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『第二回千葉科学大学公立大学法人化検討委員会』の傍聴 前編

第二回千葉科学大学公立大学法人化検討委員会が銚子商工会議所の一階第ホールで行なわれ、出席してきました。議事録をまとめましたのでご一読ください。

*下記、タブレット端末を持ち込めなかったため手書きで書き取った物をパソコンで打ち込みました。一字一句書き起こすことは難しく、ニュアンスは伝わらないかもしれません。誤解が無いようにご理解をお願いします。そこで話されていたことを順を追って端的に書き起こしております。抜け誤字脱字などございましたら、ご了承ください。また今回は質疑の時間が長かったため全てを文字で起こすとなると時間を要するため、『前編』『後編』と分けて更新したいと思います。ご了承ください。

後編はこちらからどうぞ。

議事
1.前回の指摘事項について
2.千葉科学大学を取り巻く環境について
3.千葉科学大学誘致の検証について
4.財務シュミレーションにおける諸条件について

前回質問があった何故学生が集まらないのか?ということに対して都会指向がある。子供の数が少ない。銚子市を含めた東総地区では人口減少が顕著である事が理由として挙げられる。また公立化する事によって学生が集まるのか?という質問が有ったが。公立化する事によって460万円程、学費が下がるなどメリットがある。(大学)

Q.生徒数が集まっていないのは外的要因だけなのか?(検討委員)
A.公立化により認知度を高めたい。(大学)

Q.教育が課題なのではないか?大学側の問題が出て来ていないのは何故か?(検討委員)
A.現在、努力している所。(大学)

【意見】
公立化したら大丈夫という夢の様な話に聞こえる。

Q.薬学部は飽和状態だから公立化すれば生徒が集まるという物でもないと思う。
A.他の薬学部にはない特色を出す必要がある。救急救命士などと合同で授業を行ったり、卒業生の在宅専門の薬剤師に現状の仕事状況について教えて貰うなど。また今後、薬剤師の人材は不足する(人材の需要が高い職種)と思う。(大学)

Q.メインである危機管理学部の学科が年を追うごとに内容が変わっていってしまっている。その理由と今後の危機管理学部の将来性はどうか?(検討委員)
A.危機管理学部を立ち上げた当初は世間の危機管理学部への認知度があまり無く、定義が地域や学生の要望を聞く中で変わっていってしまった。そこは反省すべき点。危機管理学という部門は消防署や警察官、自衛隊員になる為に必要な資格や試験を取っている。また航空、動物、保険医療など命に関わる課題にも公務員など様々な分野に人材(学生)を輩出している。しかしながらライバル校に生徒を持っていかれている現状がある。動物、看護の得意分野では90%を越えるる合格率を誇っている。しかしながらライバル校に比べるとまだまだ認知度が低い。航空学科でパイロットになる為にはお金がかかる。一方、外国人留学生が「是非、日本の危機管理を学びたい」という事で留学生の数が増えて来ている。危機管理学科は終えると防災士の資格が取れる。これは海外でも通用する資格である。(大学)

Q.合格率を対外的にお知らせしてはどうか?(検討委員)
A.ホームページで公開している。前回、資料としても提出している。(大学)

Q.資料を見ると資産が建物でそれ以外の流動資産は、現金、預金、債券など付属するキャッシュは他には無いのか?(検討委員)
A.無い。法人を含めている為。千葉科学大学単体では無い。赤字を出している為、内部留保は無い。しかし、設置校の12ヶ月分の保留をしなければならないまた前受金の管理をしなければならない為、4億円ほど有る。(大学)

Q.4億円のキャッシュがあるという理解で宜しいですか?(検討委員)
A.4月以降使えるという意味です。(大学)

Q.前回もお話ししましたが※BSを提出して欲しい?固定資産だけ見てもどれくらい負債があるのか?建物と紐づいている負債があるのか?という事が分からない。(検討委員)
A.大学毎に賃借対照表は作っていない。千葉科学大学だけの賃借対照表は無い。(大学)
※BS…「Balance sheet」の略で「賃借対照表」の事。

Q.民間感覚で言うと、公立大学法人化をお願いしたいと提案されたと言うことは非買収提案に当たります。非買収提案とは他の企業に我が社を買って下さい。と言っているのと同じ事になります。となると非買収提案にBSを提出しないと言うことはあり得ないです。(検討委員)
A.公認会計士と監査法人の監査を受けたものという事で作ってないものですから見せることが出来ないんです。(大学)

Q.では監査済み以前の資料はありますか?(検討委員)
A.作っておりません。(大学)

Q.買収の時には徹底的に調べるんですね。何かこの企業に付属する物がないか、通帳がついて来るのか?など買収の際には隠れ借金はないのか?とか頂いた建物に銀行の融資の担保がついているか?とか(検討委員)
A.無いです。内部留保も無いです。前受金などのプールは無いです。(大学)

【意見】BSの表があれば分かるんですが、口頭での説明では分からないです。(検討委員)

【意見】事業収支活動計算書は企業でいう所の損益計算書に当たります。過去、各学部ごとの教育活動収支を見て頂きたい。看護以外が赤字が続いている状況で公立化して収支が上がるとは思えない。国家試験の合格率が上げる以外に学生は集まらないのでは無いか?学費が安いという事だけで学生が集まるとは思えない。なんで定員充足率が低いのかという分析をもっと考えた方が良い。土地まで無償で借りて、建物まであって運営に専念できる状況であって、それでも経営が難しい。他の大学は自分達で土地や建物を用意するのに借金をして運営をしている。それも賃借対照表が有れば分かる。賃借対照表が無いので無いという事はこの数字に表れている。保護者の気持ちになって考えれば国家試験の合格率を上げる事以外に(定員充足率を上げる取組)無いと思っている。定員充足率を上げても2、3年後には下がっていく。その辺も今後の財務シュミレーションに組み込んでいく必要があると思います。(検討委員)

Q.建物の建て替えなど修繕費でどれくらいの額を用意しているのか?危機管理の重要性は分かるが岡山倉敷で危機管理学科を辞めたのは何故か?公立化するというよりどういう教育でどういう学生を育てて行くのか?という方向性が示されないまま説明がなされていて、数字合わせに感じる。少なくとも「改築に向けてこう考えている」「教育に対してこうして行く」などの方向性が(大学関係者以外に)伝わっていないのでは無いかと思う。(検討委員)
A.千葉科学大学でそれなりに人が集まったという事もあり倉敷でも新設したが教員が集まらなかった事が要因だと思う(大学)

Q.志願者と合格者と資料にあるが受験者の数を教えて欲しい?(検討委員)
A.資料にもありますが志願者641名受験者数613名です。(大学)

Q.減価償却額が40億円で建物取得価格が85億円。85億円のうち40億円が償却された。現在、減価償却引当預金が建替資金として40億円用意されていますか?これがついて来るか、ついて来ないかで話が大きく変わってくるのですが。(検討委員)
A.引当はやって無いです。(大学)

Q.40億円はつけないという事ですか?(検討委員)
A.そうです。積み立てはやって無いです。(大学)

Q.そうすると建て替えは銚子市にお願いします。という事ですか?(検討委員)
A.いえ、年度年度で補修は行なっているので、一気に建て替えるということは無いと思うんです。(大学)

Q.一気に、という事ではなく順番で立て替えるとしても累計額相当の40億円は必要になると思いますが?(検討委員)
A.40億円をプールできるような体制は作りたいと思っています。(大学)

Q.現在は積み立ててない?(検討委員)
A.積み立てて無いです。(大学)

Q.積み立ててない状況で引き渡したいということですか?40億円は銚子市にお願いしますという事ですか?(検討委員)
A.40億円を一気にやるという事ですか?活動収支が赤字なんです。ということは自己資産の取り崩しを行なっているという事になります。ですから積み立ては出来て無いです。(大学)

Q.ということは古いままでお渡しして40億円は銚子市にお願いします。という事で宜しいですか?40億円は大きな数字ですので大変、重要な事です。(検討委員)
A.40億円が何故そういう発想になるのかが分から無いです。40億円ありきという事が分からないです。(大学)

Q.公立化した場合、引き渡す時にお金をいくら渡すのかという資料を出して欲しい?(検討委員)
A.資料が無いので公認会計士と話して検討したいと思います。(大学)

Q.3年以上定員未充足だと黄色信号。5年以上定員未充足だと文科省の査察が入ると思います。経営状態の見込みがないとなれば補助金がなくなると思います。千葉科学大学はスリム化しなければならないということは前回も申し上げました。危機管理学部でパイロット養成コースを維持して行くのはどうかと思う。今治には動物看護科がある千葉科学大学の看護科を今治に持って行ってはどうだろうかと思う。全ての学科を公立化するとなれば、今のままでは難しいと思います。規模を含めた縮小も考えて行ってはどうか?(検討委員)
A.当然の議論だとは思う。大学としてのスリム化は図っていかなければならないと思う。また定員充足に向けた取り組みもしていかなければならないとも思っています。ただし最善の方法は何なのかといった時には、公立化しかあり得ない。公立化に向かっていく過程で改善は議論していかなければいけないと思っています。(大学)

【意見】公立化に税金を投入していくことの意味を考えなければならない。収支の赤字が5年以上続いている学部については閉鎖ということも考えなければならないと思うが、現状、看護以外は赤字なのでそれも難しいのかなと思う。シュミレーションは3パターンくらい作って欲しい。「学生充足率が伸びていく」「充足率がトントン」「充足率が下がって行く」その三つのシュミレーションを元に議論して行くべきではないかと思う。(検討委員)

【意見】この検討委員会での加計学園の参加は、今回で最後になると聞いております。従って、委員の皆さまに、今後の検討会において、考慮して欲しい点がいくつか有ります。前回の検討会議での議論で、加計学園側と市側との打ち合わせ、背景・協議の内容など、公立化の要望書を提出した経緯について、委員の方々に説明がなされていない事に、違和感をいだきました。と同時に、市側の公立化に向けての準備、姿勢が問われていないことも明らかになりましたので、一言申し上げさせていただきたいというふうに思います。公立化の要望書を提出した経緯ですが、要望書を提出する前に、市長側とは数回事前協議を行い、それを踏まえた上で要望書を提出しました。従って、市長が、昨年10月11日に突然、加計学園側から公立化の要望書が届いたかのような発言には大変困惑をいたしました。その後も加計学園と市長側と引き続き協議を行ってはいました。その協議の内容は主に2点です。第一は、市長側は、公立化によってその財政負担が増えることは断じて避けたいということです。これに対して加計学園は、前回の検討会議でも説明したとおり、一貫して学校の教育・研究管理運営においては、加計学園が全面的に協力し、さらに銚子市に対して財政負担はかけません。万が一赤字が発生すれば、その都度協力させていただきますとの応答をしております。第二は、教職員の雇用に関しては、市長側から全員加計学園からの出向を要望されましたが、法令上、大学側は専任の教員、職員を置くことになっているとお答えました。以上の経緯を踏まえて、加計学園、千葉科学大学では、公立化へ向けての準備が進行中です。それに対して、市長及び事務局側は、公立化を実現した大学への事前調査など、実施していないことが、前回の検討会議で判明しましたが、公立化に対して、前向きに対応していただきたいと思います。現在、本学のような地方の中小規模の私立大学は、周辺地域の人口の大幅な減少の影響を受けて、入学者数が激減しています。これは地域以外では知名度が低いために、周辺地域以外からの入学者が集まらないことも原因の一つとなっております。この状況下において、第一次的には、大学の一層の努力が必要ですが、大学自体の努力だけで克服するのは困難な状況になっており、公立化というのが大学にとって最善であると考えております。もちろん公立化に伴う大学自体の改善改革が必要ですが、公立化というのは単に授業料が安いだけではなく、 公立大学という高いブランド力があり、知名度も高くなります。そのため、入学を希望する学生が銚子の周辺地域だけでなく、 全国から集まるこの地域への就職も期待され、銚子市と千葉科学大学が共に生き残れる事が 期待される訳であります。その為に、市側から要請のあった資料は 全て届けさせて頂いております。更に公立化を実現すれば千葉科学大学にとってこれまで公立化を実現した大学の事例を見れば、良いインパクトを与えることは、はっきりしている訳ですが、その前提として、設立主体である銚子市が、消滅可能性自治体の中でも深刻な状態を脱却する事が重要です。昨年の銚子市における出生者数は113名、2040年には、すなわちこれから16年後には今の人口5万5千人が4万人を切り、2050年には3万人を切ると予測されています。まさに人口減少対策を打たなければ、現実に行政などの機能を維持出来なくなる実態が浮かんできます。そういう状況にあって、千葉科学大学に20歳前後の若者千数百名が銚子市に集合し、農産業、ホテル、レストラン、スーパーマーケット、コンビニ、居酒屋等の銚子市の第三次産業の一端を支えている事は言うまでも無い事です。その意味で、この検討会において、公立化への要望は単純に大学存続の検討ではなく、銚子市が人口の自然的減少、社会的流出に歯止めをかけ、銚子市の社会経済構造の改善を担う関係組織・団体との共存・共栄の道を探る上での試金石、すなわち、消滅可能性自治体を脱するモデルケースにどうすれば成り得るかという視点で、公立化した千葉科学大学の持つ潜在的な研究・教育能力を活用する対策を問う事が必要かどうかも検討して頂きたいと思います。最後に、加計学園千葉科学大学は銚子市と一体化し、公立大学のブランド力を元に、日本中、世界中から人材を集め、銚子市の町おこしをはじめ、様々な分野での地域連携を強化する事を願って、公立化を望んでおります。この想いが、銚子市の皆様、及び市民を代表する市議会議員の方々に届く事を願って、ご挨拶に返させて頂きます。どうもありがとうございました。(大学)

一この後、大学関係者は退席し10分間の休憩をとり『財務シュミレーションにおける諸条件について』へと移りました一

後編へ続く

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