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賛否両論とは ~final ZE8000MK2~

イヤホン沼という新たな沼へ、足を突っ込んだ。
もともと私の足元は沼だらけ。
「けん玉」をはじめ、スターウォーズのコスプレ、NFTなどのWeb3分野、田舎町での町おこし、サバイバルゲーム(エアガン)、輪ゴム銃など・・

私の「沼」には共通点があります。

それは
ハマった時点で社会では少数派
という点。
どれもイノベイターになれる要素はあるが、スターウォーズは完全にボランティアだし、少なくともまだ日本では生計が立てられるよう発展させるには、なかなかハードモードな分野だ。
そこにいつしか「イヤホン」が加わった。きっかけはなんだったろう?と思い返しました。

イヤホンは生活の必需品ではない。

なんなら私は普段、通勤でも公共交通機関を利用していない。田舎暮らし故に、自家用車での移動がほとんどだ。
だからイヤホンを使う時は、けん玉やスターウォーズ、Web3コミュニティー関連の活動時の、電車移動のみ。
そんな泡沫のようなわずかな時間に、豊かさがほしいと思った。
いま思えば、流行病が話題の頃。
マスコミが騒ぐ脅威をどう感じているのか、踏み絵の上を歩くような社会に私は嫌気がさしていた。
「あなたたちの声は聞こえない」
街を歩く時、そういう環境を作りたかったのかもしれない。

私が購入したイヤホンは、ドイツのブランド
Sennheiser(ゼンハイザー)

当時のフラグシップモデルだった
MOMENTUM True Wireless 2
というモデルを購入。(ヘッダー写真右側のもの)

Youtube動画を参考に、たどり着いた最適解がこれだった。
新品は3万円台。よって中古を店舗で購入。
さすがフラグシップモデルだけあって、両耳から脳内へ届く音響の迫力に、当時の私は驚きと納得の連続だった。
まず、どんな音源でもそつなく、違和感なく迫力を与え、ほどほどのノイズキャンセリング機能で没入感を増幅させてくれた。
誤動作が非常に少なく、でも感度が良いタッチセンサーで快適に操作できるイヤホンは、当時、かなりの人気機種だった。

高級機買って4年経った。

バッテリーの残量が急になくなる。実際はバッテリーが劣化して充電容量が減っているのだとすぐにわかり、買い換えを検討すると、新型の
MOMENTUM True Wireless 4
が来月発売になるらしい。価格は49,940円・・え?
泡沫のひとときを過ごすツールとしては・・、私にはさすがに高価すぎた。

待てよ・・?現行のTrue Wireless 3がある。中古でも売っている。
・・しかし、バッテリー問題がある。中古はそれだけ寿命は短い。いま2を中古で購入して使っていて、それはよくわかった。
ということで、他の候補も探すことになったわけだ。

finalというメーカー。

質実剛健でありながら、少し簡素に見えるデザインをあえて採用し、ケレン味も感じさせる、なかなか面白いモノづくりをしている日本の会社です。
イヤホンでクラシック音楽を鳴らすなら、選択肢に必ず入るメーカー。
有線イヤホンでは実績があるがゆえに、完全ワイヤレスイヤホンは少し後発のメーカー。
遅れた理由は、こだわりの強さ。
前述のゼンハイザーと同様、音響工学研究とこだわりがあるからこそだろう。

そんなTWS(完全ワイヤレスイヤホンの略称)では後発だった、研究熱心なfinalがいよいよ、待望のフラグシップモデルを発売したのが2022年。売り文句は「8Kサウンド」でした。

賛否両論とは。

鳴物入りで登場したフラグシップモデルはZE8000。ある意味finalらしい、機能美なのか質実剛健なのかわからない形状で、リリース前の前評判と、予算をかけた広告(EXILEのATSUSHIさんを起用したCMなど)の効果により、期待度MAX!!2022年12月発売開始!!からの・・。
結果的には発売当時のX(Twitter)投稿を見ると、、ごく簡単に表現すると
熱い絶賛と落胆のブーイングのごちゃまぜ(中間層は?)カオス
が繰り広げられてました。

私はこれのマイナーチェンジ版である
final ZE8000MK2
を買うことになるのですが(ヘッダー写真中央のもの)、現時点の情報だと「え?なぜ買う?!」だ思います。ゼンハイザー買えなかったからかぁ〜と思われてしまいそうですが違います。
納得してコレ一択と購入し、昨夜、じっくり聴いて体が震えるほど超納得しました。
その理由を書いていきます。

あなたは何を求めマスカ〜

まず、ゼンハイザー(MOMENTUM True Wireless 2)を使ってて、不満点は全くありませんでした。バッテリーが劣化してなかったら、間違いなくまだ使ってる。
でも、新しい見識を広げるには、あらたな視野が必要。ということで、改めて
自分がイヤホンに求めること
を、必要なものから列挙してみたんです。

① クラシック音楽(生音)やインスト曲がしっかり聞こえる
② 価格は2万円台中盤まで
③ マイク性能もそこそこ良い
④ ノイズキャンセリング機能はそれほど必要ない

私はポップスやロックをイヤホンでは聴きません。あくまで生活のBGMとして感じたい時に使います。(それと電車内での動画編集)

とにかく「クラシック音楽がちゃんと聴ける」が最重要でした。
ゼンハイザーもしっかりメリハリを出して聴かせてくれてました。でも、まだ可能性はある。と宝探しのつもりで、秋葉原のeイヤホンさんで聴き比べたんです。それの候補が前述の「賛否」のZE8000からマイナーチェンジした、ZE8000MK2でした。

簡単に音の状況を言葉にするのは難しいのですが、一緒に手持ちのiPhone14proで、オーケストラの曲(2020年代の録音のもの)を試し聞きし、ヨメと共通意見として納得できた音響のイメージがあります。
それはお互い何度も足を運び、同じ演目を見ているディズニーシーの「ブロードウェイミュージックシアター」(「ビッグ・バンド・ビート」をやっている2階席のある大型劇場)の席で例えた音響イメージでした。

Sennheiser True Wireless 2
音の迫力や響きがすばらしい。シアターの2階席最前列からシアター全体を俯瞰して観劇しているようなイメージ。アンプで増幅された迫力が伝わる。

final ZE8000MK2
本来、アンプで増幅するはずのシアター音響を、生音だけで奏でている状態。1階席中央3列目付近のイメージで、目の前に音場の広がりがある。

違いはこんなイメージ。
細かいことを言うと、コロナ以降、同シアターでの演奏はビッグバンド生演奏ではなくなったので、前記表現はコロナ前という設定でお願いします。

なんでもそうですが、素晴らしい曲を事実ありのままに表現しても、それが人を感動させるとは限りません。

Sennheiserのチューニングはさすがのバランスで、迫力と聞きやすさをプラスしています。実は店内の試聴コーナーにあった新型の「4」も少し試聴しましたが、私の「2」とは比較にならない迫力が違和感なくプラスされていて、効果が格段に上がったノイズキャンセリング機能もあり、没入感は異世界レベルでした。
気になったのはノイキャンの効きが良すぎること。飛行機に乗っている時に、気圧変化で耳の聞こえが悪くなりますよね。あの鼓膜に感じる「キューッとなる感覚」があるんです。もう笑えます。そこに良いバランスの迫力の音が鳴る世界観は「実生活ではありえない」とも言えます。もはやファンタジーです。

かたや、final ZE8000MK2は、一聴すると無難に鳴っているだけにも聞こえます。そして、何よりイヤーピースがしっかり合ってなかったり、良い密着感で装着していないと、全く聞こえ方が悪くなります。逆に言うと、知れば知るほど音場の広さや、音の粒感がわかってきて面白く感じる。
そして曲によっては及第点な音が鳴ることもあるでしょう。しかし、それはデジタル処理をする今の音楽業界では、音の定位変更や周波数カットなどの作業で改造されまくっています。しかたがないのです。イヤホンメーカーさんは、そんなこと説明できないし。

簡潔に言えば、万人向けに程よいブーストをかけているのがSennheiser True Wireless 2。
ストイックなまでに事実を追求し、心地よさも両立させようとしたのがfinal ZE8000MK2。
じゃないかなと。

クラシック音楽や、インストロメンタル、生音の音楽を主に聞き、乗り過ごしたくないから電車ではノイズキャンセリングはそれほど強くないほうが良く、Stand fmを録音できるマイク性能があったほうがいい。
さらに中古なら2万円中盤で買える。発売からまだ3ヶ月なのに。
ということで、final ZE8000MK2に軍配が上がったのです。

で、何が言いたいか。

普通なら気に入っている機種の後継機を買うはずです。
今回の話で言えば、Sennheiser True Wireless 3 という後継機が中古でも2万円前半で購入できました。
家を買う時も思ったのですが、やっぱりまずは
自分は何を求めているのか
をしっかり把握することが、一番大切なのです。それも高解像度で。
・良い音が聞きたい
・外出中にいい音で聴けるやつ
ぐらいでは解像度が低い。
・こんなジャンルのこんな録音を広い音場で聞きたい
・周りの音は聞こえてもいいけど、リアルに聞こえるならそっち優先
ぐらいに、自分の要求を細かく設定するのが大切。
それが結果的に
「高いコストパフォーマンスと、十分な満足度」
につながる。
逆にそれをやらなければ、後悔につながるというわけです。

けん玉もそうなんです。

ここまで読んでくれるとは奇特な人ですねw
オマケですが、日本人のほとんどが知らない、けん玉の話です。
実はけん玉も「性能差」が存在しています。手作りであるがゆえに、個体差も存在しますが、それ以上に今は世界に広まって、難しい技ができるようになっているのです。

・木材の質
・剣の細さ
・全体の大きさ
・全体の重さ
・皿の大きさ
・玉の穴の大きさ
・ヒモの長さ
・ヒモ止めがボールベアリングかビーズか

でもこれは、イヤホンで言えば機能の部分。
大事なのは、見ただけではわからない性能なんですよね。

たとえば、「剣」の紐穴が少し左寄りになっているんです。それのおかげで剣を回転させやすくなる。そういったなかなか目に見えない性能向上の研究を、けん玉メーカーも日進月歩で続けているんです。
ヘッダーの写真左側のけん玉はデンマークのメーカーKROM(クロム)の
Eclipse SLAYDAWG3
高性能な海外のけん玉が、世界で流通している時代なんです。

けん玉の発祥国の日本人が、50年も変わってない形状のけん玉を100円ショップで買っている・・なんて恥ずかしくて言えません・・悲しいけど事実ですけど。。
真価を発揮できるものを、そして
「何を求めているのか」
を、けん玉でも見据えてから選んでください・・お願いします。。

ここまで読んでくれてありがとうございました!!

けん玉の大きさの変化(右が旧来のサイズ)

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