【企画参加】 ワナの色はうつりにけりな 〜 #色のある風景
ツバメの背をなぞったような花弁を見せる燕子花(カキツバタ)がしっとり湿った夕の刻。移ろいやすく露草色に翳ったひっそり静かな部屋の、若草思わす畳に投げ出された君のつま先。
恥ずかしそうな藤色がかった薄衣の裾を僅かに持ち上げ、ふるっとした桜の如きふくらはぎから弾力のある太腿ヘ手を滑らせればそれはまるで撫子か。そこをゆっくり開いて覗き込み着いた浄土のその先は、ふと目を閉じさえすれば一面に広がる紅梅の園。おぉなんと、春はここにも来たりて誘惑せり。
老舗の菓子処の甘さを舌に乗せて