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【図解版】               人的資本経営をB/S視点で考える

 先週「人的資本経営をB/S視点で考えてみる」を投稿しました。
まだ抜け漏れしている要素があって完全版とは言い難いですが、『人材版伊藤レポート2.0』で取り上げられている3P5Fがどこでどのように作用してくるのか、週末に図示化してみようと描いてみました。

人的資本経営の貸借対照表の考え方(© Kenichi Mochizuki )

 人的資本が自己資本として会社に参画してくれるためにエンゲージメント向上への取組みは欠かせません。
 さらに、その人的資本が人的資産として事業活動に連結する(有効化する)ために様々な人事施策を実施する必要があります。それらの取組みの結果、生み出された人的資産増加分は右側の純資産の部を膨らませ、その増加分が人的資本の利益剰余金となります。この利益剰余金は人的資本の提供者である社員の成長実感や自己効力感を満たすもので「配当」と言ってもよいかもしれません。
 会社にとって人的資本の所有者たる社員が翌期においても出資状態を継続しコミットメントを高めてくれることによって、会社は翌期の成長に振り向けることが可能な人的資本の原資を手にすることができると言えます。
 人的資本経営とはこの循環を起こすことであり、社員に学習してもらう、リスキリングしてもらうような単発の機会を作るようなものではなく、ただ単に女性管理職を増やすというものでもなく、一つ一つの施策がどうつながり、最終的に人的資本の利益剰余金を生み出すのかをシステム思考で捉える必要があると考えています。

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