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マンションの駐車場を解約して徒歩5分の場所にある駐車場を借りた話

僕が今住んでいるマンションには、平置き式と機械式の駐車場があります。我が家は昨年1年間機械式駐車場を契約していたものの、そこを解約して敷地外徒歩5分の空き地にある駐車場を契約しました。

この5分が遠い・・・

荷物がたくさんあるのに子供が寝てしまった時なんかは結構大変です。

なぜわざわざ距離がある敷地外の駐車場なんかに移ったのか。
誰も興味がないであろうその経緯をまとめてみました。

我が家はこんなところ

まず前提をご説明します。

我が家は大規模なマンションで、平置き駐車場が数十台と機械式駐車場が50台ほどあります。

平置き駐車場はいい感じに屋根が付いていて、大事な愛車が雨や太陽にさらされることがありません。当然人気No1で常に稼働率は100%、空きが出れば必ず倍率10倍程度の抽選が待っています。

次に機械式駐車場ですが、いわゆるピットなしの昇降横行式4階建てが採用されています。

《ピットなしの昇降横行式とは》
各階にそれぞれ1つずつ駐車スペースの空白箇所をつくっていて、駐車スペースが空白箇所を埋めるように左右に動きながら、上層階の車が降りる道をパズルのように作ります。
見ていると結構楽しいです。

説明が難しいので「4階建て」と理解してもらえれば十分です。興味がある人は以下のサイトで確認を。


当然ですが機械式駐車場は俊敏に動くことができないので、出庫までに数分の待ち時間が発生します。冬場とか雨の時とかは辛いです。

ただ機械式駐車場も待ち時間の手間があるにも関わらず、1階と4階は常に稼働率100%、平置き駐車場と同様に空きが出れば10倍程度の抽選が待っている同じく人気区画です。

では、機械式駐車場の2階・3階部分はどうなのか?


・・・これがなんと常にガラガラ。


2階・3階部分の推定稼働率はわずか21%にとどまります(独自の調査結果)。抽選なんかせずにいつでも自由に契約できるのです。

当然2階・3階は4階に比べれば出庫までの待ち時間は短いし、時短というメリットはある。
なんなら愛車を雨や太陽から守ってくれる屋根(上層階の床)だって付いています。

そんなこんなで抽選を経ることなく、僕たち夫婦は2018年春、ブルーオーシャンである機械式駐車場の2階を契約し車を購入しました。


機械式の2階・3階に潜む問題

がらがらの駐車場を見た時、最初は正直意味がわかりませんでした。
契約時に管理人から駐車場の情報をもらうとすぐにわかったのですが、そこにあったのは"高さの壁"でした。

1階・4階の高さ制限は約2.3メートル。ミニバンでもSUVでもなんでも入ります。
一方で2階・3階の高さ制限は約1.6メートル。セダンやステーションワゴンなど、高さの低い車種でないと入りません。
※車の種類がよくわからない方はこちら

我が家は幸いにもそんなに大きな車を買う予定がなかったため、すっからかんの中の1箇所を契約すれば事足りると判断しました。
しかしこの判断により、我が家は今のマンションに住み続ける限り、一生ミニバンやSUVに乗ることができないフラグが立ったのです。

なぜなら人気区画に空きが出た場合の抽選においては、優先順位という名の平等性を担保する仕組みが存在していて、区画に関わらずマンション内の駐車場を既に契約していると倍率10倍抽選会の土俵に乗ることすらできないのです。
実質この抽選会に参加する事ができるのは駐車場未契約者の人のみです。

つまりこの時点で我が家は一生低姿勢の車に乗り続ける事が決まりました。


課題を構造化してみた

ビジネス課題と違って構造はシンプルなので、せっかくだからクリティカル・シンキング風に整理してみました。

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こうやって整理してみると、なぜ2階・3階部分がすっからかんなのか、だいたい見えてきます。
きっとみんな将来のために可能性を最大化しておきたいんだよね。

ルールをどうにかすればこの遊休資産を有効活用できるはず。そう考えました。


課題を解決するためにやったこと

機械式駐車場をすっからかんで無価値な有休資産化(むしろ負債化)に追い込んだ原因は他でも無い、この倍率10倍抽選会を縛る謎ルールしかありません。

平等性の担保のためにつくった仕組みが負の効果をもたらしていて、こんなことになるのなら機械式駐車場を最初から2階建てにすべきだと不動産会社に物申したい気分でした。
まあそんな事をしてもつくってしまった以上何にもならないので、管理組合にルール見直しの提案をあげてみることにしました。

※台数や金額などの定量データは少し原文から変えています

【機械式駐車場(2・3階部分)の稼働率向上施策についての提言】

施策の提言
平置き駐車場および機械式駐車場1・4階の抽選における優先順位について、機械式駐車場2・3階部分(以下、当該駐車場)の契約者も駐車場契約が無い居住者と同等の優先順位として欲しい。

当該駐車場の現状推定
収容台数:48台
空き台数:38台
平均利用料:10,000円/台月
機会損失:38万円/月(456万円/年)

現状から見える問題点
高さ制限のない駐車場約100台の稼働率が100%であるのに対し、当該駐車場の稼働率はわずか21%にとどまる。
毎年456万円の機会損失を垂れ流していて、このまま放置すればマンション築3年にして既に1,000万円をはるかに超える機会損失を計上することになる。
また、利用されていない駐車場にも関わらず、当該駐車場の施工費や維持費・修繕費は全住民が負担する構図となっている。
(そもそも機械式駐車場の中層階が利用されないという問題はどこのマンションでも共通しているはずであるのに、この問題を認識しながら設計を行なった事業主の意図が理解できない。と言っても解決しないので、何かしら手を打つしか無い。)

問題の原因
車の高さ制限があり、ミニバンやSUV、軽自動車といった高さのある車の駐車は不可。
機械式駐車場4階部分に空きがない事から、出庫時の待ち時間は原因でないものと考えられる。
当該駐車場を契約してしまうと、その他駐車場に空きが発生した場合に抽選の優先順位が下げられてしまう。
現在の抽選状況を鑑みると、駐車場契約が無い居住者にしか抽選権がないと同義の状態になっているため、一度当該駐車場を契約すると区画を移動する事はほぼ不可能である。
つまり当該駐車場を契約した場合、当マンションに居住する限りはミニバンやSUVといった高さのある車種は生涯購入する事ができなくなるものと等しい。
もしくは居住者が極端に減少するか、マンション外の駐車場を契約して抽選機会を待つしかない。
これらの理由により、当該駐車場の利用率が極端に低いものと想像する。(マンション居住者にとって、この設備は負債でしかない)

施策による効果
高さ制限のない駐車場を契約するために現在車を保有していない居住者が、一時しのぎを目的として当該駐車場の契約をすることが見込まれる。
高さ制限のない駐車場契約のためにマンション外の駐車場を契約している居住者がいれば、これを機に当該駐車場を契約することも期待できる。
また、当該駐車場の利用者が高さのある車種に乗り換える事を検討した場合、一時的に解約をして抽選の優先順位を上げて当選を待つ、というような機会損失も回避できる。
施策の実行にはほぼ0コストで対応可能であり、1台でも効果が得られればペイできるものと考えている。仮に効果が出ない場合でも特に背負うリスクや損失は現状から増えるものではない。


管理組合からの回答と我が家の末路

機械式駐車場の中層階についての稼働率向上の提案がありましたが、管理組合で議論した結果この施策による効果が確実ではないためルールの変更などは実施しない事となりました。

イミガワカリマセン。説明になっていない。。施策打ってもコストかからないのに。。

という事で来たるいつかのために、我が家は早めに抽選会の参加権を得るべく徒歩5分の敷地外にある駐車場を契約しました。
そのためマンションの機会損失は、我が家という顧客の喪失により更に拡大しています。

あれから1年半、何度か人気区画の空きが出ましたが今だに当選していません。

10倍の壁は高い。いつまで続くことやら・・・
今月当たらなかったら改めて提案をあげる予定ですw
次は勝つまで戦う。

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