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スポーツ中に見られる暴言の盲点!

 今日は「チームメイトにかける厳しい言葉」というテーマでお話させていただきます。
 サッカーをしている人であれば、絶対一度は見たことあると思います。同じチームで味方同士であるにもかかわらず、チームメイトに厳しい言葉を吐いてる選手…。「良くないこと」「連携が悪くなる原因」と考える人も多いですが、本当のところはどうなのでしょうか。
 
 「言い方って大事だよね」みたいなことを考えている人は多いと思います。おそらくこれを読んでいる多くの人が、日本で教育を受けた人でしょう。日本の道徳教育は「弱者を守る教育」と海外では捉えられています。日本人は、面と向かって「僕は違う考えです」「それは間違ってます」と言わない人種だと言われます。面と向かっては言いませんが、裏で悪口を言うことはできます。これは日本だけではなありませんが、面と向かって「イエス」「ノー」がはっきり言えないのは、日本人の特徴だと言われてきました。
 一昔前までのアメリカやヨーロッパでは、「イエス」「ノー」がはっきりしていました。面と向かって批判や批評をしてくれます。相手と違っていても、自分の考えを語ります。アメリカやヨーロッパの多くの国では、特に仕事現場でそれが求められます。最近は、時代の流れと共に日本人的になりつつあると聞いたことがあります。ですが、日本ほどではありません。
 
 話を戻すと、サッカーのプレー中に声をかけるとき、ポジティブな声かけを大切にすることが「良い声かけ」とされています。「厳しい言葉」や「相手を批判する言葉」は「良くない声かけ」とされることが多いです。ジュニア年代では、特にそうだと思います。
 サッカー中の声かけというのは、「チームが良くなるため」「試合で勝つため」に必要な声をかけるというのが目的です。友だちと良好な関係を築くために声をかけるわけではありません。冷静に考えるとわかります。
 例えば、チームのトレーニングをダラダラとやってる選手がいたとします。このような選手に対して、優しい声をかけるのが正解なのでしょうか。やはり試合で勝つためには、トレーニングで手を抜いてはいけません。ミスを起こさないように気を引き締めることも大切です。プレー中に何か問題が起こった時には、解決していかなければいけません。
 サボっている選手やチームに迷惑をかけている選手を正すことは、チームにとって必要不可欠なことです。「ちゃんとやろう!」といった意味で厳しい声をかけることがあると思います。サッカーがスポーツである以上、ミスは起こるものです。ですが、ミスをそのままにするのは間違っています。
 改善策やシステムを考えることが大切です。「自分ができていないこと」に気付いていない選手がいたときには「これはよくない」「してはいけない」と厳しいことも伝える必要があるのです。
 
 サッカーの試合というのは、一度のミスで勝敗が分かれることなんて、ざらにあります。言及して修正していかなければ、同じことが起きます。取り返しのつかないミスを犯してしまうと、試合に勝つことはできません。その前に、課題に向き合うことが大切なのだと思います。だからこそ、時には厳しい声をかけることが大切なのです。
 
 サッカーの試合は、レベルが高くなればなるほど、プレッシャーが強くなります。ストレスを感じながらプレーすることが普通です。そんな試合でも活躍して勝ち続けようと思うのであれば、トレーニングからピリピリした空気感でやるの必要があります。仲良しメンバーで楽しみながらトレーニングしても、試合になって、相手の激しいプレーや心折れそうな発言には勝てません。無理があります。慣れていないと厳しいです。
 だからこそ、トレーニングからプレッシャーある中で、それに打ち勝ってプレーしていくことが大切です。
 空気をピリつかせるような発言や、厳しい言葉もトレーニングに取り入れることが、チームを強くするには大切なのではないかと思います。みんながトレーニングに全力で、勝負にこだわってるときが、一番成長すると思ってるので、そういう空気をつくれる人って強いと思います。
 
 これだけは覚えておいてほしいのですが、嫌いで厳しいこと言ってるわけではないと思います。「チームとして強くなりたい」「みんなで勝ちたい」と思っているのです。そこは言われる側も理解しておくことが大切です。言いたくないけれど、言わないといけない時があります。言われた側が拗ねるとか、落ち込むとかは間違っています。むしろ、言わせてしまった相手に、さらに気を使わせてしまうことがないようにしたいです。
 
 まとめると、「厳しい言葉=良くないこと」と考えている人が多いですが、「チームが成長するため」「チームで勝利するため」の声かけこそが、「良い声かけ」であるのは間違いありません。時には厳しいことも言わないといけない場合があるというお話でした。言われた側も、言ってくれるだけありがたいと思って、受け止めて前向いていきましょう。その方が、絶対落ち込んだりぐちぐち言ったりするより気持ちいですよねというお話でした。
 
 今日は「チームメイトにかける厳しい言葉」というテーマでお話させていただきました。
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