コンテクストから未来へのストーリー
コンテクストとストーリーの重要性を感じた先日の出来事を、書き留めたいと思います。
1. 定性データによる測定
プロジェクトにおいて「デザイン単体の効果」を定量で測ることは困難です。しかし、ここに向き合う必要があります。
そこで現在進行中のプロジェクトにおいて、定量で施策全体の効果を測定することに加え、ユーザーアンケートを実施し定性データを取得したいと考えました。
今回の施策で「どのような質問をすれば効果的な結果が得られるのか」という相談を、他部署の方へさせていただきました。
2. 自分のストーリーを設計する
相談させていただいた際に、様々な質問を受けました。結論「ストーリーを設計すること」が大切だと理解しました。
私はなぜこのアンケートを実施したいのか。このアンケートからどのような結果を得たいのか。そして得た結果を何に活用したいのか。なぜ活用したいのか。
私が思い描くストーリーを書き出します。
社内課題に貢献しているが、顧客課題に貢献できていると強く言えない現状である(間接的な貢献に留まっている)
事業貢献から遠いデザイナーは、結果的に社内受賞ができず、プレゼンスが上がらない。メンバーのモチベーションも上がらない
デザイナーも事業貢献できることを、プロジェクトを通して証明したい
顧客の現場コミュニケーション課題を探索し、デザインツールによって解決に導く(目標として設定)
デザイン単体の効果は定量で測れない。定量に加え、アンケートを実施することで定性データを取得したい
アンケートによって「デザイン施策の存在が、感情と行動にどのような変化をもたらしたか」が知りたい
アンケートからどのような結果が得られれば「貢献した」と言えそうか
アンケートによって得たい感想(←相談内容:現在地)
デザイナーの行動が事業に貢献したこと、行動に「価値」があったことを定量 / 定性で測る
課題が解決され、顧客満足度が向上する(←最も重要)
デザインの「事業貢献事例」として、他事業所へ横展開する
今回の取組みが「大きな価値だったこと・やる意義が大きかったこと」をチームメンバー全員に共有する
新デザイン評価4軸に組み込む「事業貢献度」という指標への、理解度・納得度に寄与する
デザイナーの成長・行動変容の実現
3. コンテクスト→現在→未来
プロジェクトを動かす場合は「なぜやるのか」明確且つ深い構造として言語化されている状態をつくります。
施策によって価値が証明できた場合、その結果は何に繋がるのか。成功体験全体を「ストーリー」として言語化し、伴走者の理解度・納得感を生み出します。
自分の相談は「ストーリーのどこに位置するのか」。位置を把握し、コンテクスト→現在→未来というストーリーが明確になった状態が、答えに辿り着くために必要なのだと、気付きを得ました。
まとめ
コンテクストとストーリーの重要性を改めて感じた1日でした。私は今回、相談前に「自分のストーリー」を言語化できていなかったのです。
相談を受けていただいた方の質問力に助けられました。コンテクストを理解するための質問が、状況を明確にしていきます。
それは、あらゆる角度からの質問というわけではなく、相手の「ストーリー」を的確に掴みにいく質問。「何を聞くべきか」が分かっている状態程、強いものはないと感じました。
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