試行回数$${ n

          【第28回】数撃てば当たるのか? -ポアソン分布編

          【第27回】数撃てば当たるのか? - 幾何分布編

          今回は、ある日の高等学校情報の授業のエピソードからです。 シミュレーションサイコロを100回投げて1の目が35回以上出ることがいかに珍しいのかという話をしていました(「シミュレーション」を学ぶ回)。 これを実際に体験してもらおうと、Pythonで次のようなプログラムを生徒に作ってもらい実行するような実習です。 import numpy as npdice = np.random.randint(1,7,100)print(dice)dice01 = np.count_no

          【第27回】数撃てば当たるのか? - 幾何分布編

          【第26回】仮説検定の理解の壁 -授業実践から-

          本記事は2021年度の高校1年生の情報の授業において、情報Iの「データの活用」と数学Iの「仮説検定の考え方」の内容を一部取り入れて授業を行った実践のご報告になります。 至らぬ点も多々ありましたが、実際に授業をしたことで得られたことが多くありました。 高校生が仮説検定のどういうところに躓きやすいのか、どのような所が指導上の留意点だったのを振り返りつつ、ポジティブな気持ちで次年度に向けた課題を整理していく記事にしたいと思います。 授業実施内容次のような8コマ(50分 × 8

          【第26回】仮説検定の理解の壁 -授業実践から-

          【第25回】独立性の検定-後編

          今回も、アンケート調査におけるクロス集計において、一方の回答が他方の回答と関係があると言えるかの判断を行う仮説検定を考えます。 前回は、表計算ソフトを使ってカイ2乗検定を行いましたが、今回はPythonを使います。 クロス集計表ができれば、数行のコードで簡単にできて感動です。 今回考える問題前回と同じように、スマートフォンを所持している高校生100名に「性別」と「メインで使っているスマートフォンのOS」を調査した場合を考えます。 簡単に前回の設定を振り返りつつ、今回の準備を

          【第25回】独立性の検定-後編

          【第24回】独立性の検定-前編

          今回考えるのは、アンケート調査におけるクロス集計において、一方の回答が他方の回答と関係があると言えるかの判断を行う仮説検定を行います。 具体的な問題で考えてみましょう。 今回考える問題スマートフォンを所持している高校生100名に「性別」と「メインで使っているスマートフォンのOS」を調査し、これらの回答をクロス集計したところ、下記の表のようになったとします。 男子と女子で、利用しているスマートフォンのOSに差があると判断できるかを有意水準5%で仮説検定をするという問題を考え

          【第24回】独立性の検定-前編

          noteと2冊の本と私 #2

          早いもので昨年末にnoteを始めて本日でちょうど2ヶ月となります。 これまで多くの方に記事を読んでいただき、心より感謝申し上げます。 また、クリエイターのみなさまの記事を読んで、多くの気づきや学びがあり自分自身について振り返る機会が多くなっていることを実感します。 今回はこの節目で、今の自分の課題である「他責にしない」と「自分を責めすぎない」というテーマで記事を書いてみたいと思います。 他責思考を排した思考の反動で自分を責めて自己肯定感を下げている方は、私のほかにもいらっ

          noteと2冊の本と私 #2

          【第23回】クロス集計-後編

          今回もアンケート調査でよく用いられるクロス集計についてまとめます。 高等学校の情報Iの授業で扱いたい、集計に使う手法として下記3つを順に考えているという内容です。 表計算ソフトのCOUNTIFS関数・複合参照 表計算ソフトのピボットテーブル Pandasのcrosstabメソッド 前回は1.の方法についてまとめました。 よろしければ、前回の記事をご覧ください。 今回は2.と3.についてまとめ、最後に個人的な見解と自身の実践を述べたいと思います。早速、具体例を使ってみ

          【第23回】クロス集計-後編