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執筆素人サラリーマン 文フリへの道~羅針盤~


「健さんの作品も楽しみにしています。」

長いことお世話になっている本屋さんで店主さんといろいろ話しながら、そう言ってもらえた。
なんだか背中を押された気がした。


*  *  *  *  *

年末年始に時間があったので、昨年の振り返りと今年の目標を考えていた。

何か新しいことをやりたい。
そう考えた時にふと、文学フリマに出店することが思い浮かんだ。
文学フリマとは、作り手が自らの手で作品を販売する文学作品展示即売会のこと。
全国各地でやっていて、去年初めて京都の文フリに購入者として行ってみた。

行った時は会場の熱気に圧倒された。
サークルであろう若い集団、ベテランの方、老若男女さまざまな出店者と購入客…
本は何もおいておらず、店の看板らしきものだけ置いてあるブースがあり、おや?と目をやると、「完売」の文字。
まだ開場してから2時間ほどしかたっていなかったので、驚いた。
あとで調べるとそのブースはプロの作家さんでもう何作も小説を出している方だった。
プロアマ問わず、自分の作品を手売りしたいという想いが集結した場になっていた。

そんな場に行って、読書好きな身としては、出店者側で立ってみたいと思った。自分が作った本が誰かの手に渡り、読んでくれたらどれだけ良いだろうかと妄想した。

それが去年の1月。

2024年に入り、目標を考えていたとき、このときの感情を思い出した。
「文フリに出店する」とノートに書こうとして留まった。
私生活で忙しくなる年に本なんか書けるのか?そんな余裕あるのか?
いろんな言い訳をして、ひとまず1日考えようとひとまず目標設定は後回しにして、元々予定していた本屋へ行くことにした。

その本屋さんは開店前からアクシデント的に繋がりがあって、定期的に通わせていただいている。
自分では選ばないような本を紹介してくれる、お宝が発見できるような本屋さんだ。

その日もいろんな本を店主に紹介していただいた。
しかも、僕の好きな本の傾向を把握していただいた上での紹介。外れるわけがない。

本の話をしている中で、写真家さんで文章書く人も多いという話になった。
「旅をする木」の星野道夫さん、「庭とエスキース」の奥山淳志さん、写真と詞を会わせるトナカイさんなど、写真も撮れて文章も書ける人は尊敬する。


そんな話の流れで、「健さんの作品も楽しみにしています。」と店主にいっていただいた。
その前にも文章を書きたいと話していたけど、目標設定を後回しにした直後にそういってもらって、びっくりした。
きっと今やるタイミングなんだろうと思った。

「文フリに出ようと思ってるんですよね。」
気づいたら、そう返事していた。腹が決まった。

本を買ってお店を出た後、スッキリした気持ちになっていた。
羅針盤が進むべき方向を示してくれた気がした。

パブリックコミットメントという心理学用語がある。
目標を公言することで目標達成のモチベーションが上がり、達成しやすくなるというものだ。
しかし、いろんな本を読んでいると、やり方を間違えると他の人に言うことで満足してしまい、達成率が逆に下がるというものもあるそう。

だから、こうやって記録に残し、サボらないようにしようと思う。
後で振り返ってみたら、面白そうだ。
自分だけでなく、もしかしたら、同じような境遇の人の参考になるかもしれない。そうなったら、なお嬉しい。


目標に掲げるには、来る2025年1月の文学フリマ in 京都での出店。

約1年のプロジェクト、どうぞ見守ってやってください。



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