海外移住生活10年目。カナダのAlberta州ってどんなとこ。その2(都市や町について)
【Alberta州の各町や都市の紹介】
前回、記事にしました【カナダのAlberta州ってどんなとこ】の続編になります。今回は今までの僕が訪れたり、滞在したことのあるAB州の町や都市についてまとめてみました。
以下のようにAB州を大きく4つに分けて書いてみようと思います。
カナディアンロッキー周辺(Japser, Banff, Canmoreなど)
北部(Edmonton、Grande Prairie..)
中部南部(Calgary、Lethbridgeなど)
東部(MedicineHat、Drumhellerなど)
【カナディアンロッキー周辺の町】
カナディアンロッキーにある町は、御存知の通り世界中から観光客が訪れる人気スポットが多数点在しており、その拠点となる場所は年々発展しています。
もちろんローカルの人々が暮らす生活圏でもありますが、観光業で成り立つ地域(人々)が多いのが本音であり、日本の京都のように日常と観光のバランスが年々難しくなっている印象です。
また、最近はSNSの影響で穴場のハイキングコースも人気スポットに変貌していたり、年々ハイキングする時間や場所の検討が必要になったなと感じます。
そういう意味でカナディアンロッキー周辺に住めれば、
Calgaryより1時間、Edmontonなら3時間以上と都市圏と比べて出発時間のアドバンテージがあります。早朝に出れば、都市圏から流れて来る車による駐車場渋滞が始まる前にハイキングなどを楽しめる利点があります。
幸いにも僕も一時的な住居が見つかり、数年間カナディアンロッキー周辺で過ごしました。
夏も朝夕はカナディアンロッキーから流れて来る冷涼な空気のおかげでエアコンいらず、夏の山火事がなければCalgaryの平野部より空気も澄んでおり、都会の喧騒とも離れており、かなり気持ちがいい場所だなと感じました。
ロッキー周辺の家の需要は、大変高くかつ圧倒的に供給不足であり、住宅相場は山間部の田舎レベルのコミュニティーでありますが、バンクーバーやトロントの都市圏並み価格帯です。
観光地化のおかげでローカル向けだけでなく、観光客向けのカジュアルな仕事の求人は多くなっています。最低時給より高い求人も結構ありますが、住居が見つかりにくいまたは予算高めなのでバランスの検討が必要です。
【Banff(バンフ)】
ハワイのように英語が話せなくてもなんとかなるくらい日本人も多く訪れる観光地である(あった)Banffは、カナダの最初の国立公園内に立地し、カナディアンロッキーの象徴の町であります。。
バブル時代から日本人の観光客全盛期から次第に中心客層が遷移し、中華系からインド、中東、アフリカ系と色々な人々が訪れるようになり、さらに多様な国々に応じたサービスが増えてきている印象。
もちろん、カナダ人や欧州からの人気もあり、ほぼ年間忙しいリゾート地となっています。
夏のピーク時は、車を停めるために街へ入るのも困難になるくらい忙しい町です。観光業に特化しており、産業構造的にレジャーやホテル、外食、小売産業が多いです。
一方で国立公園内ということで住宅数も限定され、もちろん立地的に人気もあり住宅相場は年々高騰し、賃貸をみつけるだけでも争奪戦。
Vancouverで探す並の予算があっても、住宅市場規模が小さいので、長期滞在物件は見つけるのが困難な印象。
そのため観光業に関する雇用者はスタッフアコモを用意できない場所であれば、スタッフ確保に困難している。カナダ国内が不景気になっても、コミニュティーとして小規模ながら雇用状況は良いです。
自然への配慮は、カナダを代表する国立公園だけあって頑張っています。シーズン通して国が予算をかかけて整備や手入れが進んでいます。
そのため初心者でも手軽に誰でもロッキーを満喫できる場所が多くあり、Banffが人気な理由がわかります。
近くにはオリンピック選手などプロも御用達の素晴らしいウィンタースポーツのコースもあり、夏だけでなく年中アウトドアアクティビティーが充実しています。
【Japer(ジャスパー)】
Japerは、カナダの大陸横断鉄道である【VIA鉄道】が停車するカナディアンロッキーの北部の町です。そのため鉄道を利用してVancouverやEdmontonからやってくる人も多いことでしょう。
Banffよりロッキー内の北部に位置し、EdmontonからもBanffからも車で3時間ほど離れています。国立公園の中では、自然の深部にある街のためか大型動物ムースやベアーなど多くの野生動物と遭遇しやすい自然たっぷりの町です。
Banff同様に観光業が盛んで、小売やホテルも充実しており、仕事もハイシーズン向けのシーズナルジョブが多いです。
どの都市からアクセスしたとしても道中の自然は格別です。
ハイウェイ沿いにもビューポイントも多くあり、ハイキングコースやキャンプサイトなどBanff国立公園同様に充実しており、アウトドア好きには堪らないスポットです。
僕の勝手な印象でありますが、BanffやCanmoreに比べて立地的に遠いのか少しだけカナディアンロッキーの中では喧噪感が少なく、穏やかな町だなと、訪れるたびに感じます。
【Canmore(キャンモア)】
Canmoreは、Banffから20分、Calgaryから1時間弱というカナディアンロッキーの玄関口にあります。
Banff国立公園の隣でなくKananaskisなど州立公園の中にあり、Banff同様にBow valleyという渓谷内に立地し、低山帯や高山帯の野生動物達の通り道となっています。
カナダ大手のスーパーマーケットやホームセンターなどカナディアンロッキーの中では国立公園の圏外に立地しているおかげで充実している。
最低限の買い物やサービスが整うため、観光客の休憩地としてだけでなく、Banffからバスや車でやってくる人も多い。
また、CanmoreならCalgaryまで車で1時間弱なので、多くの住民が買い物やレジャーで都市部に出かけることが可能です。
Calgaryからカナダの大陸横断高速道路(国道1号線)として街を分断するように渓谷内(Bow Valley)を走っています。
冬場も優先的に除雪などされるため比較的交通網の整備が良く、Calgaryから車に乗ってCanmoreまで仕事へ来る人も結構います。
【AB州の北部周辺の町や都市】
北部は、オーロラで有名なイエローナイフのあるNW準州と隣接地域であります。南部や中部と比べて極北寄りのため平均気温もAB州では低い方です。
また、ユーコン準州から陸路で最初にAB州と繋がる地域であります。
北部は、ユーコン準州からアラスカハイウェイに沿って陸路でやってきて、観光やユーコン準州では手に入らないモノをショッピングしたり、ユーコン準州から御用達な地域だったりします。
また、AB州の主要産業である石油の精製工場も多くあり、北部がAB州内のガソリン価格が最も安いですね。
BC州北部からAB州北部へ州境をまたぐだけで、ガソリン価格が大きく変わります。
【Edmonton(エドモントン)】
EdmontonはAB州の州都です。先述のJasperからやってくるVIA鉄道もここで停車します。カルガリーより300kmほど北部に立地しCalgaryとの都市間を結ぶハイウェイやカナダの都市間を結ぶ空港もあります。
アップヒルが、都市の中心部を流れる河川から形成され、ダウンタウン周辺は特に3Dな街並みです。
中心部の川沿いも高低差があり立体的な地形を散歩すると楽しい。ダウンタウンの夜景などが綺麗に立ち並びいい眺めでした。
カナダで一番大きいショッピングモールがあり、モール内にはアミューズメントパークや屋内大型プールが設置されているなどスケールが北米らしく大きいです。
Calgary同様に都市チームがNHLに所属してあり、いつもCalgaryとライバル関係であり熱狂的なファンが多いです。
【Grande prairie(グランドプレーリー)】
Grande prairieは物流の中継地点。ハイウェイ1(Trans Canada Highway)を通らないユーコン準州やBC州のなどの便の一部が、ここで一度集まっています。
ユーコン準州からアラスカ・ハイウェイを下ってくると最初に到着する初めての大きな街であります。
この辺りから山間部とプレーリーの境界となりアルバータ州らしさを感じられます。
【Dawson creek(ドーソンズ・クリーク)】
Dawson creek は、アラスカハイウェイの始まりと終わりの地点。
ここからアラスカハイウェイが、ユーコン準州を経由してUSAアラスカまで続きます。
ここまではAB州から片道二車線だけどユーコン準州側へ数百km走れば、片道一車線か対向と共有するような山間部らしい険しい道がでてきます。
アラスカハイウェイの看板以外に何があると言うわけでないですが、AB州、BC州やユーコン準州との境界であり、交通の要所となっています。
【AB州の中部と南部周辺の町や都市】
AB州の中部と南部は、Edmontonと同じく都市圏を形成するCalgaryを中心に南部のLethbridgeまで至るところに都市や街があります。
プレーリー地帯の平野の中にあるため標高も1000m程とロッキーの山間部より低いです。
また場所によっては、西側にあるカナディアンロッキーの一望を眺めることができます。Calgary周辺だとロッキービューと呼ばれている地域がそれに当たります。
車で日帰りできる距離にAB州立公園が、西側のカナディアンロッキー沿いやプレーリー全体に点在してます。Edmonton周辺同様に都市圏ながらアウトドアアクティビティ、レジャーができる場所が多いです。
LethbridgeがAB州内のメトロポリタンとして認められていますが、それ以南はごく普通のプレーリー地帯やカナディアンロッキーとなります。
そのため自然は豊かで、野生動物も多く見かけることができます。
AB州の中部と南部は、Calgaryなら国際線や主要都市を結ぶ空港もありますし、交通なども比較的に利便性が高いです。カナダの中ではコンパクトサイズな都市圏でありますが、近年特にBC州やON州など生活費が高騰すぎる地域から引っ越してくる人口も多いです。
住宅価格は年間10-20%上昇という急成長率をパンデミック後からみられます。将来的にはVancouverやToronto並になることも遠くないようです。
【Calgary(カルガリー)】
Calgary は、カナダでも有数の都市ですが、TorontoやVancouverほど人口や規模も大きくありません。知る人ぞ知る冬季オリンピックがあった都市です。
人口も年々増加中の120万人都市です。Edmontonのように周囲に小さな街を連なっており、メトロポリタンを形成しています。カナダでNo.5くらいの都市として言われています。
個人的に嬉しいポイントとして、
UNIQLOが、AB州内でEdmontonのみで長年展開されていたのですが、2023年ついにCalgaryにも初出店し、現在は中規模店ながら2支店と拡大しつつあります。
ショッピングモールやエスニック系(日本を含む東アジアやインド、中東系)の店舗も年々増え、都市内も色々とアップデートされている印象です。
人口流入が激しく、最近特に人口が増えたなと感じます。かなり多様性のある都市です。
最近ついに数十年間のCalgaryの都市計画の1つであった都市の外周を結ぶ環状線が完成しました。これで渋滞が起こりやすい中心部を走らなくてもEdmontonのように東西南北に迂回ルートでアクセスができるようになりました。
Edmontonと同様にNHLに所属するアイスホッケーチームがあり、Calgaryの人気スポーツであります。
また、ロデオ祭り【Stampede】が有名であり、毎年夏になる街全体が賑わいます。カナダのウエスタンカントリーな雰囲気も味わえます。
パンデミック前は多くのウェスタン関係のショップが至るところに有りました。
カナダの都市圏あるあるだと思いますがCalgaryも漏れなく自然が豊かな場所が多いです。
鹿やビーバーなどダウンタウン周辺でも見かけることがありますし、河川には多くのトラウトがいます。カナディアンロッキーの街を経由し都市部へ流れている割には、水質も良いということでしょう。
ーAB州全体で言えることですがー
カナダの消費税的なGSTもAB州は5%だけであったり、政府の手厚いサポートが有る準州を除いて、低収入者向けのBenfitsなどもカナダ国内の州では多い方かなと感じます。
そして数年前までは、住宅相場が他州の都市圏と比べて圧倒的にリーズナブルだったので、家族連れ移民や他州からの移住者も多く、マイホームを求める人で年々Calgaryの都市境界線は東西南北へ広がっています。
また、他の大都市圏と比べても遜色ないくらい成長している割にAB州全体の最低時給は据え置きのままです。
パンデミック後の人口流入による爆増で更にゴミ問題や下水処理問題など多くのことを抱えています。
石油産業などで州全体が潤っている間に方向性が決まることを望みます。
【Lethbridge(レスブリッジ)】
AB州ではおそらくLethbridgeが最もアメリカに近い南部の都市です。町や集落だとカナダとアメリカの国境沿いにも点在しますが、最低限の都市機能をもつ場所ならAB州の最南端はLethbridgeだと思います。
Calgaryからも十分に車で日帰りで訪れる場所にあり、観光にもオススメです。カルガリー大学のキャンパスなどもあり、石油や小麦などを運ぶ鉄道が走っていたりします。
プレーリーらしい凹凸のある町並みです。プレーリーの隙間にできた街で崖同士を結ぶ大きな鉄道用の橋が有名です。昔ながらのウェスタンなカナダの町並みもみられます。
都市全体として拡大傾向にあり、アルバータ州の税法上ではCalgaryやEdmontonについでメトロポリタン扱いになっています。
【AB州の東部周辺の町や都市】
東側にあるサスカチュワン州(SK州)までプレーリーが続き、Grande Prairieのように小麦や菜種栽培が道路沿いで良く見かけます。また油井もよくありますね。TCH(カナダ大陸横断高速道路)沿いは、比較的アップダウンが少なめで、気持ち良いくらい荒野と農場沿いをずっと真っすぐ走っている感じがします。
プレーリーなので基本的に平野部ですが、その中で道のアップダウンがありBadlandsとよばれる独特な地形がみられます。川沿い以外は基本的に乾燥した大地であり、後述のように太古に侵食したであろう大地が続き、地層ごとに化石が発見されやすい環境にあります。
Calgaryから東部へ走っていると水の流れなど長年の風化と侵食などで大地の割れ目のような場所が多く見られます。Drumhellerという町は典型的な大地の侵食した割れ目の間にある街で、ブレーキパッド泣かせな急坂を下って行くことで訪れることができます。
【Drumheller(ドラムヘラー)】
AB州で化石といえば、この街Drumheller。Calgaryからも車で2時間弱という立地にあります。
油井も多く見かけ石油も取れますが、1番の見どころは化石だと思います。
急坂を降りてダウンタウンまで訪れれば、恐竜をテーマにしたアニメチックなモニュメントや大きくそびえ立つティラノサウルスの像などもあります。
カナダのウェスタン風な町並みと独特なカラーの愛嬌のある恐竜達が、なんとも言えない70-80’sチックなカナダレトロ感を醸し出しています。
乾燥地帯らしい地域で恐竜博物館近くなどバッドランドを眺める場所も多い。
カナディアンロッキーと比べて選べる交通手段が限られているためか、大混雑なロッキーと比べて観光客の数が控えめです。
AB州東部のプレーリーを体感しながらドライブするなら休憩を兼ねてDrumehellerがおすすめ。
【Brooks(ブルックス)】
Brooksは、カナダ大陸横断高速道に沿ってCalgaryから東へ2時間ほど走ったところにある街。
最低限のショッピングや休憩や食事施設が整っており、意外にもカナダ移民局の英語学習センターなどもある。ハイウェイ沿いにあるので給油地として止まる人も多いかもしれない。
Calgaryから近いかつ住宅相場も安めなので移民も増えている印象。
カナディアンロッキー側は、Calgaryなど都市部から離れていても高価格帯なので、少しリーズナブルな東部は移住者の新しいトレンドとなっている。
Calgaryなど世界中でマジョリティーな移民である中華系やインド系でなく、街では結構アフリカ系や中東系の移民の人をみかける印象。
CalgaryでStampedemなどイベントによるホテル相場が急騰する際は、Brooksまで離れれば価格の影響が少ないのでオススメ。
ここから州道などを利用してDrumhellerなどの化石やカッパドギアのようなAB州のプレーリー(バッドランド)を訪れるには最適な場所である。
【Medicine Hat(メディシンハット)】
サスカチュワン州とAB州の境にある街。
Calgaryから3時間ほど東側にありカナダ大陸横断高速道沿いに位置する。
CF系のショッピングモールや病院もあったり結構大きめのコミュニティーである。
最近は、この街が最もリーズナブルでカナダらしい一軒家を買えるということで、不動産会社関係の業者がプッシュする広告でよく見かける。
AB州へ安いガソリンを求めてや5%のGSTによるショッピングなど州境のSK州の集落から来る人も多いかなと思います。隣の州を跨ぐだけでガソリン価格がGSTを含めれば10¢/L前後簡単に変動します。
Medicine Hatは年中利用できるショッピングモールやファストフードなど選択肢も多くあり、車移動でオススメの休憩地かなと思います。
【まとめ】
ご覧の通り長文となってしまいました。
AB州は色々魅力的なな街が東西南北に広がっていますし、初めての訪れて、全てを見て回ることは難しいかと思います。
事前にマップと見比べて、ポイントを抑えつつ目的までの道中での新しい発見があれば良いなと思います。
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