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「流れに従って生きる」ー転職準備編ーACT38:Cホーム入社前の訪問


Hさまの家づくりが長期延期となり、設計のアルバイトがなくなったことで、私には本当の充電期間が1ヶ月できました。

 


時間にゆとりができた私は、とりあえず、次の就職先である
北上市のCホームに挨拶を兼ねて遊びに行くことにしました。

 


創業したばかりで、私が入る10月がちょうど1周年になるという会社だと聞いていたので、きっとこじんまりした家族的な雰囲気なのだろうなぁ・・と思って遊びに行きました。

 


 ところが、またまたしょっぱなからびっくりさせられました。

 


なんと・・すでに従業員が30人くらいいたのです。

 


「え!?確か・・1年経ってない会社なんだよなぁ・・」。

かなり不思議には思いましたが、まぁいいや・・と深く考えず流しました。



応接室で会社の上役の方々とごあいさつや雑談をしました。


社長の雰囲気は、あきらかに技術屋ではなく・・お金の計算するタイプという感じで、部長クラスの方に「昔からの技術屋さん」が2人ほどいる・・という感じでした。


 

社長面談の大胆発言



その雑談のなかで、社長からこんな質問を受けました。

 


「白鳥君は、何が得意なんだ?設計か?営業か?工務か?」



私は

「全部できます。知らないのは経営だけです。」


と答え、さらに次のように付け加えました。

 



「そして、自分の売りは・・普通の人より数十倍『運』があることだと思います」。

(何の根拠もない自信ですが、今までの人生で いつの間にかそういう感覚は持っていたのです)
 

 

 


社長からは「それじゃぁ、はじめは営業に配属させよう」と即決気味に言われました。

が・・、今の会話のやりとりで、何の根拠でいきなり営業という判断なのか、ちょっと理解しづらい感はありました。
また、どんな建物で何を『売り』にして、どんな『売り方』しているのか聞かされていない状態で営業配属を言われたので不安も感じました。

 


Cホームの家の「売り」



「今日は、市内で現場を見ていくか?」と聞かれました。
私は、どんな家なのか・・見ないと営業なんて怖くてできないと思い「是非見せてください」と言って、当時の開発室長Tさんに現場を案内してもらいました。

 


 新住協の会沢さんからの紹介で、「新住協会員のビルダーだよ」・・だと聞いていたので、新在来木造構法をやっているんだろうと疑わなかった私は、またまたビックリさせられます。



 新在来木造構法でなく、よくわからないパネル工法をやっていたのです。今は、なくなった会社なので工法名を出しても問題ないのですが、私は当時、開発室長Tさんとこんなやり取りをしました。

 



T&〇工法についての 問答



家づくり工法についてのT開発部長とのやりとり


私 「これってなんていう工法ですか?」

 


Tさん 「T&〇工法 っていうんだよ」

 


私 「なんかのフランチャイズですか?」

 


Tさん 「いや、うちオリジナルだよ」

 


私 「よく、創業してこんな短期間でオリジナル工法ができましたねぇ・・。」

 


Tさん 「・・・」

 

私 「一見、グラスウール断熱の新在来木造構法より性能も劣りそうですが、何が『売り』の工法なんですか?」


 

Tさん 「ん~。僕が考えたわけではないから、よくわからないけど、間柱と通気層が兼用になっているのが『売り』みたいだよ。通気層(T) 兼(&) 間柱(〇)工法の略なんだ」

 

私 「・・・ ・・・」

 

私 「それによって、コストが大幅ダウンしているんですか?

 


Tさん 「いや、そういうわけでもないよ・・」

 


私 「・・・  ・・・  ・・・」


私は内心(その『売り』ってエンドユーザーにとってはどうでもいい話で、考えた技術屋さんの自慢するネタにしかならないだろう・・。


T&〇工法ってネーミングも、エンドユーザーに、よく分かんないけどすごい工法だ・・と思わせる小手先の作戦なんだろうなぁ・・。)としか思えませんでした。

建築中の家そのものを見ても、なんの斬新さも感じなかった私は、「工法を除いて、この家の『売り』は何ですか?」と尋ねました。



Tさん 「ん~・・特にこれと言って無いなぁ
の答えにますます驚かされました。

 

 

 

 


頭の中ではそろばんをはじき始めていました。

 


〇 『売り』『特徴』『コスト』どれを聞いても、自信あるものが言えないのに、営業マンはどうやって売っているのだろうか?

 


〇 特徴がなければ価格のたたきあいになり、通常は利益率が下がります。

 


〇 なんで1年もたたないうちに社員が30人に増やせるのか?

 


〇 30人の給料と言えば、均しても1ヶ月700万円~800万円近くになるはずなのにどこから給料がでているのか?

 


疑問だらけの経営マジックにしか見えませんでした。


営業に配属されたらとても売る自信がなく、気持ちが沈みました。

 


そして、会社訪問で面会した上司の中に、N建設時代で唱和した「勝者の論理と敗者の論理」の「敗者」を、よりパワーアップさせたような「敗者」がいることを知りました。

多分、新しい意見や提案を毛嫌いするか、問題点を指摘して冷やかすんだろうなぁ・・という不安が膨らんでますます気持ちが沈みました。

 

 


本当にこの会社でいいのだろうか・・悶々と悩みました。

 


わくわくした会社訪問は、「超~ブル~」な気持ちでの帰宅となりました。

 

 

このマイナスをどうやってプラスに変えていくのか・・。




事実は小説よりも奇なり。


お天道様は見ています。


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