健|本と写真

本のことを書いたり、写真撮ったり。 25年1月にZINE発刊予定。

健|本と写真

本のことを書いたり、写真撮ったり。 25年1月にZINE発刊予定。

マガジン

  • 執筆素人サラリーマン 文フリへの道

  • エッセイ的

  • 写真との出会いは標高3000m

    初めて登った富士山。 そこで出会った一眼レフを引き下げたおじさん。 登った先に見えた絶景と感情の記憶。 熱中しているカメラとの出会いを綴りました。

最近の記事

執筆素人サラリーマン 文フリへの道 〜航海図〜

この記事は執筆ということをほぼやったことのない一会社員が文学フリマ出品を目指す奮闘記です。 第一話はこちらから 3月後半から、本(ZINE)作りに関するレッスンを受けていました。 レッスン前はどんな本を作ろうか、かなり迷ってましたが、今は"こんな本にしよう"というイメージが固まり、やることがはっきりしたので良かったです。 にっちもさっちもいかない時はプロに聞くのが1番ということが改めてよく分かりました。 どんな内容かというと、ざっくりこんな感じ ◯本作りの考え方 ◯設計

    • 執筆素人サラリーマン 文フリへの道〜航海士現る〜

      とりあえず、船出をした。 良い風が吹き、良いスピードで航路を進んでいた。 羅針盤が示す方向に向けて進み、全てが順調かに思えた。 ところが、潮風にいやな湿気が混じってきた。 暗い雲のかけらが見えたと思ったら、あっという間に視界一面に広がっていた。 海は荒れ、マストが軋む音が聞こえる。 だんだんと雨水がデッキを打つ音も加わってきた。 まずい…… 急いで帆を納める。 舵を切って船首を風上に向ける。 頼みの羅針盤は針が定まらず、ぐるぐる回っている。 なんとか、切り抜けな

      • 執筆素人サラリーマン 文フリへの道〜時化〜

        この前、ナルトという忍者のアニメを見ていて、主人公の得意技である"影分身の術"がとても羨ましくなった。 ナルトは影分身の術を使って、自分の分身を数十、数百をつくり、あらゆる方向から敵に攻撃を仕掛ける。 これを応用して、男にしか通用しない、お色気の術というのもあるけど、それはまた別の話。 あれだけ自分が分身できて、それぞれが別の動きができるのがとても羨ましい。 *** 前回記事の後、どんなコンテンツの本を作るかというのをあらゆる角度から考えてきました。 小説、エッセイ

        • カタカナを使いたがるエイコン族

          この世には、やたらとカタカナを使いたがる会社人がいる。 「次の会議で事業部と"コンセンサス"を得ないとな」 「これくらいの事業規模であれば"ペイ"できるな」 「今日の会議の内容は"エスカレーション"しないと」 僕はこう言った人たちのことを心の中でASAPなコンセンサス族(以下、エイコン族)と読んでいる。 彼らはカタカナを使うことで、できる感を出したがる。 それを使うことで、スムーズな会話を阻害していることも知らずに。 この前、チャットでこんな会話があった。 僕「〇〇

        執筆素人サラリーマン 文フリへの道 〜航海図〜

        マガジン

        • 執筆素人サラリーマン 文フリへの道
          8本
        • エッセイ的
          1本
        • 写真との出会いは標高3000m
          10本

        記事

          遅ればせながら、2023年ベスト本

          2024年も早1ヶ月半経とうとしていますが、昨年のベスト本を紹介したいと思います。 普段、僕はブクログで読書記録をとっていて、昨年の実績は56冊でした。 幸運なことに、ハズレだなという本はほぼなかったので、選び難いところですが、あえて3冊あげるとすれば?という視点で紹介します。 其の一 精霊の守り人/上橋菜穂子 著 この本は、人に紹介してもらった中でぶっちぎりに面白かった本です。 面白くてすぐ読み終わってしまいました。 タイトルからも想像つくと思いますが、ジャンルは

          遅ればせながら、2023年ベスト本

          執筆素人サラリーマン 文フリへの道〜航海〜

          執筆経験ゼロのサラリーマンが文フリ出店を目指す記録です。 始まりの章はこちらから↓ ここ最近は本のアイデアを出しては、少し書いてみたり、行き詰まり、またアイデアを出しては、少し書いてみたり… どこに向かうべきか、模索しながら進んでいます。 こんなに自分が思ったよりも作業が進まないのは、久々の感覚で新鮮です。 会社で数年同じ職についていると、なかなか味わえない経験。 こういう創作をしていると、ゼロイチを作る創造するっていうのは会社にないなということを気付かされました。

          執筆素人サラリーマン 文フリへの道〜航海〜

          執筆素人サラリーマン 文フリへの道~出航〜

          書くことに素人なサラリーマンが文学フリマで本を出そうとしている記事です。 第一回はこちらをどうぞ。 今週はどんな本を作ろうかひたすらアイデア出しをやっていました。 ビジネスライクにいえば、ブレスト的に頭の中であれこれ考えていました、 考えた切り口は3つです。 ・その本を通して何を伝えたいのか ・内容はどんな知識、経験がネタになるか ・どういう形式の本を作るか 本を通して何を伝えたいのか ここがないと作る過程でいろいろとブレそうだったので、しっかりと考える必要があると思

          執筆素人サラリーマン 文フリへの道~出航〜

          執筆素人サラリーマン 文フリへの道〜文フリ京都に行ってきた〜

          楽しみにしていた2024年1発目のイベント、文学フリマ京都に行ってきましたので、レポートします。 来年出店のための参考情報もたくさん仕入れることができましたので、その辺もまとめています。 出店したいと思った経緯はこちらへ↓↓ 1年ぶりの文学フリマへ文学フリマ自体は去年にその存在を知り、初めて参加しました。 その時は会場の熱気に圧倒されました。 今回は単純に購入者として、そして来年の出展の下見という目的も含めた参加でした。 到着したのはお昼過ぎ。 行く途中でTwitte

          執筆素人サラリーマン 文フリへの道〜文フリ京都に行ってきた〜

          執筆素人サラリーマン 文フリへの道〜地図〜

          こんにちは。ゼロから文フリを目指す執筆素人サラリーマンです。 前回の記事が思いの外、レビューされてて、成功させなきゃと意気込んでいます。 前回記事はこちらからご覧ください。 イントロさて、今回は文フリ出店に向けての全体計画の記事です。 まず、全体像を把握しようと文フリ出店までの流れをザクっと調べてみました。 いろんなサイトや先人のブログ、SNS等を見てみましたが、出店に関する情報は文フリさんのHPが一番よくまとまっていました。 とっても出品者フレンドリーです。 計画

          執筆素人サラリーマン 文フリへの道〜地図〜

          執筆素人サラリーマン 文フリへの道~羅針盤~

          「健さんの作品も楽しみにしています。」 長いことお世話になっている本屋さんで店主さんといろいろ話しながら、そう言ってもらえた。 なんだか背中を押された気がした。 *  *  *  *  * 年末年始に時間があったので、昨年の振り返りと今年の目標を考えていた。 何か新しいことをやりたい。 そう考えた時にふと、文学フリマに出店することが思い浮かんだ。 文学フリマとは、作り手が自らの手で作品を販売する文学作品展示即売会のこと。 全国各地でやっていて、去年初めて京都の文フリに

          執筆素人サラリーマン 文フリへの道~羅針盤~

          キャリア停滞を感じている30代会社員が5年間価値観を見つめ直して分かったこと

          社長や役員さんの前で新入社員代表として挨拶をしたのが8年前。 あの頃は全てが新しく、未経験で、大変なこともあったけど、楽しかった。 "楽しかった"と書いたのは、何も今が楽しくないわけではない。 もちろん、楽しい時もあるけど、体の芯で感じる楽しさというのは少なくなってきた。 そんな感じでいると「自分は何がしたいのか?」という疑問が頭から離れなくなる。 それが進化すると「人生の目的ってなんだろう?」とまで考える。 こうなる原因は何かというと、自分の軸、つまり価値観がはっき

          キャリア停滞を感じている30代会社員が5年間価値観を見つめ直して分かったこと

          読書は勉強なのか?

          僕は普段からいろんなジャンルの本を読む。 小説、ビジネス書、自己啓発本、写真集、詩集、絵本…等々。 比率で言えば、仕事のことを本で学ぶので、ビジネス書が多めだろうか。 この前、自宅に古くからの付き合いの友人がきて、本棚を眺めているとこんな会話になった。 「めっちゃ本読んでるんやな」 「読むのが好きやからな」 「あ、投資の本とかも読んでるんや」 「まぁ、今後必要やろうしな」 「へー、読書できるんすごいな。そんな勉強できひんわ」 この友人はほぼ本を読まない。 たまに伊坂幸太

          読書は勉強なのか?

          風景写真は何が良いか説明すると...

          僕がなぜ、写真を撮ることになったのか、最高の体験談は以下にまとめてあるのでご覧ください。 一眼レフをはじめて、かれこれ7年の歳月が流れました。 今でも、良い写真に出会えそうな機会があれば、一眼レフを持って出かけます。 今回はそんな写真撮影のどこが良いのか? なんで好きなのかを好き勝手にお話しします。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 一眼レフを買おうと思ったのは、上の記事にあるように、富士山を登った時、絶景に出会って、この瞬間を持ち帰ることができたら良いなという気持ちが湧いた

          風景写真は何が良いか説明すると...

          名前のない猫が来た

          「"なつめ"がいいんじゃない?」 まだ僕が高校生だった頃、中学生だった妹が学校帰りに子猫を拾ってきた。 道の脇に、1匹でミャーミャー鳴いていて、母猫を待ってみたものの、現れる気配がなかったから、可哀想で連れて帰ってきたらしい。 片手の掌に乗るくらい小さくて、耳が大きく、逆三角形の輪郭をした、虎柄のハチワレ顔をした、可愛い猫だった。 なんて名前つけようか?と家族で考えていた。 名前がないのか。 名前はまだない。 吾輩は子猫である。名前はまだない。 夏目漱石。 漱石。 い

          名前のない猫が来た

          写真との出会いは標高3000m final

          エピソード1はこちら↓ 一瞬で辺りが明るくなり、目を細めた。 パッと明かりがついたそのシーンに一瞬にして心を奪われた。 日が出る前、周りに雲があることは分かっていたけど、それがどこまでも続いていることは太陽の光が教えてくれた。 光は一面に広がっている雲の凹凸まで浮かび上がらせて、それはまさに雲の海だった。 「すげぇ…」 景色に完全に圧倒された。 この壮大さに自分…というか、すべての存在が小さく感じた。 そして、何でもありなんだと思った。 何か起きても、それはこの世界の

          写真との出会いは標高3000m final

          写真との出会いは標高3000m ep.9

          エピソード1はこちら↓ 「ここ、ここ。ええスポットやねん。踏み外さんといてな。」 おじさんがいる場所は富士山の側面になっている、崖の窪み。 到底人のために作られたものではない、その絶景スポットのごく短い道のりはかなりのリスクを伴う道程だった。 友達と顔を見合わせたが、行くしかない。 その時にはまだ顔を出していない太陽の光がギリギリそこに届いていて、薄らと周りが見える程度に明るかった。 足を下のほうに向かわせると、その先にある景色も見えた。 数百メートル下に雲一面広が

          写真との出会いは標高3000m ep.9