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協会けんぽの「健康づくり」

(記事作成:全国健康保険協会)

 私たちの健康に大きく関係する生活習慣病。その多くは、運動不足、不適切な食生活、喫煙、過度な飲酒等の不適切な生活の積み重ねによってメタボリックシンドローム(※1)となり、これが原因となって引き起こされます。放置することで症状が悪化し、元の健康な状態に戻ることが困難とされています。
 全国健康保険協会(※2)(協会けんぽ)では、加入者の健康づくりのため、主に3つの取組を行っています。

①健診・保健指導の推進

 糖尿病などの生活習慣病は、早期には自覚症状がなく、症状が現れたときにはすでに進行しているというケースが少なくありません。
健診を受けることで、自身の生活習慣を見直し、改善に取り組むきっかけとなります。また、早期に病気を発見し、早期治療につなげることができます。
 協会けんぽでは、生活習慣病の発症や重症化の予防を目的として健診を実施しており、被保険者(ご本人)はがん検診を含んだ生活習慣病予防健診、被扶養者(ご家族)は特定健診を受診していただけます。健診の内容や健診を受けることができる実施機関、健診費用については、協会けんぽのホームページでご確認ください。
 なお、生活習慣病予防健診については、より多くの方に受診していただけるよう令和5年4月から自己負担額を約2,000円軽減していますので、協会けんぽの被保険者(ご本人)の方は積極的にご利用ください。
 また、健診の結果、生活習慣の改善が必要な方には、健康づくりの専門家である保健師等が健康サポート(特定保健指導)を実施しています。健診当日に特定保健指導を受けられる健診機関もありますので、積極的にご利用ください。
 毎年の健診受診で、自身の健康状態を振り返るきっかけにして、改善に向けた行動をとりましょう。

②生活習慣病などの重症化予防

 生活習慣病は自覚症状がないまま徐々に進行するため、治療せずに放置すると、動脈硬化などが急速に進み、心疾患等が発症する危険度が高くなります。
 健診を受診した結果、医療機関への受診が必要と判定された場合は、早期に受診することをお勧めいたします。
 協会けんぽでは、健診において、血圧値、空腹時血糖値(またはHbA1c)、LDL(悪玉)コレステロール値が高く、医療機関への受診が必要と判定された方で、受診が確認できなかった方に対して、受診をお勧めするご案内をお送りしています。

③コラボヘルス

 超高齢社会となった日本では、従業員の平均年齢の上昇によって、生活習慣病等の疾病リスクが増加し、また体調不良による労働生産性の低下も懸念されます。
 こうした中、事業所全体で「健康づくり」に取り組み、従業員の健康保持・増進を図ることが今まで以上に求められています。「健康づくり」に取り組むことで、事業所にも様々な効果が生まれます。
 協会けんぽでは、事業主の皆さまに職場の健康づくりに取り組むことを宣言していただくとともに、職場で周知していただき、事業所と協会けんぽが連携して、職場の健康課題の解決等に取り組む「健康宣言(※3)」を積極的に推進しています。
 その取組の一環として、事業所特有の健康課題が把握できるよう、事業所単位での健診・特定保健指導の実施率や、健診結果および加入者の日常の食生活や生活習慣について、数値やグラフ、レーダーチャート等で見える化した「事業所カルテ(※4)」を提供しています。事業所カルテを活用することで、自社の健康課題を把握し、事業所における健康づくりを効果的に取り組みましょう。

 これらの取組を通じて、協会けんぽは、従業員お一人お一人のそして事業所の健康づくりを積極的にサポートしています。

※1)メタボリックシンドローム
お腹まわりに内臓脂肪がたまることで悪玉のホルモンが分泌され、高血圧・高血糖・脂質異常等が起こり、生活習慣病になりやすくなっている状態のこと。
※2)全国健康保険協会
加入者約4,000万人、加入事業所約250万事業所からなる、主に中小企業にお勤めの方とそのご家族が加入する日本最大の医療保険者。
※3)健康宣言
事業所全体で「健康づくり」に取り組むことを事業主の皆さまに宣言いただき、その取組を協会けんぽがサポート・フォローアップする仕組みとなっており、協会けんぽと事業所とが協働・連携することによって、加入者(従業員)の健康の保持増進を図ることを目的とする取組(コラボヘルス)です。
※4)事業所カルテ
事業所の規模等に応じて、業態別の「健康度カルテ」を提供している場合があります。

執筆者:全国健康保険協会 保健部


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