航行
「『他人の日記』エッセイ月3本ぐらい」に参加すると最後まで読めます
係員の誘導に従って、船内にバイクで乗り込んでいく。
床は黒板の様な緑色で、オレンジや黄色に色被りした巨大な電灯により照らされている。トレーラー用の十数メートルはある大きな駐車区画を横目に、隅の方へバイクで向かっていく。指示通りに駐車すると、船員達がテキパキとロープでバイクを固定してくれるのだが、そのプロの手際は早くて惚れ惚れする。
フェリーに乗り込んで床に足を着いたその瞬間から、足元がじんわりと揺れている。ゆりかごと言うには重力を強く感じるそれは、体の内側から海の底に引っ